大好物の桃を育てていたら最強で最凶の人外達に求愛された

白藍たんぽっぽ

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第一章 日常から非日常への一歩

12話 逃したくないと思って

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 鬼のあんちゃんの上で寝るのが心地よくてたくさん寝ても寝足りない。この心地いい感覚から抜け出したくはなかったが俺はトイレに行きたくて仕方なく起きることにした。重い瞼を上げると大きな黒い手にいた時と同じ景色になっていた

「んぅ、、、あれぇ?」

 
 なんと本当に大きな手の上で寝ていてさらに二つ目の大きな手が俺の身体を優しく握っていた。そのおかげで寒さも感じずに寝れたらしい
 あんちゃんがどこに行ったのか気になるしトイレに行きたいけれど起きたくなくて黒い手に頭をぐりぐりと押しつけて誰に言いたいわけでもないけど駄々をこねる


「・・・といれ」


 重い身体を起こすと身体を覆ってくれていた黒い手が消えた。地面に足を降ろそうとしたところで靴を履いていないことに気づいた


「ぁ、靴、、、なぁ、俺なトイレ行きたいから靴を返して欲しいんやけど、、、どこにある?」


 座っている黒い手を撫でながら問いかけると視界の端に何がが横切る。そちらに顔を向けると俺の靴を持った黒い手が浮いていた。ふよふよと浮きながら俺の足に靴を履かしてくれる
 別の黒い手が二つ現れて俺の両手をそれぞれで優しく手を繋いでくる。そのまま引っ張られて降りるのを助けてくれた


「な、なんやお姫様になった気分やわぁ、、、ありがとうな?」


 お礼を言うと小屋の中にいる黒い手は全て消えてしまった。そっと扉を開き小屋の外に出て辺りを見回すもそこは草木が鬱蒼と生えた森の中だった。あんちゃんは見当たらないからどこかに出かけたみたいだ。数分くらい小屋から真っ直ぐ進んだところに川が流れていた


「おぉ、水が透き通って綺麗やなぁ」


 ここは人里から近い場所ではなさそうだった。それは安心だと肩の力を抜いて隠れられそうな草木を探す。文明の利器であるトイレがないみたいなのでそこら辺にするしかない、、、でもあんちゃんに見られたら恥ずかしいから隠れな


「ここ、見つからなさそうやな」


 少し背丈の高い低木の群生地を見つけたのでズボンとパンツを降ろすと姿が見えないようにしゃがんだ。あんちゃんはどこに行ったんやろか、、、
 そんなことを考えトイレが終わったのでパンツをあげようとしたところで誰かに身体を抱きかかえらえた


「ひぁあ?!な、なんやのっなに?」


 後ろを見るとあんちゃんがいて何やら焦った顔をしていた


「あんちゃんか、びっくりしたわぁ、、、知らん人やったらどないしよかと、、、うぇえ?」


 足がぶら~んと猫みたいに浮いている体勢から姫抱きをされる。太ももにあんちゃんの腕の感触が直接して、まさかと思いながら下を見るとズボンも下着もなく生足があった。つまり俺の大事な場所もあんちゃんにとっては丸見えなわけで


「あ、あの、、、その、と、といれ、、、してたから、履いて、ないだけでっ」


 理由を話して変態じゃないことを恥ずかしさを押し殺して伝える。俺の顔は真っ赤になっているだろう


 
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