46 / 60
46話
しおりを挟む
ヴァリビネ国王は洗脳と言っても、ウソをつけない状態なだけで、自分の意思や意見は言える。
だから色々な事を聞き放題だったけど……みんなで色々な事を聞いた結果、この国はもうダメだという結論が出てしまった。
ヴァリビネが小さいのは過去に侵略されたからだ、とか、元の領土を奪い返し更なる拡大は当然の権利、とか、どうせ大国は悪い事をしている、とか、最も歴史あるヴァリビネの待遇が気に入らない、とか。
ただのグチだったり、国の古さだったらヴァルプールとかメジェンヌの方が古いはずだし。
今のヴァリビネ国の状態なら、無欠占領も可能だけど、筋は通しておかないといけない。
でもそれはとてつもなく……簡単だった。
「どうせ近くの国々ではツバルアンナの薬の被害が出ているのだ、それを前面に押し出し、ツバルアンナの薬で洗脳された者をアトリアが治療し、ヴァリビネ国王の陰謀を説明したらそれで終わりだ」
事実、それを各国に伝えると、お礼を言われるほどだ。
もうね、ため息しか出ないよ。
メジェンヌ国王陛下にもお伺いを立ててあるけど、好き勝手やったら後が大変になっちゃう。
それどころかヴァリビネ国は私達4人で始末をつけろ、と言われてしまった。
そんなぁ……。
四苦八苦しながらも、本国から応援を呼んで何とかヴァリビネ国は安定した。
ただ地理的に本国とは国を2つ、属国であるヴァルプールを考えなくても1国が間にあるため、扱いが難しいみたいだった。
ただ、間の1国も小国で、メジェンヌと友好関係を築けないかと模索していたら、相手国から本国に使いが行ったらしく、平等に近い条件で友好を結べたとか。
これで国を挟んだヴァリビネ国……ヴァリビネ州との往来は簡単になった。
さて……私的にはここからが本題で、マーテリーとその侯爵の処分だ。
3人はそろって『処刑』と言ったけど、確かにヴァルプール国を売った売国奴だし王家を洗脳してるし実害も出てるし……擁護できる要素が無い。
本来ならば私を追放したヴァルプール国に委ねたいけど、今はメジェンヌの属国であり、ほとんどの権限はこちらにある。
だから……一度ヴァルプールへ行き、マーテリーの一家とまとめて処分をくだす事にした。
セルジュがヴェリビネ州の知事を任命し、兵力を置いたらすぐにヴァルプールへと向かう。
そうそう、ツバルアンナの薬の解毒剤、あまり数は無いけど入手できたから、コレはレオン化学技術庁長官へのお土産にする事にした。
ヴァルプールへ入り、まずやった事はヴァルプール国の王族の洗脳を解く事だった。
「ちっ、薬の効果が弱ってる時は大人しいから、俺のやりたい放題だったのに」
と第6王子。
そんな事を言っているけど、しっかりとやる事はやってくれていたみたい。
王族がこんな状態なのに国内は安定しているから、第6王子は能力は高いんだろうけど……性格が……。
まずはマーテリーとその家族を牢屋に入れて、王族の洗脳を解いた。
「まだ信じられない……アトリア、本当に済まなかった」
ハロルド王太子が深々と頭を下げている。
続いてヴァルプール国王や王妃様も、他の王子も謝罪を始めた。
この人達は被害者だ……分かっているけど、まだ心が追いつかない。
だから色々な事を聞き放題だったけど……みんなで色々な事を聞いた結果、この国はもうダメだという結論が出てしまった。
ヴァリビネが小さいのは過去に侵略されたからだ、とか、元の領土を奪い返し更なる拡大は当然の権利、とか、どうせ大国は悪い事をしている、とか、最も歴史あるヴァリビネの待遇が気に入らない、とか。
ただのグチだったり、国の古さだったらヴァルプールとかメジェンヌの方が古いはずだし。
今のヴァリビネ国の状態なら、無欠占領も可能だけど、筋は通しておかないといけない。
でもそれはとてつもなく……簡単だった。
「どうせ近くの国々ではツバルアンナの薬の被害が出ているのだ、それを前面に押し出し、ツバルアンナの薬で洗脳された者をアトリアが治療し、ヴァリビネ国王の陰謀を説明したらそれで終わりだ」
事実、それを各国に伝えると、お礼を言われるほどだ。
もうね、ため息しか出ないよ。
メジェンヌ国王陛下にもお伺いを立ててあるけど、好き勝手やったら後が大変になっちゃう。
それどころかヴァリビネ国は私達4人で始末をつけろ、と言われてしまった。
そんなぁ……。
四苦八苦しながらも、本国から応援を呼んで何とかヴァリビネ国は安定した。
ただ地理的に本国とは国を2つ、属国であるヴァルプールを考えなくても1国が間にあるため、扱いが難しいみたいだった。
ただ、間の1国も小国で、メジェンヌと友好関係を築けないかと模索していたら、相手国から本国に使いが行ったらしく、平等に近い条件で友好を結べたとか。
これで国を挟んだヴァリビネ国……ヴァリビネ州との往来は簡単になった。
さて……私的にはここからが本題で、マーテリーとその侯爵の処分だ。
3人はそろって『処刑』と言ったけど、確かにヴァルプール国を売った売国奴だし王家を洗脳してるし実害も出てるし……擁護できる要素が無い。
本来ならば私を追放したヴァルプール国に委ねたいけど、今はメジェンヌの属国であり、ほとんどの権限はこちらにある。
だから……一度ヴァルプールへ行き、マーテリーの一家とまとめて処分をくだす事にした。
セルジュがヴェリビネ州の知事を任命し、兵力を置いたらすぐにヴァルプールへと向かう。
そうそう、ツバルアンナの薬の解毒剤、あまり数は無いけど入手できたから、コレはレオン化学技術庁長官へのお土産にする事にした。
ヴァルプールへ入り、まずやった事はヴァルプール国の王族の洗脳を解く事だった。
「ちっ、薬の効果が弱ってる時は大人しいから、俺のやりたい放題だったのに」
と第6王子。
そんな事を言っているけど、しっかりとやる事はやってくれていたみたい。
王族がこんな状態なのに国内は安定しているから、第6王子は能力は高いんだろうけど……性格が……。
まずはマーテリーとその家族を牢屋に入れて、王族の洗脳を解いた。
「まだ信じられない……アトリア、本当に済まなかった」
ハロルド王太子が深々と頭を下げている。
続いてヴァルプール国王や王妃様も、他の王子も謝罪を始めた。
この人達は被害者だ……分かっているけど、まだ心が追いつかない。
8
あなたにおすすめの小説
【完結】追放された大聖女は黒狼王子の『運命の番』だったようです
星名柚花
恋愛
聖女アンジェリカは平民ながら聖王国の王妃候補に選ばれた。
しかし他の王妃候補の妨害工作に遭い、冤罪で国外追放されてしまう。
契約精霊と共に向かった亜人の国で、過去に自分を助けてくれたシャノンと再会を果たすアンジェリカ。
亜人は人間に迫害されているためアンジェリカを快く思わない者もいたが、アンジェリカは少しずつ彼らの心を開いていく。
たとえ問題が起きても解決します!
だって私、四大精霊を従える大聖女なので!
気づけばアンジェリカは亜人たちに愛され始める。
そしてアンジェリカはシャノンの『運命の番』であることが発覚し――?
婚約破棄されましたが、おかげで聖女になりました
瀬崎由美
恋愛
「アイラ・ロックウェル、君との婚約は無かったことにしよう」そう婚約者のセドリックから言い放たれたのは、通っていた学園の卒業パーティー。婚約破棄の理由には身に覚えはなかったけれど、世間体を気にした両親からはほとぼりが冷めるまでの聖地巡礼——世界樹の参拝を言い渡され……。仕方なく朝夕の参拝を真面目に行っていたら、落ちてきた世界樹の実に頭を直撃。気を失って目が覚めた時、私は神官達に囲まれ、横たえていた胸の上には実から生まれたという聖獣が乗っかっていた。どうやら私は聖獣に見初められた聖女らしい。
そして、その場に偶然居合わせていた第三王子から求婚される。問題児だという噂の第三王子、パトリック。聖女と婚約すれば神殿からの後ろ盾が得られると明け透けに語る王子に、私は逆に清々しさを覚えた。
『龍の生け贄婚』令嬢、夫に溺愛されながら、自分を捨てた家族にざまぁします
卯月八花
恋愛
公爵令嬢ルディーナは、親戚に家を乗っ取られ虐げられていた。
ある日、妹に魔物を統べる龍の皇帝グラルシオから結婚が申し込まれる。
泣いて嫌がる妹の身代わりとして、ルディーナはグラルシオに嫁ぐことになるが――。
「だからお前なのだ、ルディーナ。俺はお前が欲しかった」
グラルシオは実はルディーナの曾祖父が書いたミステリー小説の熱狂的なファンであり、直系の子孫でありながら虐げられる彼女を救い出すために、結婚という名目で呼び寄せたのだ。
敬愛する作家のひ孫に眼を輝かせるグラルシオ。
二人は、強欲な親戚に奪われたフォーコン公爵家を取り戻すため、奇妙な共犯関係を結んで反撃を開始する。
これは不遇な令嬢が最強の龍皇帝に溺愛され、捨てた家族に復讐を果たす大逆転サクセスストーリーです。
(ハッピーエンド確約/ざまぁ要素あり/他サイト様にも掲載中)
もし面白いと思っていただけましたら、お気に入り登録・いいねなどしていただけましたら、作者の大変なモチベーション向上になりますので、ぜひお願いします!
虐げられた聖女は精霊王国で溺愛される~追放されたら、剣聖と大魔導師がついてきた~
星名柚花
恋愛
聖女となって三年、リーリエは人々のために必死で頑張ってきた。
しかし、力の使い過ぎで《聖紋》を失うなり、用済みとばかりに婚約破棄され、国外追放を言い渡されてしまう。
これで私の人生も終わり…かと思いきや。
「ちょっと待った!!」
剣聖(剣の達人)と大魔導師(魔法の達人)が声を上げた。
え、二人とも国を捨ててついてきてくれるんですか?
国防の要である二人がいなくなったら大変だろうけれど、まあそんなこと追放される身としては知ったことではないわけで。
虐げられた日々はもう終わり!
私は二人と精霊たちとハッピーライフを目指します!
婚約破棄された氷の令嬢 ~偽りの聖女を暴き、炎の公爵エクウスに溺愛される~
ふわふわ
恋愛
侯爵令嬢アイシス・ヴァレンティンは、王太子レグナムの婚約者として厳しい妃教育に耐えてきた。しかし、王宮パーティーで突然婚約破棄を宣告される。理由は、レグナムの幼馴染で「聖女」と称されるエマが「アイシスにいじめられた」という濡れ衣。実際はすべてエマの策略だった。
絶望の底で、アイシスは前世の記憶を思い出す――この世界は乙女ゲームで、自分は「悪役令嬢」として破滅する運命だった。覚醒した氷魔法の力と前世知識を武器に、辺境のフロスト領へ追放されたアイシスは、自立の道を選ぶ。そこで出会ったのは、冷徹で「炎の公爵」と恐れられるエクウス・ドラゴン。彼はアイシスの魔法に興味を持ち、政略結婚を提案するが、実は一目惚れで彼女を溺愛し始める。
アイシスは氷魔法で領地を繁栄させ、騎士ルークスと魔導師セナの忠誠を得ながら、逆ハーレム的な甘い日常を過ごす。一方、王都ではエマの偽聖女の力が暴かれ、レグナムは後悔の涙を流す。最終決戦で、アイシスとエクウスの「氷炎魔法」が王国軍を撃破。偽りの聖女は転落し、王国は変わる。
**氷の令嬢は、炎の公爵に溺愛され、運命を逆転させる**。
婚約破棄の屈辱から始まる、爽快ザマアと胸キュン溺愛の物語。
捨てられた元聖女ですが、なぜか蘇生聖術【リザレクション】が使えます ~婚約破棄のち追放のち力を奪われ『愚醜王』に嫁がされましたが幸せです~
鏑木カヅキ
恋愛
十年ものあいだ人々を癒し続けていた聖女シリカは、ある日、婚約者のユリアン第一王子から婚約破棄を告げられる。さらには信頼していた枢機卿バルトルトに裏切られ、伯爵令嬢ドーリスに聖女の力と王子との婚約さえ奪われてしまう。
元聖女となったシリカは、バルトルトたちの謀略により、貧困国ロンダリアの『愚醜王ヴィルヘルム』のもとへと強制的に嫁ぐことになってしまう。無知蒙昧で不遜、それだけでなく容姿も醜いと噂の王である。
そんな不幸な境遇でありながらも彼女は前向きだった。
「陛下と国家に尽くします!」
シリカの行動により国民も国も、そして王ヴィルヘルムでさえも変わっていく。
そしてある事件を機に、シリカは奪われたはずの聖女の力に再び目覚める。失われたはずの蘇生聖術『リザレクション』を使ったことで、国情は一変。ロンダリアでは新たな聖女体制が敷かれ、国家再興の兆しを見せていた。
一方、聖女ドーリスの力がシリカに遠く及ばないことが判明する中、シリカの噂を聞きつけた枢機卿バルトルトは、シリカに帰還を要請してくる。しかし、すでに何もかもが手遅れだった。
聖女だけど婚約破棄されたので、「ざまぁリスト」片手に隣国へ行きます
もちもちのごはん
恋愛
セレフィア王国の伯爵令嬢クラリスは、王太子との婚約を突然破棄され、社交界の嘲笑の的に。だが彼女は静かに微笑む――「ざまぁリスト、更新完了」。実は聖女の血を引くクラリスは、隣国の第二王子ユリウスに見出され、溺愛と共に新たな人生を歩み始める。
偽聖女の汚名を着せられ婚約破棄された元聖女ですが、『結界魔法』がことのほか便利なので魔獣の森でもふもふスローライフ始めます!
南田 此仁
恋愛
「システィーナ、今この場をもっておまえとの婚約を破棄する!」
パーティー会場で高らかに上がった声は、数瞬前まで婚約者だった王太子のもの。
王太子は続けて言う。
システィーナの妹こそが本物の聖女であり、システィーナは聖女を騙った罪人であると。
突然婚約者と聖女の肩書きを失ったシスティーナは、国外追放を言い渡されて故郷をも失うこととなった。
馬車も従者もなく、ただ一人自分を信じてついてきてくれた護衛騎士のダーナンとともに馬に乗って城を出る。
目指すは西の隣国。
八日間の旅を経て、国境の門を出た。しかし国外に出てもなお、見届け人たちは後をついてくる。
魔獣の森を迂回しようと進路を変えた瞬間。ついに彼らは剣を手に、こちらへと向かってきた。
「まずいな、このままじゃ追いつかれる……!」
多勢に無勢。
窮地のシスティーナは叫ぶ。
「魔獣の森に入って! 私の考えが正しければ、たぶん大丈夫だから!」
■この三連休で完結します。14000文字程度の短編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる