【完結】男爵令嬢が気にくわないので追放したら、魔族に侵略されました

如月ぐるぐる

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14話

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 ◆王城・謁見の間 ジェニファー元男爵令嬢◆

 ローラ様がメイドさん達に連れていかれるさまを、私は無表情で見送った。
 ……悪魔……悪魔……ううっ、酷いよう、私にだって乙女心があるんだから!

「ジェニファー嬢、助けてもらった早々ですまないが、引き続き防衛の任についてもらえるか?」

「はい陛下。来る途中で魔族を倒してきたので、今日明日くらいは来ないと思います」

「お、おおそうか。それはご苦労だった。それでは部屋を用意させるから、今日はゆっくり休むといい」

「ありがとうございます!」

 案内された部屋はとっても広くて、お姫様が使ってそうな部屋だった。

「こ……こんな部屋があったんですね~スゴイナー。じゃあ私の部屋に案内をお願いしますぅ~」

 メイドさんに、部屋に入るよう手で促される。

 こ、ここ? ここなの? いやいや、一介の兵士モドキがこんな部屋を使っていいわけ無いじゃない!

 オロオロしていると大量のメイドさんが現れて、ワッショイワッショイと担ぎ上げられ、部屋の中で鎧を脱がされた。

「いーやーぁ~! こんな沢山の前で裸なんてヤダー!」

 と、水に放り込まれた……?

「あったかい。あ、お風呂?」

「ジェニファー様、陛下や王太子から『磨き上げてくれ』と言われましたので、ここはひとつ、お姫様になっていただきます」

「へ? どうして(武器や防具を)磨き上げると、お姫様になるんですか?」

「それは、ジェニファー様には素質がおありだからです」

「わ、私に(武器や防具になる)素質が!?」

 お父さまに聞いた事があるわ! 太古の昔、人の魂を武具に宿し、脅威的な能力を発揮した物が有るって!

「さあジェニファー様、お覚悟なさいませ」

 私……私は結婚もしないまま武器にされてしまうのね……先立つ不孝をお許しください。

 覚悟を決めた私は、メイドさん達にされるがままになった。




「さあジェニファー様、目を開けて、鏡をご覧くださいませ」

 言われて目を開けると、目の前にはお姫様がいた。

「あ、えっと、初めまして! 私はジェニファーと申します!」

 きっとどこかのお姫様だろう、失礼があったらいけない! 勢いよく頭を下げると、お姫様も頭を下げた。

「ん?」

 顔を上げて眉を寄せると、お姫様も寄せた。
 右手を上げるとお姫様は左手を、左手も上げてバンザイすると、お姫様もバンザイした。

ドッペルゲンガー自分そっくりの他人!?」

「鏡でございます」

 カガミ? そう言われて私はかがんだ。

「屈みなさいという意味ではございません。ミラーでございます」

「じゃあ、私なの? これ?」

「はい、ご自分では信じられないでしょうが、まごう事なくジェニファー様でございます」

 鏡に映った私は、白いレース地に上半身は赤いラメ入り、数か所にフリルが付いているけど、とても落ち着いたドレスを着ていた。

 髪も化粧も私とは思えない……は! いけないイケナイ、落ち着いて私、こんなキレイなドレスを着てお化粧して……口元が緩んだ。

「は、ハインツ様! ハインツ様にお見せしたい!」

「それではご案内いたします」

 


 どうしてこうなったのか分からないけど、私は今、陛下や王妃様、ハインツ様と一緒に食事をしている。

「はっはっは、どうしたんだジェニファー嬢。いつもと違って随分と大人しいじゃないか」

「あら陛下、ジェニファーはお年頃の女の子ですもの。ドレスを着てハインツと食事なんて、緊張しないはずがないわ」

 正面にはハインツ様が、その隣には陛下。そして私の隣では王妃様が食事をしている。
 ハインツ様の隣には、第二王子、第三王子もいる。ロイヤルファミリー勢揃いだ!!

 くぉ、くぉ、くぉれはどういう事!? 場違いにも程があり過ぎる!

 ま、マナー間違ってないよね? 一応元貴族として教育はされてるけど……不安。

「どうしたんだいジェニファー?」

「い、いえ!? ど、どうもしません事ですのございます!?」

 時々来た時に、陛下やハインツ様とお茶をする位はあったけど、食事、ディナーをご一緒するなんて、何がどうなっているのー!

「ジェニファー嬢、そう緊張しないでくれ。王族とのディナーと言っても、こちらが招待させてもらった側だ」

「で、でも……しかし陛下、王族とのディナーは公式な行事に当たると……」

「そうだな、ある意味公式だ。公式に、街を守ってくれたことの礼と、公爵が失礼を働いた事の詫びをしたいのだ」

 街を守った? みんな魔族なんて五月蠅いだけだから放置してたんじゃないの?
 それに公爵が失礼を? 単に勘違いしてただけじゃなかったの?

「ジェニファー、今は気にしなくてもいいよ。今日は単純にお父様もお母様も、ジェニファーと食事をしたかっただけなんだ。もちろん私もだ。だからいつもと同じように、雑談をしよう」

「そ、そうですか? いつも通りでいいのなら、少し気が楽です」

 いつもみたいな感じでいいなら、緊張しなくていいよね?

 ◆ハインツ王太子視点◆

 ジェニファー……キレイだな。今は魔族騒動や貴族たちが騒いているけど、落ち着いたらまたお茶をしたい。

 くそ、どうして私が第一王子なんだ。ジェニファーが他の誰かと結婚なんてしたら、嫉妬で狂ってしまいそうだ。
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