大好物の桃を育てていたら最強で最凶の人外達に求愛された

白藍たんぽっぽ

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第一章 日常から非日常への一歩

19話 あいつが強姦魔

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 強姦魔はこんなところまで追っかけて来て何がしたいんやろか。俺は強姦魔のことは無視してあんちゃんに笑いかけながら手を引く


「さぁ、あんちゃん行こ?俺、こっから家の帰り方は分からんから桃の農園まではあんちゃんが道案内してや、わかるところ来たら今度は俺が家まで案内するでっ」

 あんちゃんは俺と強姦魔を交互に見て、それから俺に笑顔を向け頷いてくれた。そんな俺の態度に強姦魔はさらに怒った


「おいモモっ!何が道案内だ、何が家まで案内だ?お前、ほんとバカじゃないのかっ?!お前は誘拐されてんの、その危ない男にっ!」

「さっきからうるさいなっ!あんちゃんは優しいし危なくないしほっといて、強姦魔には関係ないやんか、この阿保!」

「アホはお前だ!どっからどう見ても危ないやつだろ、そいつ」


 強姦魔の相手を律儀にもしてしまったので俺とあんちゃんの目の前にバサリッと降り立った。腕を組み不満を表すその態度も偉そうに心配かけるなというのにも、、、お前が言うなという怒りの感情しか湧いてこない。なんで俺がお前に怒られなあかんねん


「危なくない、その目は節穴なんちゃう?」

「節穴はモモの方だ、、、そんな禍々しい魔力を持ってるやつの近くによく居れるな、この近さでも気分が悪くなる。そいつは災いの象徴みたいなもんだろ」

「あんたが弱っちいだけやろ、ほっときな強姦魔。リシェじいならともかく強姦魔に言われる筋合いはないわ、、、あんちゃん、こんなやつほって行こ、、、あんちゃん?」


 あんちゃんは真っ直ぐに強姦魔の方を見ていて動かなかった。また名前を呼ぼうとした時には俺は黒い空間に取り込まれ、あんちゃんと強姦魔が剣を交えていた


「あ、あんちゃん?!ちょ、あんちゃん、そんなやつ構っても碌なことあらへんでっ、、、ここから出してぇなあんちゃん!」


 黒い大きな手が上と下で俺を大切に包み込んで守ってくれていた。黒い手同士のちょっとした隙間から見えるあんちゃんと強姦魔の戦いは俺じゃ目に追えない速さで剣を振った先にある木々はいとも簡単に薙ぎ倒されていた
 その隙間からなんとか出れないかと両手を突っ込んで力を込めるも俺の力で開けられるはずもなくただ見守るしかできなかった


「おらっモモを返せよ、この誘拐犯っ!・・・なんか言えよ、俺の強さに言葉も出ないってか?ああ?違うだろ、モモを連れ去った理由を言え、理由を聞いても返してもらうからな」

「・・・」


 あの強姦魔が強いことは知っていた。だからあんちゃんの身を少し、いや怪我もしているから泣きそうになるほどには心配をしていたのだがあんちゃんはそんな心配はいらないくらいに強かった。近接戦では勝ち目がないと思ったのだろう強姦魔は距離を取り、魔法をぶっ放して戦っているがあんちゃんはその身体の大きさに見合わず俊敏な動きで距離を詰めていた
 あんちゃんすご、、、強姦魔、上位の悪魔やのに引けをとらへんなんて

 そんな互いが互いに押しつ押されつで平行線の戦いが続いていた。この戦いをどうやって止めればいいのか、、、あんちゃんの強さを目の当たりにしても心配はしてしまうので時間勝負になるとあんちゃんも部が悪い
 だから俺を理由に仕方なく戦いを中断せざるおえなければあんちゃんも戦いをやめてくれるはずだ


「あんちゃんっ!俺と家に帰ろ!転移魔法とかあんちゃん使えへんっ?」

「は?鬼が魔法を使えるわけないだろ!寝ぼけてんのかモモっ」

「あんちゃんのこと知らんくせにっ」

 
 喉が痛むのも気にせずにそう叫ぶと赤い瞳が俺を捉えた。そして次の瞬間、目の前は俺の大好物の桃がたくさんなっている農園に来ていた。ほ、ほんまに使えるんや

 

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