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15話 ダイキチの様子は……
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物を大事にする。
まだ消しゴムも鉛筆も使えるから新しいのはいいって、パパに伝えた。
するとすごいほめられたよ。エライエライって。
当然の事なんじゃないか、って話だけどさ、ほめられるのはいい気分だよね。
なおさら物を大事にしようかなって気になるよ。
そうしたら、いつかあたしの物にも妖精が来る……なんて事もあるかもね!
ちなみに、ルリカの消しゴムは一応小田くんにチェックしてもらった。結果はやっぱり妖精はいなかったよ。
成績上がった気がするっていうのは気のせいか何かだったのかな?
♢
――放課後。
あたしと小田くんはダイキチの様子を見に、少年野球の練習を見に来た。
「おらああ!」
バッティング練習ってやつ?
ダイキチがチームメイトの投げた球に合わせるようにバットを振るけど……
さっきからかすりもしない。飛ばすどころか、当たりもしないよ。
「どうしたよダイキチ~昨日の活躍はまぐれか?」
「う、うるせー! 今日は調子悪いんだよ!」
うわ~相当機嫌が悪そうだよ。試合の時と違って全然打てないんだもんね。
この様子を見るに、やっぱりダゲキくんあっての力だったわけだ。
「もしかしたらプラシーボ効果的なもので少し打てたりするかもなんて思ったけど……やはりそううまくはいかないね」
ぷ、プラシーボ効果……?
小田くんって難しい言葉よく知ってるよね……
「小田くん、それってどういう意味?」
「まあ簡単に言うと、このバットだから打てるって思い込んでる事で、本当に結果出るかもみたいな……」
「ふ、ふーん?」
「本来は薬とかで使う言葉だけどね。薬が効くと思い込む事で、本当に病気がよくなったりするみたいな。さすがに野球じゃ無理だったかって」
まあ自信ないよりはあるほうが打てるかもだけど、ダイキチは元々力不足だしね。レギュラーの実力は元々なかったんだから、想いだけで打てるほど甘くはないよね。
「くっそ! 何で今日は打てねえんだよ! この役立たずのバットが!」
あ! ダイキチのヤツ、バットを投げ捨てた! なんて事するんだ!
今はダゲキくんがバットにいないからって、許されないよあんな事! 打てないからって物に当たってさ!
……あたしは恐る恐る一緒に見に来てたダゲキくんを見る。
ダイキチを冷たくにらんでる……
な、なんかまた黒いモヤみたいなのが見える……
あ、あれ? もしかしてダゲキくんが中にいるいない関係なく、呪いの物になる危険あったりする……?
それじゃあダゲキくんを引き離した意味ないんじゃ……?
あたしは小田くんの耳元に顔を寄せ、そっと話しかける。ダゲキくんに聞こえないように。
「ね、ねえ……これならダイキチの元にいさせたほうがよかったんじゃない? 気持ちよく打ててたら今みたいに八つ当たりしないだろうし……」
「妖精に無理に力を使わせるほうが危険だよ。どちらにせよ大事に扱いそうもないのは、家たずねた時からわかってることでしょ?」
確かに……
「引き離し、ダゲキくんとバットのつながりが切れたら何事も起こらない可能性もある」
「つながり?」
「うん。物についた妖精は、その物質をもう一つの体のように扱ったりするらしいんだ。だから雑に扱われると怒る」
なるほど……
「でもフデコみたく、渡り鳥みたいにいろんな物につく子もいる。他の物につけば、前の物とのつながりが切れ、雑に扱われても気づく事はなくなる」
「ということは、ダゲキくんが他の物につけば……」
「そうだね。つながりは消える」
ならダゲキくんの新しい住まいとも言える物を探せばいいってことかな?
小田くんがこうして連れ歩いてるのも、他に気に入る物が見つかるかもって思っての行動だったりするのかな?
「それにつながってる間はここに連れてこなくても、ダゲキくんは雑に扱われると気づく」
「なら確かに、バットから離れてれば今みたいに八つ当たりされてもダゲキくんが痛い目見ることはないもんね」
「そういうこと。少なくとも痛みからは解放させられる。それに力を使って彼を助けることもない」
「力は勝手に使っちゃうの?」
「……悪玉に近くなるとね。雑に使われ痛い思いしたくないから、力使って助けるとか、持ち主への怒りが力になったりとかで。……悪玉になるとそれが反転して、呪いとして持ち主を……」
そ、そんな……
なら早く新しいとりつける物探さないと……!
「くっそおおお!」
ダイキチはイライラしながら素振りしてる……
あいつ……そんな下らない事でイライラしてる状況じゃないんだよ!
まだ消しゴムも鉛筆も使えるから新しいのはいいって、パパに伝えた。
するとすごいほめられたよ。エライエライって。
当然の事なんじゃないか、って話だけどさ、ほめられるのはいい気分だよね。
なおさら物を大事にしようかなって気になるよ。
そうしたら、いつかあたしの物にも妖精が来る……なんて事もあるかもね!
ちなみに、ルリカの消しゴムは一応小田くんにチェックしてもらった。結果はやっぱり妖精はいなかったよ。
成績上がった気がするっていうのは気のせいか何かだったのかな?
♢
――放課後。
あたしと小田くんはダイキチの様子を見に、少年野球の練習を見に来た。
「おらああ!」
バッティング練習ってやつ?
ダイキチがチームメイトの投げた球に合わせるようにバットを振るけど……
さっきからかすりもしない。飛ばすどころか、当たりもしないよ。
「どうしたよダイキチ~昨日の活躍はまぐれか?」
「う、うるせー! 今日は調子悪いんだよ!」
うわ~相当機嫌が悪そうだよ。試合の時と違って全然打てないんだもんね。
この様子を見るに、やっぱりダゲキくんあっての力だったわけだ。
「もしかしたらプラシーボ効果的なもので少し打てたりするかもなんて思ったけど……やはりそううまくはいかないね」
ぷ、プラシーボ効果……?
小田くんって難しい言葉よく知ってるよね……
「小田くん、それってどういう意味?」
「まあ簡単に言うと、このバットだから打てるって思い込んでる事で、本当に結果出るかもみたいな……」
「ふ、ふーん?」
「本来は薬とかで使う言葉だけどね。薬が効くと思い込む事で、本当に病気がよくなったりするみたいな。さすがに野球じゃ無理だったかって」
まあ自信ないよりはあるほうが打てるかもだけど、ダイキチは元々力不足だしね。レギュラーの実力は元々なかったんだから、想いだけで打てるほど甘くはないよね。
「くっそ! 何で今日は打てねえんだよ! この役立たずのバットが!」
あ! ダイキチのヤツ、バットを投げ捨てた! なんて事するんだ!
今はダゲキくんがバットにいないからって、許されないよあんな事! 打てないからって物に当たってさ!
……あたしは恐る恐る一緒に見に来てたダゲキくんを見る。
ダイキチを冷たくにらんでる……
な、なんかまた黒いモヤみたいなのが見える……
あ、あれ? もしかしてダゲキくんが中にいるいない関係なく、呪いの物になる危険あったりする……?
それじゃあダゲキくんを引き離した意味ないんじゃ……?
あたしは小田くんの耳元に顔を寄せ、そっと話しかける。ダゲキくんに聞こえないように。
「ね、ねえ……これならダイキチの元にいさせたほうがよかったんじゃない? 気持ちよく打ててたら今みたいに八つ当たりしないだろうし……」
「妖精に無理に力を使わせるほうが危険だよ。どちらにせよ大事に扱いそうもないのは、家たずねた時からわかってることでしょ?」
確かに……
「引き離し、ダゲキくんとバットのつながりが切れたら何事も起こらない可能性もある」
「つながり?」
「うん。物についた妖精は、その物質をもう一つの体のように扱ったりするらしいんだ。だから雑に扱われると怒る」
なるほど……
「でもフデコみたく、渡り鳥みたいにいろんな物につく子もいる。他の物につけば、前の物とのつながりが切れ、雑に扱われても気づく事はなくなる」
「ということは、ダゲキくんが他の物につけば……」
「そうだね。つながりは消える」
ならダゲキくんの新しい住まいとも言える物を探せばいいってことかな?
小田くんがこうして連れ歩いてるのも、他に気に入る物が見つかるかもって思っての行動だったりするのかな?
「それにつながってる間はここに連れてこなくても、ダゲキくんは雑に扱われると気づく」
「なら確かに、バットから離れてれば今みたいに八つ当たりされてもダゲキくんが痛い目見ることはないもんね」
「そういうこと。少なくとも痛みからは解放させられる。それに力を使って彼を助けることもない」
「力は勝手に使っちゃうの?」
「……悪玉に近くなるとね。雑に使われ痛い思いしたくないから、力使って助けるとか、持ち主への怒りが力になったりとかで。……悪玉になるとそれが反転して、呪いとして持ち主を……」
そ、そんな……
なら早く新しいとりつける物探さないと……!
「くっそおおお!」
ダイキチはイライラしながら素振りしてる……
あいつ……そんな下らない事でイライラしてる状況じゃないんだよ!
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