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第一章 日常から非日常への一歩
43話 思い入れはまたしてもらえばええや程度
しおりを挟む部屋に入ってリシェじいが追ってこれないように鍵をすぐに閉めた。だがそんな心配は必要なかったらしく全然来る気配がないのでベッドの傍まで歩いて安心からドサッと身を預ける
今日はいろんなことがありすぎて一段と疲れたなぁ、、、このまま寝よかな
と考えたところでもしリシェじいに見つかったら怒られてしまうので重たい身体を動かしてパジャマに着替えた。鍵を閉めてもここはリシェじいの家やし妖精達が開けるの手伝ってまうしなぁ、あんま意味ないねんな
なんて過去にリシェじいを怒らして鍵を閉めたのに部屋に入ってきたことを思い出してため息をつく。自分もみんなと同じように会話ができていたらそんなことも起きなかったのにと思いながら
パジャマに着替え終わりふと何の気なしに窓から外を見ていると強姦魔が帰っていくところだった。あ、帰って行った、、、
ばいばいと言いたかったが飛ぶのが早すぎてもう見えなくなってしまう。それに今日は強姦魔という名前に相応しく散々な目に合わされてしまったのでそんなやつに挨拶するもんかと勢いよくカーテンを閉めてベッドに戻った
すると部屋の扉をコンコンとノックする音が聞こえた。身体を起こして扉を見つめる。ん?なんや
「は~い」
「ももあ、入っていいか」
「リシェじい、、、もう怒っとらん?」
「あぁ、ももあには怒ってない」
その言葉にそろりとベッドから立ち上がって扉の鍵を開ける。ゆっくり扉を開けてその隙間から様子を伺うと本当に怒ってはいないみたいだった
「ももあ」
「どうぞ、リシェじい」
部屋に招き入れるとリシェじいが俺を通り過ぎこっちに来いと手招きする。不思議に思いながら首を傾げるとベッドに座れとのことだった
「どないしたんリシェじい、、、ひょわっ?!」
「、、、やっぱり酷いなこれ」
「な、なにするん?!いきなりっ」
リシェじいは服を捲り上げぺたぺたと俺の身体を確認していった。俺のパジャマはワンピースの形をしているので下着まで見られてしまっては恥ずかしさで抵抗も出来なかった
リシェじいの確認する手つきに擽ったさを感じ身を捩るとトンっと身体を押されベッドにぽふんっと寝転がる
「ん、、、リシェじい?」
「これ痛いだろ。治癒魔法使うから大人しくしてろ」
「?!」
リシェじいの手がぽわんっと光だし慌てて身体を起こして止めに入ったがもう遅かったみたいだ
身体を見下ろすと綺麗さっぱりレヴィにつけられたキスマや噛み跡が無くなっていた
「あ、、、っ」
「ももあ?」
「消さんといて、、、欲しかった、、、」
「っ?!」
そりゃ見た目は乱暴されたみたいだし実際そうだったけど、でも愛された痕だったのに。初めてレヴィと身を重ねた時と同じくらい今日はエッチ以外が優しかった日やのに、、、
そう思うと何故か目の前が涙で滲んでしまうのを止められずそのまま一筋、頬に流れて行った
「す、すまなかったももあ。確認するべきだったな、、、」
「くすんっ、、、ううん、いつもの事考えたら当然や、、、リシェじいは何も悪ない、、、ただ今日は珍しく優しかったレヴィが悪いねん、、、くすんっ」
「レヴィのことそう言ってやるな。俺が悪いことをしたんだ。ほんとうにすまなかった」
悲しいけれどそこまで悲観することじゃないし涙を手で擦るとすぐに止まるほど僅かにしか涙はでなかった
だがリシェじいは珍しく慌てて俺をぎゅっと抱きしめ頭を撫でてきた。少し泣いてしまったから鼻水をすするのをやめられない。涙はすぐ止まるのに鼻水はそういかなかったみたいでそれをリシェじいが誤解したみたいだった
「ももあ。もう元に戻せないが他のことでももあがして欲しいことを何でもしてやる。お菓子をたくさん作るのでも何か買うのでもいいぞ、、、だからもう泣くのをやめて欲しい。ももあが泣くと胸が苦しくなる」
「、、、リシェじい」
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