異世界に転生したら竜騎士たちに愛されました

あいえだ

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竜騎士になったよ

竜騎士団長エリアスside

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俺は部屋で服を身に付けながらフィリックスに話しかけた。

「シンの状態異常、だいぶ薄れてきたな」
「そうですね、治りが早くて安心しました」

フィリックスが安堵の表情になる。その逞しい体格に着かけた薄手のシャツから割れた腹筋が浮き上がっている。腹に大きな傷があるが彼は一切そのことについては教えてくれない。
でも、男の俺から見てもカッコよくいつも品があって本当に綺麗な男だ。俺はフィリックスを右腕として絶大な信頼を寄せている。

「隊商を襲った連中は黄色と緑が制圧した。全員逮捕したそうだ。姫のパーティーはまあ、なんとかする」
「予定していた料理がなくてもエリアスが行けば姫の機嫌が直りますもんね」

ため息をついた俺にフィリックスが苦笑する。

「はあ…めんどくっさ。全然興味ねえわ。」

頭をかきながら不機嫌になった。
姫なんて興味ない。俺は騎士としての武芸やカイザー号と楽しく国を守っていたいだけだ。それにシンという存在が加わったから面白くなってきた。シンは本当に可愛らしくて初めて見たときから目を奪われた。

「お気の毒に…」
「どっちが?俺?姫?」

俺はフィリックスを軽く睨む。

「さあ…。どっちもかな…それよりシンのことですが」
「ああ、魔法の教育を受けていたようだな。故郷のご老人の誰かに魔法使いがいたとは驚いた」
「俺も驚きました。まさかあのような辺境に魔法を使える者がいたとは。長老に聞きましたがシンが伝説の竜騎士だという事も彼が生まれた時から言われていたようです。俺は珍しい蒼いドラゴンがいる、使える者がいるという報告だけが上がっていて、ならばと召集をかけたのですが、まさかシンがあのような…」

フィリックスの言葉に俺は鋭く反応した。そのままフィリックスは話を続ける。

「どうなさいます?同じ境遇、生まれながらにドラゴンを手にする者として、エリアスは俺のような訓練を受けてなった竜騎士とは違う、貴方と同じ伝説の竜騎士…」

フィリックスの質問は鋭い。

俺は部屋のドアに手をかけた。

「エリアス、どこへ?」
「ラースのとこ。カイザー号とオリオン号がいるからさほど心配はしてないが、シンとシンクロしてるままだと油断は出来ない。それに訓練もしてない天然のシンクロ、それもあれは完全なものと見た」
「俺も鳥肌が立ちましたよ、あのトンネルに入る時…」
「ああ。じゃあ、後はよろしく、お前がついてやった方がシンも安心して眠れるだろうよ」

そう言って俺は部屋を出た。

シンは見たところ、俺以上にドラゴンとわかり合えている。あんな深いシンクロは初めて見た。全感覚を共有できるなんて。でも、それじゃダメだ…今回のように共倒れしてしまう。
俺が導いてやらなければならないな。

…初めて、誰かを何とかしてやろうと思ったな。

生まれながらにドラゴンを手にしているという境遇が同じ。まさか、伝説の竜騎士が現れるなんて思わなかった。

伝説の竜騎士。生まれながらにドラゴンを持ち、魔法が使える最強の騎士。

伝説の竜騎士は時折存在する。これまでもそう呼ばれて活躍した英雄が何人も歴史に名を残している。

この話には全く知られていない裏話がある。俺が仕事で行った遺跡で、たまたま見つけた古い書物に書かれてあるのを趣味で解読した。文体に古に滅びた旧世界の言葉遣いがキツくて苦労したけど。

この内容は誰にも見せてないから俺以外は知らない。

そこにはこう書かれてあった。

『伝説の竜騎士が二人現れるとき、魔が復活し、竜騎士に滅ぼされるねん。知らんけど』


俺は古の文明の言葉遣いが解読できる。
知らんけどっていう締め括りは、よくいう「おそらくは」って無責任なやつだな。古文明の言葉遣いはフランク過ぎて読んでて笑えた。

魔とは。おそらくは、大昔に封印された、闇のモンスターだろう。
知らんけどって書いてあるから現れないのかもしれない。


まあ、この本は信憑性もイマイチだし、何の役に立つのかわからんからこの先も世に出すつもりはない。伝説の竜騎士なんて、王宮勤めのただの社畜だし。


それよりも、シンのあの美貌、健康的な笑顔、そして抱くとすっぽりと俺の腕に納まるあの華奢な体。滑るような玉の肌。眠るシンをさすって撫でて、少しでも声を漏らそうものなら俺の…いや、言うのは憚られる。何度も自分を失いそうになった。それはフィリックスも同じだったろうな。

フィリックスと二人でシンを温めてる間、マジでヤバかった…自制するのがいっぱいいっぱいだった。二人きりなら襲いかかってたな、俺。

あのままあの部屋にいられなくて、フィリックスに託して出てきたが…もったいないことをしたかな?でも、ラースも本当に心配だし、ラースの無事を知らせてやるほうがきっとシンは喜ぶだろう。

これから、楽しみだ。


あの可愛い、もう一人の伝説の竜騎士シンは俺にとって特別な存在になった。

























    
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