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チヒロ
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ヒロは起きる様子がなかったので、そのまま寝室に運び、客室にヒロの母親を泊める事にした。
『あら、ヒロちゃんのお母さんでしたか。
うちのマティアスのお嫁さんに貰っちゃって、ご免なさいね。
マティアスの事好いてくれるお嬢さんなんて、ヒロちゃんを逃したらもう、現れる見込みは無かったんですもの。
記憶も無いようでしたから、ご両親に連絡する事も出来なかったんですよね。』
『あの子がマティアス殿の事を心から信頼していると分かりましたから、私は何も言えませんわ。
大切に保護していただいて、感謝しております。』
『ヒロちゃんって、本当に良い子ですわよね。
私、女のコが欲しかったから、もう、嬉しくて、嬉しくて!
でも、どうして記憶がなくなったんでしょうね?
記憶喪失になる呪術だったんでしょうか?』
『そのような術は組み込まれていなかった筈ですが、着地点も変更されてましたし、何かしらの作用がはたらいた可能性が高いと思われます。』
『まあ、そのお陰でマティアスの所に来てくれた訳だし、そのハプニングに感謝ですわね。』
そんな事を語りながら、おふくろが客室へと案内していた。
、、、俺、ヒロと同じベッドで寝て良いのだろうか?
何とも言えない気まずさが漂った。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
深い深い眠りの中から、私は目覚めようとしていた。
愛しいあの人に逢いたい。
私のこの目で見つめ合い、抱き締め合い、唇を触れ合わせたい。
さあ、目覚めよう。
あの人に逢いにいこう。
いざ、目覚よ。
『ヒロ?
ヒロなのか?』
目を開くと、愛しいマティアスさんが私を見つめていた。
ああ、幸せ。
『マティアスさん、おはよう。』
『ああ。
やっと、君に出会えたね。』
『はい。
これからも、よろしくお願いします。』
明るい金髪が目に入る。
私はチヒロ、20歳。
ジーズー王国のチリカの娘のチヒロ。
でも、今はマティアスさんの嫁のヒロ。
それが私の幸せ。
ニッコリ笑って、マティアスさんに抱きついた。
私の幸せは、ここにある。
『あら、ヒロちゃんのお母さんでしたか。
うちのマティアスのお嫁さんに貰っちゃって、ご免なさいね。
マティアスの事好いてくれるお嬢さんなんて、ヒロちゃんを逃したらもう、現れる見込みは無かったんですもの。
記憶も無いようでしたから、ご両親に連絡する事も出来なかったんですよね。』
『あの子がマティアス殿の事を心から信頼していると分かりましたから、私は何も言えませんわ。
大切に保護していただいて、感謝しております。』
『ヒロちゃんって、本当に良い子ですわよね。
私、女のコが欲しかったから、もう、嬉しくて、嬉しくて!
でも、どうして記憶がなくなったんでしょうね?
記憶喪失になる呪術だったんでしょうか?』
『そのような術は組み込まれていなかった筈ですが、着地点も変更されてましたし、何かしらの作用がはたらいた可能性が高いと思われます。』
『まあ、そのお陰でマティアスの所に来てくれた訳だし、そのハプニングに感謝ですわね。』
そんな事を語りながら、おふくろが客室へと案内していた。
、、、俺、ヒロと同じベッドで寝て良いのだろうか?
何とも言えない気まずさが漂った。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
深い深い眠りの中から、私は目覚めようとしていた。
愛しいあの人に逢いたい。
私のこの目で見つめ合い、抱き締め合い、唇を触れ合わせたい。
さあ、目覚めよう。
あの人に逢いにいこう。
いざ、目覚よ。
『ヒロ?
ヒロなのか?』
目を開くと、愛しいマティアスさんが私を見つめていた。
ああ、幸せ。
『マティアスさん、おはよう。』
『ああ。
やっと、君に出会えたね。』
『はい。
これからも、よろしくお願いします。』
明るい金髪が目に入る。
私はチヒロ、20歳。
ジーズー王国のチリカの娘のチヒロ。
でも、今はマティアスさんの嫁のヒロ。
それが私の幸せ。
ニッコリ笑って、マティアスさんに抱きついた。
私の幸せは、ここにある。
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