モノツキフェアリー

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最終回  モノツキフェアリー!

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 ――一週間後。

 あたしはまた小田くんに呼ばれ、空き教室に。

「小田くんなあに?」
「なあに? じゃないよ忘れたの?」

 ?????

 なんか約束してたっけ?

「期限だよ約束の」
「期限?」
「一週間以内に妖精探したら仲間にするかってやつ」
「あーあー」

 思い出した思い出した!

 ……あれ?

 そういやダイキチの事に集中してなわとびとかに時間かけてて……

「縁起のよいもの探してない!?」

 しまったあ!
 何個探せばいいか聞いてなかったけど! 縁起のよいものをたくさん見つけきらないと仲間にしない、それも妖精の記憶も忘れさせられるって話だったけえ!?

『で、どうだと思う? 合格だと思う?』

 ひらひらとあたしの回りを飛び回るフデコ。

 えっと……何個見つけたっけ?

『ちなみに二十個は見つけてもらいたいものだったの。妖精あるなしに限らず』

 に、二十!? 
 そ、そんなに見つけてないよさすがに……

 え?
 じゃあ妖精探し失格?
 いや、それどころか忘れさせられる?

 それだけは嫌だ!

 妖精を探したこの数日間だけであたしは楽しかった。
 フツーな日常から非日常になれた。

 そして……大事な事を教えてもらった。

 フツーじゃなくなるためには努力が必要な事。そして物を大事にする事……

 あたしはそんな事を教えてくれた妖精、そして小田くんと妖精探しがしたい!

「小田くん! あ、あたしはあきらめたく……」
「大丈夫だよエミコさん」

 小田くんは微笑んだ。
 え? 大丈夫?

「二十個はダメだったかもだけど、エミコさんは妖精を見つけた。いや、それだけじゃない」
「え?」
「ダゲキくんの悪玉化を防いだのはまぎれもなく、エミコさんの手柄だよ」

 あ、あたしのおかげ?
 え、いやそんな……

「あ、あたしはただダイキチのやる気出させただけ……」
「それが何よりも大事な事だよ。僕だけじゃ無理だった。バットをへし折る予定だったし……だからさ」

 小田くんはあたしに手を差し出した。

「これからも君の力が必要な時が来ると思うんだ。だから……これからもよろしくお願いしたい」

 ……
 ……

 え? それはつまり……

「ご、合格ってこと?」
「うん」
「や、やったああああ!」

 これからも妖精探しができる!
 非日常があたしを待ってる!

 悪玉化阻止に動ける!
 また素敵な妖精に会える!

 小田くんと共に……!

『でも、ウチとノブナガの邪魔になるようなら、すぐさまコンビ解消だからね』

 ははは。フデコに釘刺されちゃったよ。

「ということで、よろしくエミコさん」

 小田くんは手を出してきた。握手しようってことだよね?
 あたしは素直に手を握り、握手した。

 な、なんか照れくさいな……

「正直、僕はエミコさんは面白半分なだけじゃないのかとうたがってた」
「そうなの?」
「でも、このダゲキくんとの出来事で、エミコさんのすごさを知った」
「いやいやそんな……」
「けしてフツーなんかじゃない。そんな相棒を僕は見つけた気分だよ」

 え、ええ……
 な、なんか……嬉しいのと同じく……
 お、小田くんに見つめられてえ……まともに見てられないよ。

 なんかドキドキするけど……

 て、照れてるだけだよね……?




 ♢




 それからというもの……

「ねえ妖精さん! あなたはどこを住みかにしてるの?」

 あたしと小田くんは偶然見かけた妖精を追いかけてる。
 前とは別パターン。
 妖精は見つけたけど、何に宿《やど》ってるのかわからない。いや、そもそもまだどの物にもついてない妖精さん?

「もし住みかがないなら一緒に探すよ? どうかな?」

 そう。あたしはただ妖精と友だちになりたいだけではない。
 ダゲキくんのように悪玉になりそうな妖精を助けたい。妖精が過ごしやすい物を探してあげたい。
 そして、たくさんの妖精と出会って小田くんと共に妖精図鑑を完成させるんだ!

『なになに!? 何なのこの人間共! あたいはあたいで勝手に探すから大きなお世話!』
「複数で探す方が早いよ! 何せあたし達、モノツキフェアリー救助隊だからね!」
『なんだそれ!?』
「僕も初めて聞いたけど……」

 うん。今決めたからね。
 
「妖精さん達の保護と協力、仲良くなるをモットーとした部隊、それがモノツキフェアリー救助隊だよ!!」
「……それ、いいかもね」

 さすが小田くん、わかってるぅ~!

「お、ナミコ! 今日野球の試合……」
「ダイキチ邪魔!」

 なんかダイキチが道の真ん中にいたけど無視無視。

「お、おいまてよ!」
「それどころじゃないの~」
『呼ばれてるんだから止まってやれよ人間!』
「じゃあ妖精さんも止まって~」
『やだ!』
「ならあたしもやだー」

 そんな様子を見て小田くんは笑ってる。

「なんか、僕も楽しくなってきたよ、エミコさんとの妖精探し」
「本当!?」
「うん。それにエミコさん、もう全く普通じゃないよ。妖精探しに欠かせない存在になってるからね」

 優しく笑う小田くん……素敵すぎる……うう……

「ナミコ~来いって~」

 ああ! ダイキチは黙ってろってば!

『こんなわけのわからんヤツらと関わってられるか! あばよ!』

 妖精さんが飛び去ろうとする。
 させるか!

「フデコ!」
「オッケー」

 フデコが妖精さんの前に立ち、行く手をふさぐ。
 足が止まった(浮いてるけど)妖精さんは振り返り、あたし達を見る。

 あたしは笑顔で話しかける。

「妖精さん、あなたとお友達になりたいの!」



 ――終わり。




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