9 / 113
竜騎士になったよ
初出動の日
しおりを挟む
「団長!エリアスさんっ!」
空から突然茶色いドラゴンが上空に現れた。
「…あの彼は竜騎士じゃなくて騎士だ。一般の騎士達は茶色いドラゴン、汎用竜と呼んでるんだが、それに乗っている、あと、馬にも乗る。俺たち竜騎士だけが色のついたドラゴンに乗ってるんだ」
フィリックスが小声で俺に説明してくれた。エリアスは茶色いドラゴンが着地したところへ走っていって話を聞いている。しばらくするとその汎用竜はまた飛んでいってしまった。
戻ってきたエリアスが渋い表情だ。
「フィリックス、オリオン号に乗れ。話は後だ。シン来い、社会見学だ」
俺たちは各々のドラゴンに乗ってふわりと浮かび上がる。
「カイザー号についてこい。…飛ばすぞ」
カイザー号が空中で翼をひねり、踵を返すと弾丸のようにいきなりスピードを上げた。
すごい!いきなりあんな速度が出せるなんて驚いた。
ラースだって!俺が頭で念じると、ラースも飛び出していく。すると横からオリオン号に抜かれた。
さすがの二匹はものすごく速い。
すると、エリアスの声がした。
「伝令によると、明後日の姫君のパーティー用の特注食材を積んだ商隊が襲われてるらしい」
「え?護衛に黄色と緑を二人もつけてるでしょうが?」
フィリックスが驚いている。
「あいつらは囮にしてやられたらしい。遠くまで行っちまって戻ってるとこだ。まだ飛ばせるか?シン」
エリアスが俺に尋ね、俺は返事をした。
「こんなスピード、ラースにとっちゃお散歩程度だよ」
「ふ、言うじゃん。」
エリアスが笑って前傾姿勢をとると、カイザー号とオリオン号が更にスピードを上げた。
すると、下界の山道に転がる馬車、傷ついて苦しげに呻く馬や運搬用のドラゴン達。散らばる果物や荷物が転々と見えた。それを略奪するやつらも見える。
「竜騎士の援軍だ!」
戦ってる茶色いドラゴンと騎士達の指揮が上がると同時に敵たちも声を上げる。
「竜騎士など恐れるな!あの一番小さい弱そうなのを狙え!」
ええっ俺のこと?ラースが一番小さいからって腹立つな…!俺はカチンときた。
「シンは下がってろ!」
エリアスが俺を止める。
「いやだ!」
「はぁ?また?反抗期か!」
エリアスの眉間がまた険しくなる。
「ラースをバカにされて黙ってられるか!さっき指示した奴がリーダーだろ?それを捕まえりゃいいんだよな?!誰か弓矢貸してっ!」
「俺ので良ければ使え!」
エリアスがカイザー号の鞍からクロスボウを外して投げてきた。
「ありがとう!」
俺は指示を飛ばしている敵の男へクロスボウをセットした。
◆◆◆◆
「あいつ…まさか飛んでるドラゴンから両手を離すだけでなく、弓まで狙えるのか…?」
エリアスが驚愕し、フィリックスが目を見開いた。
「っていうかエリアス、あのクロスボウまさか…」
「仕方ないだろう?緊急時だ」
「ですがあれは…!」
フィリックスが青ざめて心配している。
「魔法が使えない者にはただのクロスボウだよ。シンはまさかあんな辺境では魔法の手ほどきをうけてないだろ?」
エリアスが笑って流し、フィリックスは心配げにシンを見た。
遠くから黄色と緑のドラゴンが猛ダッシュで飛んでくるのが見えた。
◆◆◆◆
ヒュン!俺の放った矢はリーダーと思われる男の頬をかすめた。…ちっ、外したか、俺は舌打ちをした。
「くそ!蒼いドラゴンを殺せ!竜騎士でもいい!狙え!」
リーダーはそう叫び、弓矢で撃ってきた。それくらい軽くかわせるのでラースに任せていたら目の前が赤と黒になる。
カイザー号とオリオン号が目の前で敵に向かって大きく吠えた。その声で空気が震え、地響きさえする。圧倒的な恐怖心を煽るドラゴンのその姿に敵は震え上がった。
二匹は盾となりラースを敵から隠す。敵の矢はカイザーの厚い胸板に当たってもびくともしなかった。
ラースを守るドラゴンナイトは二匹もいるんだな。
ラースもててる。
「大丈夫かシン!俺が守ってやるからな!」
エリアスがカイザー号の鞍から振り返って俺に向かって言った。
「それは俺のセリフですエリアス!さっき知り合ったばかりの分際で馴れ馴れしく言わないでください!シン!俺が守ってやるからな!」
フィリックスがエリアスに食ってかかり、今度は優しく俺に言う。
「フィリックスてめえこの野郎!上司に向かって偉そうな!知り合ったに新しいもクソもねえ!」
あっ俺にもドラゴンナイトいたわ…
どっちもヤローだけど。
◆◆◆◆
隙をついてリーダーの乗った汎用竜が逃げ出した。
空から突然茶色いドラゴンが上空に現れた。
「…あの彼は竜騎士じゃなくて騎士だ。一般の騎士達は茶色いドラゴン、汎用竜と呼んでるんだが、それに乗っている、あと、馬にも乗る。俺たち竜騎士だけが色のついたドラゴンに乗ってるんだ」
フィリックスが小声で俺に説明してくれた。エリアスは茶色いドラゴンが着地したところへ走っていって話を聞いている。しばらくするとその汎用竜はまた飛んでいってしまった。
戻ってきたエリアスが渋い表情だ。
「フィリックス、オリオン号に乗れ。話は後だ。シン来い、社会見学だ」
俺たちは各々のドラゴンに乗ってふわりと浮かび上がる。
「カイザー号についてこい。…飛ばすぞ」
カイザー号が空中で翼をひねり、踵を返すと弾丸のようにいきなりスピードを上げた。
すごい!いきなりあんな速度が出せるなんて驚いた。
ラースだって!俺が頭で念じると、ラースも飛び出していく。すると横からオリオン号に抜かれた。
さすがの二匹はものすごく速い。
すると、エリアスの声がした。
「伝令によると、明後日の姫君のパーティー用の特注食材を積んだ商隊が襲われてるらしい」
「え?護衛に黄色と緑を二人もつけてるでしょうが?」
フィリックスが驚いている。
「あいつらは囮にしてやられたらしい。遠くまで行っちまって戻ってるとこだ。まだ飛ばせるか?シン」
エリアスが俺に尋ね、俺は返事をした。
「こんなスピード、ラースにとっちゃお散歩程度だよ」
「ふ、言うじゃん。」
エリアスが笑って前傾姿勢をとると、カイザー号とオリオン号が更にスピードを上げた。
すると、下界の山道に転がる馬車、傷ついて苦しげに呻く馬や運搬用のドラゴン達。散らばる果物や荷物が転々と見えた。それを略奪するやつらも見える。
「竜騎士の援軍だ!」
戦ってる茶色いドラゴンと騎士達の指揮が上がると同時に敵たちも声を上げる。
「竜騎士など恐れるな!あの一番小さい弱そうなのを狙え!」
ええっ俺のこと?ラースが一番小さいからって腹立つな…!俺はカチンときた。
「シンは下がってろ!」
エリアスが俺を止める。
「いやだ!」
「はぁ?また?反抗期か!」
エリアスの眉間がまた険しくなる。
「ラースをバカにされて黙ってられるか!さっき指示した奴がリーダーだろ?それを捕まえりゃいいんだよな?!誰か弓矢貸してっ!」
「俺ので良ければ使え!」
エリアスがカイザー号の鞍からクロスボウを外して投げてきた。
「ありがとう!」
俺は指示を飛ばしている敵の男へクロスボウをセットした。
◆◆◆◆
「あいつ…まさか飛んでるドラゴンから両手を離すだけでなく、弓まで狙えるのか…?」
エリアスが驚愕し、フィリックスが目を見開いた。
「っていうかエリアス、あのクロスボウまさか…」
「仕方ないだろう?緊急時だ」
「ですがあれは…!」
フィリックスが青ざめて心配している。
「魔法が使えない者にはただのクロスボウだよ。シンはまさかあんな辺境では魔法の手ほどきをうけてないだろ?」
エリアスが笑って流し、フィリックスは心配げにシンを見た。
遠くから黄色と緑のドラゴンが猛ダッシュで飛んでくるのが見えた。
◆◆◆◆
ヒュン!俺の放った矢はリーダーと思われる男の頬をかすめた。…ちっ、外したか、俺は舌打ちをした。
「くそ!蒼いドラゴンを殺せ!竜騎士でもいい!狙え!」
リーダーはそう叫び、弓矢で撃ってきた。それくらい軽くかわせるのでラースに任せていたら目の前が赤と黒になる。
カイザー号とオリオン号が目の前で敵に向かって大きく吠えた。その声で空気が震え、地響きさえする。圧倒的な恐怖心を煽るドラゴンのその姿に敵は震え上がった。
二匹は盾となりラースを敵から隠す。敵の矢はカイザーの厚い胸板に当たってもびくともしなかった。
ラースを守るドラゴンナイトは二匹もいるんだな。
ラースもててる。
「大丈夫かシン!俺が守ってやるからな!」
エリアスがカイザー号の鞍から振り返って俺に向かって言った。
「それは俺のセリフですエリアス!さっき知り合ったばかりの分際で馴れ馴れしく言わないでください!シン!俺が守ってやるからな!」
フィリックスがエリアスに食ってかかり、今度は優しく俺に言う。
「フィリックスてめえこの野郎!上司に向かって偉そうな!知り合ったに新しいもクソもねえ!」
あっ俺にもドラゴンナイトいたわ…
どっちもヤローだけど。
◆◆◆◆
隙をついてリーダーの乗った汎用竜が逃げ出した。
70
あなたにおすすめの小説
クールな義兄の愛が重すぎる ~有能なおにいさまに次期当主の座を譲ったら、求婚されてしまいました~
槿 資紀
BL
イェント公爵令息のリエル・シャイデンは、生まれたときから虚弱体質を抱えていた。
公爵家の当主を継ぐ日まで生きていられるか分からないと、どの医師も口を揃えて言うほどだった。
そのため、リエルの代わりに当主を継ぐべく、分家筋から養子をとることになった。そうしてリエルの前に表れたのがアウレールだった。
アウレールはリエルに献身的に寄り添い、懸命の看病にあたった。
その甲斐あって、リエルは奇跡の回復を果たした。
そして、リエルは、誰よりも自分の生存を諦めなかった義兄の虜になった。
義兄は容姿も能力も完全無欠で、公爵家の次期当主として文句のつけようがない逸材だった。
そんな義兄に憧れ、その後を追って、難関の王立学院に合格を果たしたリエルだったが、入学直前のある日、現公爵の父に「跡継ぎをアウレールからお前に戻す」と告げられ――――。
完璧な義兄×虚弱受け すれ違いラブロマンス
オレの番になって──異世界に行って愛猫の番にされる話
まめ
BL
不慮の事故により、異世界に転移することになった神木周。
心残りは、唯一の家族だった愛猫・ネロのことだけだった。
──目覚めた草原で再会したのは、見覚えのある大きな黒い獣。ネロが追いかけてきてくれたのだ。
わからないことばかりの異世界だけど、ネロがいるからきっと大丈夫。
少しずつ心をほどき、神に招かれた世界で穏やかな毎日を楽しむ周たち。
しかし、そんな彼らに不穏な気配が忍び寄る――
一人と一匹がいちゃいちゃしながら紡ぐ、ほのぼの異世界BLファンタジー。
こんにちは異世界編 1-9 話
不穏の足音編 10-18話
首都編 19-28話
番──つがい編 29話以降
全32話
執着溺愛猫獣人×気弱男子
他サイトにも掲載しています。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】
晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。
発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。
そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。
第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと
mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36)
低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。
諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。
冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。
その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。
語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる