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番外編:王子の気持ち3
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この灰色の世界で俺の無聊を慰めてくれるものは数少ない。
時折奏される楽曲はその中のひとつだったが、アークスを伴った舞踏会でハプニングが起きた。
俺の好んだ古い楽器が寿命を迎えたのだ。
奏者も仕方が無い事だと諦めていた。
メンテナンスを繰り返し、大切に扱っていたのだろうが、寿命なのだ。
誰にも手の施しようもない事なのだ。
人の寿命と同じく、楽器にも寿命がくる。
それ以上はもう、神の領域になる。
皆が諦めた。
だが。
だがしかし、アークス・フレッドベリーはやってのけた。
全く同じ音色にはならぬが、程ほどにこなれた音色だった。
それは俺が幼少の頃に慰められた音色だった。
奏者は歓喜し、若返った楽器と共に力が溢れるようだった。
このような奇蹟の音色を聴く日が来ようとは。
ただの小動物めいた魔法士だと思っていた。
魔力は多いようだが、毒にも薬にもならない男だと思っていた。
それが、この国の喪われて行く音色を守り、この俺の根幹にある音色を護ってくれた。
こんな灰色の人生なんてどうでも良いと思っていた。
積極的に壊そうとは思わぬが、この国も自分自身もどうなっても良いと思っていた。
けれど、今は。
俺はこの婚姻に感謝する。
素晴らしい伴侶に巡り合わせてくれた世界に感謝する。
国も、王位も、子孫も望まない。
俺が望むのはただひとつ。
アークス・フレッドベリー。
全身全霊掛けて、愛を誓う。
======
読んで下さったあなたに感謝します!
これにて終幕です!!
時折奏される楽曲はその中のひとつだったが、アークスを伴った舞踏会でハプニングが起きた。
俺の好んだ古い楽器が寿命を迎えたのだ。
奏者も仕方が無い事だと諦めていた。
メンテナンスを繰り返し、大切に扱っていたのだろうが、寿命なのだ。
誰にも手の施しようもない事なのだ。
人の寿命と同じく、楽器にも寿命がくる。
それ以上はもう、神の領域になる。
皆が諦めた。
だが。
だがしかし、アークス・フレッドベリーはやってのけた。
全く同じ音色にはならぬが、程ほどにこなれた音色だった。
それは俺が幼少の頃に慰められた音色だった。
奏者は歓喜し、若返った楽器と共に力が溢れるようだった。
このような奇蹟の音色を聴く日が来ようとは。
ただの小動物めいた魔法士だと思っていた。
魔力は多いようだが、毒にも薬にもならない男だと思っていた。
それが、この国の喪われて行く音色を守り、この俺の根幹にある音色を護ってくれた。
こんな灰色の人生なんてどうでも良いと思っていた。
積極的に壊そうとは思わぬが、この国も自分自身もどうなっても良いと思っていた。
けれど、今は。
俺はこの婚姻に感謝する。
素晴らしい伴侶に巡り合わせてくれた世界に感謝する。
国も、王位も、子孫も望まない。
俺が望むのはただひとつ。
アークス・フレッドベリー。
全身全霊掛けて、愛を誓う。
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読んで下さったあなたに感謝します!
これにて終幕です!!
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(2件)
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楽しみにしてます‼️
王子の視点からも書いて下さい
さあやさん、ありがとうございます。
番外編で王子視点入れたいな~と思ってたので、リクエスト嬉しいです。
少しお待ち下さい。