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4話 本当にいた!?
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小田くん……? 筆箱に話しかけてるけどこれは一体……?
追いかけてきてるあたしに気づく様子もなく、小田くんは家庭科室にそそくさと入っていく。
あたしは入らず、ドアを少し開けて、中の様子を確認する。
――すると……?
「筆子、何度も言うけど君の声は普通の人にも聞こえるんだからね? 僕が演技してしゃべってると思われるじゃないか」
『だってさ、ああいう奴らめんどくさくない? どうせノブナガの友達になんてなれない連中だよ』
……?
え? 誰かと話してる?
でも家庭科室には他に誰もいないよ? 独り言……には聞こえないような……。なんか筆箱持ってしゃべってるから、筆箱に話しかけてるようにも見える。
というか間違いなく小田くん以外の声が聞こえた。女の子っぽい声だし、小田くんが出した声に聞こえ……
そう考えてた瞬間、あたしは目を疑った。小田くんが持ってた筆箱が宙に浮き出したからだ!
え? て、手品? 種も仕掛けもあります?
『ああいうミーハー連中なんて飽きるのも早いんだから。付き合うだけ無駄だよ』
筆箱が……ぷかぷかと浮かびながら……声を出していた……
「「ふ、筆箱が!! しゃ、しゃべったあああああああああああ!!」」
この時のあたしの叫びは、おそらく生まれてきて一番の絶叫だったと思うよ。ジェットコースターに乗って悲鳴あげた時でもここまでの大声はでなかったし……
いや、ジェットコースターなんて怖くなかったよ?
学校全体に聞こえたかもしれないあたしの声、当然小田くんにも聞こえたみたいだった。視線はこちらに向き、目と目が合う。
小田くんの顔は青ざめてた。あれ? 見てはいけないものだったりする?
気づいたら筆箱も浮かぶのやめて、机にのってるし。
「ちょっと来て!」
小田くんは必死に手招きしてきたので、あたしは首を軽く横にしてからトテトテ教室の中に入る。
「なんで首傾げてるの! なんでゆっくり来るの!」
何焦ってるんだろ小田くん。かしげって何?
小田くんはあたしが教室に入ると共に走ってきて、ドアを閉める。廊下は走っちゃダメだよ? あ、廊下じゃなくて教室内だった。
「はあはあ……。い、今の発言からして……見てた?」
「見てたって何を?」
何の事かわかってるくせに、あたしはその口で説明してくれるのを期待して、とぼける。
小田くんはドアのガラスから外を見て、誰もいないことを確認する。ホッとした様子を見せたから、多分誰も近くにいないし、あたしの声でやってくる人もいなかったみたい。
安心した様子で小田くんは、元々座ってた席に座る。あたしもちょこんと隣に座る。
「僕が、誰かと話してたの……見てた?」
「誰かって?」
わかってるのに知らぬフリ……
あれ? あたし嫌なヤツかな?
ただ本当の事聞きたいだけなんだ、あたしは。
でも目、キラキラさせながら小田くんを見つめてるんだろうなって、自分でも思ってる。
非日常っていうのかな? ふつーじゃない、そんなワクワクする答えが返ってくるんじゃないかって、期待してるんだ。
小田くんは頭をかきながらため息をつく。とぼけられないとわかったみたいだね。
さあ! 何と話してたのか言うんだ!
「僕は……」
『あ~めんどくさい! ノブナガはウチと話してたんだよ女あ!』
筆箱がぷかぷかと再び浮かびながらしゃべりだした。と、思ったら筆箱はあたしに体当たりしてきた! 痛あ!
「な、なにこの筆箱!」
『筆箱じゃない。ウチは筆子。ノブナガがつけてくれた名前だ』
ふ、フデコ……
ふでばこだから? そ、そのまま……
「で、そのフデコさん……ってさ、ふでばこ……じゃないよね? もしかして、自己紹介で言ってた……」
「……そうだよ。妖精さ」
こくりと頷く小田くんはどことなくかわいかった。
そしてあたしはガッツポーズを決める!
「いやったあ!!!」
「ちょっと! 声大きいって!」
シーっと人差し指を唇に当てて静かにするよう注意してくる小田くん。
「他の人に聞こえちゃうじゃないか……」
「なんで? 妖精探してるんでしょ? 別にいいじゃん。本物いるってわかったほうがみんなも信じてくれるし、協力してくれるかもよ?」
「僕は、妖精探しを手伝ってほしいからあんなこと言ったんじゃない」
あんなこととは……
自己紹介の時の?
――――――――――――――――――
『僕は妖精を探してる。知ってる人がいたら教えてほしい』
――――――――――――――――――
――って言ってたことだよね?
「僕みたいに、妖精と人知れず友達な子がいるかどうか、念のため聞いてみただけのことだよ」
「ふーん。でもあの様子だといなそうだよね」
「たぶんね。まあ僕を警戒してるかもだから、こちらに害はないと妖精に知らせる意味もあるし、僕は妖精を信じてる変なヤツってことでとおすよ」
が、がい……? 難しい言葉使うよね。なんとなくだけど、悪いヤツじゃないよ~って言いたいのかな? 妖精さんはそんなに人をうたがったりするのかな?
「よくわかんないけどさ! 妖精探してるんでしょ!」
「うん」
ふふふ~めっちゃ楽しそうじゃん! これはのらないわけにはいかないでしょ!
「ならあたしにも手伝わせ……」
「いや、お断りするよ」
????????
追いかけてきてるあたしに気づく様子もなく、小田くんは家庭科室にそそくさと入っていく。
あたしは入らず、ドアを少し開けて、中の様子を確認する。
――すると……?
「筆子、何度も言うけど君の声は普通の人にも聞こえるんだからね? 僕が演技してしゃべってると思われるじゃないか」
『だってさ、ああいう奴らめんどくさくない? どうせノブナガの友達になんてなれない連中だよ』
……?
え? 誰かと話してる?
でも家庭科室には他に誰もいないよ? 独り言……には聞こえないような……。なんか筆箱持ってしゃべってるから、筆箱に話しかけてるようにも見える。
というか間違いなく小田くん以外の声が聞こえた。女の子っぽい声だし、小田くんが出した声に聞こえ……
そう考えてた瞬間、あたしは目を疑った。小田くんが持ってた筆箱が宙に浮き出したからだ!
え? て、手品? 種も仕掛けもあります?
『ああいうミーハー連中なんて飽きるのも早いんだから。付き合うだけ無駄だよ』
筆箱が……ぷかぷかと浮かびながら……声を出していた……
「「ふ、筆箱が!! しゃ、しゃべったあああああああああああ!!」」
この時のあたしの叫びは、おそらく生まれてきて一番の絶叫だったと思うよ。ジェットコースターに乗って悲鳴あげた時でもここまでの大声はでなかったし……
いや、ジェットコースターなんて怖くなかったよ?
学校全体に聞こえたかもしれないあたしの声、当然小田くんにも聞こえたみたいだった。視線はこちらに向き、目と目が合う。
小田くんの顔は青ざめてた。あれ? 見てはいけないものだったりする?
気づいたら筆箱も浮かぶのやめて、机にのってるし。
「ちょっと来て!」
小田くんは必死に手招きしてきたので、あたしは首を軽く横にしてからトテトテ教室の中に入る。
「なんで首傾げてるの! なんでゆっくり来るの!」
何焦ってるんだろ小田くん。かしげって何?
小田くんはあたしが教室に入ると共に走ってきて、ドアを閉める。廊下は走っちゃダメだよ? あ、廊下じゃなくて教室内だった。
「はあはあ……。い、今の発言からして……見てた?」
「見てたって何を?」
何の事かわかってるくせに、あたしはその口で説明してくれるのを期待して、とぼける。
小田くんはドアのガラスから外を見て、誰もいないことを確認する。ホッとした様子を見せたから、多分誰も近くにいないし、あたしの声でやってくる人もいなかったみたい。
安心した様子で小田くんは、元々座ってた席に座る。あたしもちょこんと隣に座る。
「僕が、誰かと話してたの……見てた?」
「誰かって?」
わかってるのに知らぬフリ……
あれ? あたし嫌なヤツかな?
ただ本当の事聞きたいだけなんだ、あたしは。
でも目、キラキラさせながら小田くんを見つめてるんだろうなって、自分でも思ってる。
非日常っていうのかな? ふつーじゃない、そんなワクワクする答えが返ってくるんじゃないかって、期待してるんだ。
小田くんは頭をかきながらため息をつく。とぼけられないとわかったみたいだね。
さあ! 何と話してたのか言うんだ!
「僕は……」
『あ~めんどくさい! ノブナガはウチと話してたんだよ女あ!』
筆箱がぷかぷかと再び浮かびながらしゃべりだした。と、思ったら筆箱はあたしに体当たりしてきた! 痛あ!
「な、なにこの筆箱!」
『筆箱じゃない。ウチは筆子。ノブナガがつけてくれた名前だ』
ふ、フデコ……
ふでばこだから? そ、そのまま……
「で、そのフデコさん……ってさ、ふでばこ……じゃないよね? もしかして、自己紹介で言ってた……」
「……そうだよ。妖精さ」
こくりと頷く小田くんはどことなくかわいかった。
そしてあたしはガッツポーズを決める!
「いやったあ!!!」
「ちょっと! 声大きいって!」
シーっと人差し指を唇に当てて静かにするよう注意してくる小田くん。
「他の人に聞こえちゃうじゃないか……」
「なんで? 妖精探してるんでしょ? 別にいいじゃん。本物いるってわかったほうがみんなも信じてくれるし、協力してくれるかもよ?」
「僕は、妖精探しを手伝ってほしいからあんなこと言ったんじゃない」
あんなこととは……
自己紹介の時の?
――――――――――――――――――
『僕は妖精を探してる。知ってる人がいたら教えてほしい』
――――――――――――――――――
――って言ってたことだよね?
「僕みたいに、妖精と人知れず友達な子がいるかどうか、念のため聞いてみただけのことだよ」
「ふーん。でもあの様子だといなそうだよね」
「たぶんね。まあ僕を警戒してるかもだから、こちらに害はないと妖精に知らせる意味もあるし、僕は妖精を信じてる変なヤツってことでとおすよ」
が、がい……? 難しい言葉使うよね。なんとなくだけど、悪いヤツじゃないよ~って言いたいのかな? 妖精さんはそんなに人をうたがったりするのかな?
「よくわかんないけどさ! 妖精探してるんでしょ!」
「うん」
ふふふ~めっちゃ楽しそうじゃん! これはのらないわけにはいかないでしょ!
「ならあたしにも手伝わせ……」
「いや、お断りするよ」
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