大好物の桃を育てていたら最強で最凶の人外達に求愛された

白藍たんぽっぽ

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第一章 日常から非日常への一歩

18話 好き好きアピールが堪らなく可愛ええ

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 息を整えていると黒い手がドロドロに汚れた下半身の上を過ぎ去った。すると何も無かったかのように綺麗になっていた
 黒い手、なんでも出来るんやなぁ


「あんちゃん、綺麗にしてくれてありがとうな」


 振り返ってお礼を言うと優しく笑われた。あんちゃんはかっこよくて頼りになるし撫でるのも上手で、、、こんなにかっこよく笑われては胸が高鳴るのも仕方がないと思う
 俺はもう一度、キスをしたくなったからあんちゃんの首に腕を回してぶら下がるようにする。あんちゃんも少しこちらに倒れてくれるからそのまま、むちゅっと唇を数秒くらい押し付けて離れた


「えへへ、キスしたくなってもうて、、、嫌やった?ふふふ、良かった」


 首を横に振ってくれたので一安心する。あれだけキスをしておいて今更、嫌なんて言われたらさっきのは何だったのか純情な心を弄んだのかと問い詰めるところだった
 あんちゃんを見つめていると黒い手が背後からすうっと出てきてそこには白い俺のズボンを持っていた


「あっ!俺のズボンっ、拾ってくれてたん?ありがとうなぁ、、、これ無くしたなんて言ったらリシェじいが怒ってまう」


 黒い手は前に回って行ったので俺も追いかけてあんちゃんの首から腕を解き、正面に向き直る。ズボンを受け取るとぱさりと白い何かが落ちた


「ん?」


 白い布。そこから連想されるのは俺の下着。快楽でぼやけた頭はやっと理解して慌てて手繰り寄せる。あんちゃんをちらっと見て恥ずかしさから笑って誤魔化した
 するとあんちゃんはまた顔を手で覆いながら空を見上げた。この隙に履こうと立ち上がるとイったことでまだフラフラだった足は身体を支えてくれなくてあんちゃんの方へ尻餅を着いてしまった


「わぁっ!~~~っ!、、、?あ、あんちゃん、ごめんなぁ、、、足に力入らんかったみたいで、、、」


 あんちゃんは首を振って俺が持っていたズボンと下着を取った。そのまま足を持ち上げて下着とズボンを丁寧に履かせてもらう。な、なんやこの羞恥プレイはぁ、恥ずかしくて死ねそうやぁ


「~~っありがとうな、あんちゃん」


 赤い顔のままあんちゃんにお礼を言うと頭を撫でられた。あぁ、撫でるの上手くて恥ずかしさを忘れられそうや
 そこではっと俺は気づいてしまった。リシェじいのお使いしな、桃のパイが食べられへんっ、、、はよ帰らなっ


「なぁ、あんちゃん、、、一緒に暮らしてくれるんやんな?ほんまに嫌やない?、、、えへへ、嬉しい。やったら家に帰ろ?俺なリシェじいにお使い頼まれててな、それ達成したら大好物の桃のパイが食べられんねん、、、だからあんちゃん、はよ帰ろっ」


 あんちゃんの腕を軽く引くと大きな黒い手が現れて俺をそこに乗せてしまう。あんちゃんは立ち上がり外に出るのをふい~っと浮いて後を追う黒い手


「あ、あんちゃんっ」


 外を出た時に俺はあんちゃんを呼び止めた。だって俺だけ歩かへんのも嫌やし


「ここから降ろしてくれへん?俺、あんちゃんと一緒に歩きたい、、、もう足に力入るから俺、歩けるでぇ?やから降ろしてぇな、お願い」


 あんちゃんは少し考えてから脇下に腕を通してそっと優しく地面に置いてくれた。自分でしっかりと立てることを確認すると優しく笑って手を離した
 あんちゃんは鬼族に相応しい高身長で二メートルは超えているだろう。そんなあんちゃんの胸下までの身長しかない俺は見上げるようにしてあんちゃんを見た
 ずっと見てたら首がいたぁなりそうやな


「ふふふ、あんちゃんっ」


 あんちゃんの逞しい腕に抱きついて手に指を絡める。あんちゃんはこっちを見て驚きに身を固くしてた


「あんちゃんとくっついてたいねん、、、あかんっ?歩きずらかったら離れるわぁ、、、ぁ、でも手は繋いどってもええ?」


 頭を撫でられて腕に引っ付いてる手を撫でながら力ずよく縦に頷かれた


「ってことは、抱きついたままでええのん?ふふふ、やったぁ、ありがとうな」


 お礼を言うとあんちゃんも微笑み返してくれてゆっくりと俺の歩幅に合わせて歩き始めた。綺麗な森の中はまるでデートをしている気分になるなぁ、と少し照れくささを覚えていると良い雰囲気をぶち壊す怒声が響いた


「モモっ!拉致されてるくせに何その男に引っ付いてるんだ?!早くそいつから離れろっ!」


 犯人は黒い翼をはためかせて空から叫んでくる強姦魔レヴィだった


 
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