【完結】小国の王太子に捨てられたけど、大国の王太子に溺愛されています。え?私って聖女なの?

如月ぐるぐる

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22話

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 全員が発言を求めたけど、流石に数が多いから数名を指定して発言を始める。

「ヴァルプールは我が国と対等の友人として関係を持ちたいそうだが、それには対価が必要だ。我が国はヴァルプールに対して国を護るという最大の功績を残した。貴国は何を差し出すのか」

 偉い大臣さんだ。
 ちょっと小太りだけど、普段は気の優しいおじさんなのに、今のおじさんは怒っている。
 それに対してハロルド王太子の弁はこうだ。

「我が国はメジェンヌに聖女様を譲ったではありませんか。それ以上の国益がありましょうか!」

 譲った……? 捨てたの間違いでしょ?
 もちろんそんな事は全員承知しているし、この発言は火に油を注ぐことになった。

「ふざけるな! 貴様らはアトリアを捨てたのだ! しかも婚姻関係にあったにもかかわらず、後から現れた女に腑抜けにされ、良いように操られていただけではないか! そんな事は諸外国全てが知っている事だぞ!」

 セルジュが言った事は本当に諸外国全てが知っている事。
 もちろん私が追い出された時点で話は近隣諸国に伝わり、ハロルド王太子と新しい女性の関係が取りただされた。
 その時はウワサ話程度だったけど、私が結婚式に呼ばれ暴露したことで、ウワサは真実へと変わり、ヴァルプールは沢山の国から見捨てられた。

 その事を理解できないほど愚かな人じゃ無かったはずだけど……。
 またマーテリー王太子妃が何か吹き込んだのかな?

「その様なウワサ話に惑わされてはいけません! 私達はアトリアが聖女だと知っていたのです。その上で追放し、メジェンヌ国へと渡るように仕向けたのです!」

 おかしい。ここまで支離滅裂な理論を振りかざす人じゃなかったはず。
 誰かに変な入れ知恵をされたんじゃないかしら。

「次は私の番だな」

 その後もひたすらハロルド王太子が責められたけど、返ってくる言葉は全部いっしょ。
 聖女が聖女が。

 どこまで私をバカにしたら気が済むんだろう。
 他の人達もこれ以上の問答は意味が無いと感じ、早々にヴァルプール国に対する対応が決められた。

「我がメジェンヌ国はヴァルプール国に対し、すべての権限をはく奪、我が王家の支配下に置き、属国とする事を決定する」

 正直な感想をいって良い? ざまーみろ。
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