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32話 探し物は何ですか
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「来るなシオン! ……ガフッ!」
ハンスの体にザビーネの黒い武器が突き刺さり、背中まで突き抜けています。
「ハ、ハンスー!」
私は口に手を当てて驚く事しか出来ませんでした。
しかしハンスの体から黒い武器が引き抜かれ、ゆっくりと背中から倒れるのを見て、慌てて駆け寄ります。
ハンスのガッチリとした体躯は力なくうな垂れ、口からは血が流れ出ている。
「くそっ! 間に合わなかったか! おのれザビーネ! 貴様は生かして帰さんぞ!」
衛兵達が4階に上がってきました。
隊長さんがザビーネに襲い掛かりますが、お腹に刺さっていたハンスの剣をずるりと抜き、隊長さんに投げつけました。
それを隊長さんが弾くと、ザビーネは衛兵の中に飛び込み、雄叫びを上げて黒い武器を振り回します。
「ぐわぁ!」
「よ、鎧が切り裂かれて……ギャ!」
「バカな! 剣が刺さっているのに倒せない!?」
複数の衛兵の中で暴れるザビーネ。
衛兵は奮闘しザビーネに攻撃をしているのですが、なんと剣で切り付けられてもものともせず暴れています。
「嬢ちゃん! ハンスを連れてこの場を離れろ!」
「は、はい! 隊長さんも無理はしないでください!」
「おうよ! 死なない程度に頑張るぜ!」
ハンスを背負おうとしますが、やはり重たくて動きません。
近くの衛兵さんが手伝ってくれて、2人で肩に担いで階段へ向かいます。
「シオン……ダメだ、いま、今離れたら……ぐっ!」
「ハンス! 喋らないで、傷口から血が!」
私は小さなハンカチを傷口に当てているけど、血が止まる様子がない。
「ザビー……ネの、傷口が……完全に、塞がる前に……倒さない、とっ、ゴホッゴホッ!」
「え? でも今は」
「隊長に……伝えてくれ……」
ハンスが私の耳にささやきます。
え? それが本当ならザビーネを倒せるかもしれない。
一緒に支えてくれている衛兵さんに言伝して、隊長さんに伝えてもらいましょう。
ハンスを連れて部屋を出ようとしますが、ザビーネに見つかってしまいました。
「ど~こに行こうというのかしら? アナタはこの手で惨たらしく殺すんだから!」
黒い武器を高く振り上げ、私の頭に振り下ろします。
あ……避けられない……!!
「どりゃああぁぁぁ! 嬢ちゃんに手出しはさせねぇ! 俺が相手をしてるんだからよそ見すんじゃねーよ!」
隊長さんが剣で受け止めてくれました。
他の衛兵さんもザビーネに群がり、私から引き離します。
「隊長さん!」
「怪我はねーな? よし待ってろ、さっさと終わらせてやるぜ!」
隊長さんが剣で応戦し、衛兵も連携を取って攻撃を開始します。
流石のザビーネも完全に包囲されての攻撃には手こずるようで、表情は厳しい物になりました。
隊長さんは言伝を聞いたかしら?
下手に動くとまたザビーネに狙われそうなので、私とハンスは部屋の入口付近で見守る事にしました。
扉の近くにハンスを寝かせ、私の膝に頭を乗せます。
「シオン……怪我はないかい?」
「私は大丈夫よハンス。ザビーネを倒したら、すぐに神官さんに治療してもらいましょう!」
「ああ、そう……だね」
そうは言いますがやはりザビーネは手ごわく、悪魔の魔法で衛兵さん達は次々に倒されていきます。
このままではハンスが……私はふと床が目に入りました。
血が……ハンスの血で一杯です。
私も、覚悟を決めた方が良いかもしれません。
「シオン……なにを、考えて……いるの?」
「ん? 結婚式をやり直すときは、もう少し派手なドレスを着ようかなって」
いけませんね、ハンスに私の考えてることがバレてしまいそうです。
ハンスの額の汗を手でぬぐいながら、私は部屋の中を探します。
ああ、あそこに落ちていたのですね。
後は隙を見て拾いに行かないといけませんが……
「ええい鬱陶しい! 雑魚がどれだけ集まっても私には勝てないのよ!」
ザビーネががむしゃらに黒い武器を振り回していますが、どうやら衛兵さん達は防御に徹しているようで、中々倒せないでいます。
衛兵さん達に集中してる……今だわ。
ハンスの額にキスをして、私は姿勢を低くして移動を開始します。
上手くいきます。上手くいかせて見せます。
今行かないと、ハンスが持たないのですから!
衛兵さん達の陰に隠れながら、私は静かに移動し、音をたてないように探し物を拾い上げます。
よし、このまま近づければ……え?
どこかからか歌声が聞こえてきました。
これは……聖歌?
聖歌隊は逃げたのではなかったのですか?
歌声に気が付いたのは私以外にも数名いますが、ザビーネは気が付いていないようです。
そしてザビーネですが、明らかに動きが鈍くなりました。
聖歌の効果でしょうか? そういえば最初の黒い人形も、真っ先に聖歌隊を狙っていたのは危険だと判断したからかもしれません。
「くっ! なんで、なんで悪魔の魔法の力が弱く!? あん? 聖歌? まだいたのか聖歌隊! おや? シ~オ~ン~? 何をやっているのかしらそんな所で」
ザビーネに見つかりました。
落ち着くのです私、今は焦ってはいけません、むしろザビーネを挑発しなくては。
「ふふふ。ザビーネ、私の作戦にはまったわね」
「作戦ですって? ふん! そんなもの今すぐにぶち壊してやるわ!」
ザビーネが私に向かって飛び掛かってきました。
こ、怖い! でも怖がっちゃダメ、今がチャンスなんだからこれを……あ、忘れていました、私は運動音痴なんでした。
拾った剣を構えようとしますが、剣はどうやって構えればいいんですか!?
あわわ、ど、どうしたら……
「きゃ!」
足がもつれて転んでしまいました!
し、しまった! ザビーネが……あれ?
「ぐあ……き、貴様……どうしてその場所を……指先程しかない私の弱点を貫けるの……よ」
転んだ拍子に剣を突き出した様で、ザビーネのお腹、ハンスが刺した少し上のあたりに突き刺さっていました。
ハンスの体にザビーネの黒い武器が突き刺さり、背中まで突き抜けています。
「ハ、ハンスー!」
私は口に手を当てて驚く事しか出来ませんでした。
しかしハンスの体から黒い武器が引き抜かれ、ゆっくりと背中から倒れるのを見て、慌てて駆け寄ります。
ハンスのガッチリとした体躯は力なくうな垂れ、口からは血が流れ出ている。
「くそっ! 間に合わなかったか! おのれザビーネ! 貴様は生かして帰さんぞ!」
衛兵達が4階に上がってきました。
隊長さんがザビーネに襲い掛かりますが、お腹に刺さっていたハンスの剣をずるりと抜き、隊長さんに投げつけました。
それを隊長さんが弾くと、ザビーネは衛兵の中に飛び込み、雄叫びを上げて黒い武器を振り回します。
「ぐわぁ!」
「よ、鎧が切り裂かれて……ギャ!」
「バカな! 剣が刺さっているのに倒せない!?」
複数の衛兵の中で暴れるザビーネ。
衛兵は奮闘しザビーネに攻撃をしているのですが、なんと剣で切り付けられてもものともせず暴れています。
「嬢ちゃん! ハンスを連れてこの場を離れろ!」
「は、はい! 隊長さんも無理はしないでください!」
「おうよ! 死なない程度に頑張るぜ!」
ハンスを背負おうとしますが、やはり重たくて動きません。
近くの衛兵さんが手伝ってくれて、2人で肩に担いで階段へ向かいます。
「シオン……ダメだ、いま、今離れたら……ぐっ!」
「ハンス! 喋らないで、傷口から血が!」
私は小さなハンカチを傷口に当てているけど、血が止まる様子がない。
「ザビー……ネの、傷口が……完全に、塞がる前に……倒さない、とっ、ゴホッゴホッ!」
「え? でも今は」
「隊長に……伝えてくれ……」
ハンスが私の耳にささやきます。
え? それが本当ならザビーネを倒せるかもしれない。
一緒に支えてくれている衛兵さんに言伝して、隊長さんに伝えてもらいましょう。
ハンスを連れて部屋を出ようとしますが、ザビーネに見つかってしまいました。
「ど~こに行こうというのかしら? アナタはこの手で惨たらしく殺すんだから!」
黒い武器を高く振り上げ、私の頭に振り下ろします。
あ……避けられない……!!
「どりゃああぁぁぁ! 嬢ちゃんに手出しはさせねぇ! 俺が相手をしてるんだからよそ見すんじゃねーよ!」
隊長さんが剣で受け止めてくれました。
他の衛兵さんもザビーネに群がり、私から引き離します。
「隊長さん!」
「怪我はねーな? よし待ってろ、さっさと終わらせてやるぜ!」
隊長さんが剣で応戦し、衛兵も連携を取って攻撃を開始します。
流石のザビーネも完全に包囲されての攻撃には手こずるようで、表情は厳しい物になりました。
隊長さんは言伝を聞いたかしら?
下手に動くとまたザビーネに狙われそうなので、私とハンスは部屋の入口付近で見守る事にしました。
扉の近くにハンスを寝かせ、私の膝に頭を乗せます。
「シオン……怪我はないかい?」
「私は大丈夫よハンス。ザビーネを倒したら、すぐに神官さんに治療してもらいましょう!」
「ああ、そう……だね」
そうは言いますがやはりザビーネは手ごわく、悪魔の魔法で衛兵さん達は次々に倒されていきます。
このままではハンスが……私はふと床が目に入りました。
血が……ハンスの血で一杯です。
私も、覚悟を決めた方が良いかもしれません。
「シオン……なにを、考えて……いるの?」
「ん? 結婚式をやり直すときは、もう少し派手なドレスを着ようかなって」
いけませんね、ハンスに私の考えてることがバレてしまいそうです。
ハンスの額の汗を手でぬぐいながら、私は部屋の中を探します。
ああ、あそこに落ちていたのですね。
後は隙を見て拾いに行かないといけませんが……
「ええい鬱陶しい! 雑魚がどれだけ集まっても私には勝てないのよ!」
ザビーネががむしゃらに黒い武器を振り回していますが、どうやら衛兵さん達は防御に徹しているようで、中々倒せないでいます。
衛兵さん達に集中してる……今だわ。
ハンスの額にキスをして、私は姿勢を低くして移動を開始します。
上手くいきます。上手くいかせて見せます。
今行かないと、ハンスが持たないのですから!
衛兵さん達の陰に隠れながら、私は静かに移動し、音をたてないように探し物を拾い上げます。
よし、このまま近づければ……え?
どこかからか歌声が聞こえてきました。
これは……聖歌?
聖歌隊は逃げたのではなかったのですか?
歌声に気が付いたのは私以外にも数名いますが、ザビーネは気が付いていないようです。
そしてザビーネですが、明らかに動きが鈍くなりました。
聖歌の効果でしょうか? そういえば最初の黒い人形も、真っ先に聖歌隊を狙っていたのは危険だと判断したからかもしれません。
「くっ! なんで、なんで悪魔の魔法の力が弱く!? あん? 聖歌? まだいたのか聖歌隊! おや? シ~オ~ン~? 何をやっているのかしらそんな所で」
ザビーネに見つかりました。
落ち着くのです私、今は焦ってはいけません、むしろザビーネを挑発しなくては。
「ふふふ。ザビーネ、私の作戦にはまったわね」
「作戦ですって? ふん! そんなもの今すぐにぶち壊してやるわ!」
ザビーネが私に向かって飛び掛かってきました。
こ、怖い! でも怖がっちゃダメ、今がチャンスなんだからこれを……あ、忘れていました、私は運動音痴なんでした。
拾った剣を構えようとしますが、剣はどうやって構えればいいんですか!?
あわわ、ど、どうしたら……
「きゃ!」
足がもつれて転んでしまいました!
し、しまった! ザビーネが……あれ?
「ぐあ……き、貴様……どうしてその場所を……指先程しかない私の弱点を貫けるの……よ」
転んだ拍子に剣を突き出した様で、ザビーネのお腹、ハンスが刺した少し上のあたりに突き刺さっていました。
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