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第百三十二話
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クラウン帝国を仲間に引き入れ、次はクラウン帝国をずっと支援してきたアルピーヌ共和国へと向かいます。
地理的には隣なのでさほど時間もかからず到着しましたが、山が多いので苦労しました。
「ここがアルピーヌ共和国の首都ですか。山を三つ超えただけあってクラウン帝国とは全然雰囲気が違いますね」
アルピーヌ共和国の主都はとても清潔で活気があり明るい。
建物も木造や石造り、土壁のような建物が沢山あります。
つまり古くからの建物と新しい建物が混在しているのです。
「アルピーヌ共和国はずっと戦争がありましぇん。文化や伝統なども昔から続くものが沢山あるのでしゅ」
馬車から見ているだけでもそれを理解出来ます。
迎賓館へ向かい一泊し、翌日には首相との会談です。
「ええもちろんですとも。喜んで参加させていただきます」
アルピーヌ共和国のカジャー首相はあっさりと承諾しました。
もっと駆け引きがあると思いましたが、こんなにあっさりと承諾したのには理由があるのでしょうか。
しかしその後も色々と話をしましたが、これといって何かを企んでいる様子もなく、とんとん拍子に進みます。
「なんだか……拍子抜け……だね」
「本当でしゅ。クラウン帝国を支援していた事を、予想以上に引け目に感じているのでしゅかね」
「それにしても多少の譲歩は引き出すと思います。なのにこちらの提示した条件を丸々飲むなんて」
迎賓館に戻り三人で話し合っていますが、違和感だらけでどこがおかしいとのかわからない状態です。
夜は歓迎会もしてくれましたし、しっかりと書類も交わしました。
こちらに不手際は……ありませんよね?
書類を再確認してもおかしな文章は無く、こちらが提示した条件のままが書かれています。
三人で確認してもおかしな点はありません。
気のせい……でしょうか。
お二人がお休みになり、私もベッドに入ったのですが……
「落ち着きません。何かを見落としている気がします」
今回は簡易的な条約とはいえ、すでに署名をいただいています。
これをエルグランド王国に持ち帰り裁決されれば後戻りはできません。
もう一度関係書類を見なおしましょう。
机に置かれたランタンを点けてカーディガンを羽織り、書類を見なおします。
「……やっぱりこれといっておかしな点はありません。ですが違和感がずっと続いています。どこか……当たり前すぎて見逃している所はないでしょうか」
それからしばらくして、ふとある一文に目が止まりました。
「『小麦及びトウモロコシの価格は四か国の緊張が高まる前を基準とする』はい、統括的軍事同盟に参加したいと二国が表明する前を基準とするわけです。……ん? そういえば価格が上がり始めたのはいつでしたか……そう! 反対する二国が統括的軍事同盟に圧力をかける前です!」
二国が参加を打診した数日後に小麦の価格があがり、さらに数日後に反対する二国が圧力をかけたはず。
つまりその期間のどこの価格かが明記されていません!
もしも圧力をかけた時を緊張が高まった時と判断するならば、小麦の価格は少し値上がりした状態での取引となります。
つまり反対する二国が戦争を諦め価格を戻したとしても、アルピーヌ共和国経由で買う場合は値上げした価格になってしまいます。
エルグランド王国は大丈夫ですが、クラウン帝国や弱小国家などは高いままの価格になります。
「なるほど、直接輸入している私達には影響がないから見逃していましたが、このまま締結してしまうとエルグランド王国の信頼にもかかわりますね」
なんにせよ気が付いてよかったです。
明日報告しましょう。
「これは……確かにその通りでしゅね。ハッキリとした日にちを明記してありましぇんが、かなりの幅がありましゅ」
「気が付かなかったら……危なかった……って事?」
「はいリック様。エルグランド王国の信用にかかわる所でした」
朝食前にお伝えしたので、食後の仕事開始と同時にカジャー首相に面会できるように連絡しましょう。
そして朝食後。
「おや? 言われてみればその通りですね。では緊張前をどこに設定しましょうか」
意外とあっさりしていました。
本当に気が付いていなかったのか、それとも気付いていて署名したのか……後者でしょうね。
「ですので新しい物を作成してまいりました。こちらで問題が無ければこちらに署名をお願いします」
「ふむふむ、どれどれ……なるほど、統括的軍事同盟に参加を表明した時点に設定されたのですね。わかりました、こちらで問題ありませんとも」
以前の書面は破棄され、新しい物に署名がされました。
これで少なくともエルグランド王国に影響が出る事はないでしょう。
……ナイショですが、本当は微妙に文章を変えてエルグランド王国に有利になるように書き換えようかと思いました。
ですが後からクレームが入った場合、こちらが不誠実だと思われても困るので止めました。
これにて私達三人の任務は終了です、エルグランド王国に戻りましょう。
数日かけて国に戻ると、今回の七か国連合の正式名称が決定していました。
その名も『コムモロコシ連合』だそうです。
小麦とトウモロコシの名前から取ったのだとか……ネーミングセンスが!
「却下です!」
地理的には隣なのでさほど時間もかからず到着しましたが、山が多いので苦労しました。
「ここがアルピーヌ共和国の首都ですか。山を三つ超えただけあってクラウン帝国とは全然雰囲気が違いますね」
アルピーヌ共和国の主都はとても清潔で活気があり明るい。
建物も木造や石造り、土壁のような建物が沢山あります。
つまり古くからの建物と新しい建物が混在しているのです。
「アルピーヌ共和国はずっと戦争がありましぇん。文化や伝統なども昔から続くものが沢山あるのでしゅ」
馬車から見ているだけでもそれを理解出来ます。
迎賓館へ向かい一泊し、翌日には首相との会談です。
「ええもちろんですとも。喜んで参加させていただきます」
アルピーヌ共和国のカジャー首相はあっさりと承諾しました。
もっと駆け引きがあると思いましたが、こんなにあっさりと承諾したのには理由があるのでしょうか。
しかしその後も色々と話をしましたが、これといって何かを企んでいる様子もなく、とんとん拍子に進みます。
「なんだか……拍子抜け……だね」
「本当でしゅ。クラウン帝国を支援していた事を、予想以上に引け目に感じているのでしゅかね」
「それにしても多少の譲歩は引き出すと思います。なのにこちらの提示した条件を丸々飲むなんて」
迎賓館に戻り三人で話し合っていますが、違和感だらけでどこがおかしいとのかわからない状態です。
夜は歓迎会もしてくれましたし、しっかりと書類も交わしました。
こちらに不手際は……ありませんよね?
書類を再確認してもおかしな文章は無く、こちらが提示した条件のままが書かれています。
三人で確認してもおかしな点はありません。
気のせい……でしょうか。
お二人がお休みになり、私もベッドに入ったのですが……
「落ち着きません。何かを見落としている気がします」
今回は簡易的な条約とはいえ、すでに署名をいただいています。
これをエルグランド王国に持ち帰り裁決されれば後戻りはできません。
もう一度関係書類を見なおしましょう。
机に置かれたランタンを点けてカーディガンを羽織り、書類を見なおします。
「……やっぱりこれといっておかしな点はありません。ですが違和感がずっと続いています。どこか……当たり前すぎて見逃している所はないでしょうか」
それからしばらくして、ふとある一文に目が止まりました。
「『小麦及びトウモロコシの価格は四か国の緊張が高まる前を基準とする』はい、統括的軍事同盟に参加したいと二国が表明する前を基準とするわけです。……ん? そういえば価格が上がり始めたのはいつでしたか……そう! 反対する二国が統括的軍事同盟に圧力をかける前です!」
二国が参加を打診した数日後に小麦の価格があがり、さらに数日後に反対する二国が圧力をかけたはず。
つまりその期間のどこの価格かが明記されていません!
もしも圧力をかけた時を緊張が高まった時と判断するならば、小麦の価格は少し値上がりした状態での取引となります。
つまり反対する二国が戦争を諦め価格を戻したとしても、アルピーヌ共和国経由で買う場合は値上げした価格になってしまいます。
エルグランド王国は大丈夫ですが、クラウン帝国や弱小国家などは高いままの価格になります。
「なるほど、直接輸入している私達には影響がないから見逃していましたが、このまま締結してしまうとエルグランド王国の信頼にもかかわりますね」
なんにせよ気が付いてよかったです。
明日報告しましょう。
「これは……確かにその通りでしゅね。ハッキリとした日にちを明記してありましぇんが、かなりの幅がありましゅ」
「気が付かなかったら……危なかった……って事?」
「はいリック様。エルグランド王国の信用にかかわる所でした」
朝食前にお伝えしたので、食後の仕事開始と同時にカジャー首相に面会できるように連絡しましょう。
そして朝食後。
「おや? 言われてみればその通りですね。では緊張前をどこに設定しましょうか」
意外とあっさりしていました。
本当に気が付いていなかったのか、それとも気付いていて署名したのか……後者でしょうね。
「ですので新しい物を作成してまいりました。こちらで問題が無ければこちらに署名をお願いします」
「ふむふむ、どれどれ……なるほど、統括的軍事同盟に参加を表明した時点に設定されたのですね。わかりました、こちらで問題ありませんとも」
以前の書面は破棄され、新しい物に署名がされました。
これで少なくともエルグランド王国に影響が出る事はないでしょう。
……ナイショですが、本当は微妙に文章を変えてエルグランド王国に有利になるように書き換えようかと思いました。
ですが後からクレームが入った場合、こちらが不誠実だと思われても困るので止めました。
これにて私達三人の任務は終了です、エルグランド王国に戻りましょう。
数日かけて国に戻ると、今回の七か国連合の正式名称が決定していました。
その名も『コムモロコシ連合』だそうです。
小麦とトウモロコシの名前から取ったのだとか……ネーミングセンスが!
「却下です!」
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