大好物の桃を育てていたら最強で最凶の人外達に求愛された

第一章 日常から非日常への一歩

10話 一緒に暮らそう

　聞き間違いじゃないと喜びに浸ってしまう。料理かぁ、この子の料理はすごく美味しそうや


「桃、好きやったりするぅ？俺は大好きや、、、だからな、自分で桃を育ててんねん。めっちゃ美味しいで？精霊さんもおるくらいやから」


　桃を育てているという可憐な姿を思い浮かべながら、精霊がいるという新情報に驚いてしまう


「あ、精霊がおること驚いた？ふふふ、やから俺が育てる桃は美味しくなるんよ、、、自分では精霊見たことないし、リシェじいとか、強姦魔は話せたり見えたりできるんやけど」


　精霊がいるのはこの子が桃の木をそれほど大切に育てているからだと励ましたい。精霊が見えないことを悲しいと話すこの子に可愛いと思ってしまう。さっきも名前が出たリシェじいとやらが精霊たちの声をこの子に伝えてくれるのだと笑顔で話してくれる。可愛い、、、ん？待て強姦魔、、、？


「あいつが見えたり聞こえたりするんやったら、俺かてできたらええのに、、、数々の悪行をばらすことが出来たら優しい精霊たちだって桃をあげたりせえへんのに、、、ひぇ？」


　そんな危ない奴が近くにおることに驚き、細く柔らかい肩を思わず強く掴んでしまう。慌てて手を離すと驚きで見開かれていた目が細められてびっくりしたわぁと柔らかく微笑む。こ、こんな可愛い子の傍に強姦魔がいるのか？！そりゃ可愛いから仕方がない、、、いやそんなことあらへんっ


「心配してくれたん？ありがとうなぁ、俺は大丈夫やでリシェじいもおるし、今日もな助けてくれてん」


　きょ、今日も？！そ、そない何度も狙われてしもてるんか、あかん。こんな可愛い子に無茶するなんて、男の風上にもおけんやつや、、、今も無理して笑てからに
　思わず呪いの手に乗っている可愛い子を胡座をかいた膝の上に移動させてぎゅうっと抱きしめる。すっぽりと収まってしまうことに守らなければとさらに思ってしまう。腕の中でくすくすと笑うこの子が襲われんように俺が守らな


「えへへ、身体が大きいからかめっさ安心する」


　するりと腕を背中に回しぴとりと胸元に寄ってくる可愛い子。あぁ、なんて小さな命なんだぁ


「それで、、、その一緒に暮らしてくれる？」


　顔を伺いながらそろりと上目遣いで聞いてくる姿にズキュンッと胸を撃ち抜かれ、思わず凝視してしまったのをこてりと首を傾げた姿にまた撃ち抜かれたことで正気に戻った。そんなん答えは一つしかないやろ


「ぁ、頷いてくれたってことは、いいってこと、やんな」


　その問いに大きくゆっくりと頷くと嬉しいっと花が咲くようにふわりと笑った。か、かわえぇ