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竜騎士になったよ
シンの秘密
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俺は風呂の中で息をついた。
竜騎士なのに弱いって思われちゃうな。いきなりこんな倒れちゃってさ。
俺が伝説の竜騎士というの。
だってそれ、嘘だもん。
竜騎士として、フィリックスと王宮に行く前、俺は長老と二人だけで話をした。
「いつか、お前は伝説の竜騎士として自分のルーツを探しに行きたくなるだろう。…だが、やめておけ。」
長老が俺に言った。
「…なんで?かあちゃんは俺を生んですぐ亡くなったんだろ?俺は父親をいつか探しに行きたいと思ってるんだけど」
「すまない…それはしないでくれ…」
長老が目を伏せた。何故!?
「お前のかあちゃん、つまりはわしの孫だな、とんでもなくグレたヤンキー少女だったんだ。」
「…は?長老、俺のひいじいちゃんなの?」
俺は面食らった。なんで18年間黙ってたの?と。
長老が語る真相はこうだった。
俺のかあちゃんは老人ばかりの集落を嫌がって家出のように村を出ていったヤンキー少女だったそうだ。それまでさんざんグレていたかあちゃんは集落のお荷物だったらしい。
でも、数年後、都会に疲れ果てたかあちゃんは結局この集落に戻ってきた。誰の子かわからない俺をお腹に宿して。産む金が無かったのだと長老は言った。そして皆にやっかまれながらも臨月になる。
ある日、健康のために日課のウォーキングをしていた長老が、山奥でドラゴンがハンターに狩られているのを目撃した。そのドラゴンは連れ去られ、長老は隠れていた赤ちゃんドラゴンを発見する。そして集落にこっそり連れ帰った。それがラースだ。
同じ日、かあちゃんが俺を産んだ。でも、しばらくするとまた集落がつまらなくなり、俺を残して失踪したのだ。つまりは俺は捨てられたのだということ。
話を聞いた俺は少なからず衝撃を受けた。でも、うすうす分かっていた。
俺は特別なんかじゃないって思ってたから。
でも、あんなに美しくて優しい俺のラースを誇りに思う気持ちは変わらない。
で、それを絶対に幼い俺に知られないためにジジイ達とばあちゃん達全員の総意で、俺のかあちゃんは死んだことにしたのだそうだ。
俺の事を伝説の竜騎士とか言っちゃって育てたのは、老人ばかりの村で育ち、親もいない俺が、この先立派に生きていく肩書きの一つになればいいと思ったからの集落の皆でついた嘘。そして、ラースの存在がそれを可能にした。
全ては長老、集落の皆の俺への愛情。
最後に、このような真実を、大人として俺を見てくれて話してくれたことに感謝した。
これで俺は人生を調子に乗ることはない。
実際、親に捨てられたと言ってもかあちゃんなんて知らない人だからピンとこない。俺の親はジジイ達、ばあちゃん達。俺にくれたその愛情は本物だ。
そして俺が恥ずかしくないように長老は幼い頃から魔法まで授けてくれた。
長老は昔王宮で働いていた魔術師だった。若いころ、スローライフに憧れて都会から出てきたのだと教えてくれた。
俺は、みんなの手作りの竜騎士なんだ。ラースも俺も愛情たっぷりに育てられた。それだけで充分だ。
うーん、でもここではバレないようにしなきゃなあ。俺は伝説の竜騎士だって思われてる。
ラースだって、元から蒼いのは本当だ。あの集落には時折そういった生き物がうまれるらしい。辺境にある水の成分のせいで、遺伝子に変化が起きて、特殊な蒼い子が生まれるんだそうだ。俺の蒼い髪もそうだって。かあちゃんも髪が蒼かったそうだ。
俺たちは特別じゃないけど、二人の絆は特別だよ!
一緒に育ってわかりあって、お互いを信頼しつくしている。辺境や山々を毎日二人で飛び回り、あらゆる時を一緒に過ごしてきた。二人でずーっと。それはどんな竜騎士にも負けてないはず。
ラースは大丈夫かな…。
俺はとても心配になり、風呂から上がるとバスタオルだけをひっかぶってバスルームを出る。すると、ベッドにフィリックスが座っていた。
「…もう、いいのか?」
「うん、ラースが心配で…」
フィリックスが立ち上がり、俺のびしょ濡れの髪をわしゃわしゃとタオルで拭いてくれる。
「ラースなら、エリアスが見に行ってるから心配するな。さっきラースが気がついたから大丈夫だと魔法で話した」
その言葉を聞いて俺は安心した。
「なんで俺こんな風になったの?」
あのクロスボウを使ってからおかしくなったんだ。フィリックスが、ああ、と相槌ちを打った。
「あれは魔法と一緒に使うと莫大な魔力で破壊力が上がる魔道具の一つだ。魔法が使える敵に誤って渡ると危険だから、エリアスが魔法でロックをかけてるんだ。人間がただ使うだけなら普通のショボい弓なんだけどな、彼以外の人間がこれで魔法を使うと体に状態異常を起こすんだ…まさか、シンが魔法使いだったなんて」
くっそ、エリアスのせいだったんだーー!もう!
「竜騎士団、伝説の竜騎士がこれで二人になったな」
「え?二人?」
俺は驚いた。
「エリアスだ。生まれた時に黒いドラゴン、カイザー号が側にいたそうだ。彼は伝説の竜騎士、あの圧倒的な強さは頷ける。シンも伝説の竜騎士だなんて、竜騎士団はまた強くなる」
フィリックスがエリアスと俺を絶賛する。
「エリアスが…ホンモノ」
「え?シンも本物じゃないか」
「え?あ、あはは」
俺は軽くごまかし笑いをした。
すごい。エリアスは本物の伝説の竜騎士なんだ!
竜騎士なのに弱いって思われちゃうな。いきなりこんな倒れちゃってさ。
俺が伝説の竜騎士というの。
だってそれ、嘘だもん。
竜騎士として、フィリックスと王宮に行く前、俺は長老と二人だけで話をした。
「いつか、お前は伝説の竜騎士として自分のルーツを探しに行きたくなるだろう。…だが、やめておけ。」
長老が俺に言った。
「…なんで?かあちゃんは俺を生んですぐ亡くなったんだろ?俺は父親をいつか探しに行きたいと思ってるんだけど」
「すまない…それはしないでくれ…」
長老が目を伏せた。何故!?
「お前のかあちゃん、つまりはわしの孫だな、とんでもなくグレたヤンキー少女だったんだ。」
「…は?長老、俺のひいじいちゃんなの?」
俺は面食らった。なんで18年間黙ってたの?と。
長老が語る真相はこうだった。
俺のかあちゃんは老人ばかりの集落を嫌がって家出のように村を出ていったヤンキー少女だったそうだ。それまでさんざんグレていたかあちゃんは集落のお荷物だったらしい。
でも、数年後、都会に疲れ果てたかあちゃんは結局この集落に戻ってきた。誰の子かわからない俺をお腹に宿して。産む金が無かったのだと長老は言った。そして皆にやっかまれながらも臨月になる。
ある日、健康のために日課のウォーキングをしていた長老が、山奥でドラゴンがハンターに狩られているのを目撃した。そのドラゴンは連れ去られ、長老は隠れていた赤ちゃんドラゴンを発見する。そして集落にこっそり連れ帰った。それがラースだ。
同じ日、かあちゃんが俺を産んだ。でも、しばらくするとまた集落がつまらなくなり、俺を残して失踪したのだ。つまりは俺は捨てられたのだということ。
話を聞いた俺は少なからず衝撃を受けた。でも、うすうす分かっていた。
俺は特別なんかじゃないって思ってたから。
でも、あんなに美しくて優しい俺のラースを誇りに思う気持ちは変わらない。
で、それを絶対に幼い俺に知られないためにジジイ達とばあちゃん達全員の総意で、俺のかあちゃんは死んだことにしたのだそうだ。
俺の事を伝説の竜騎士とか言っちゃって育てたのは、老人ばかりの村で育ち、親もいない俺が、この先立派に生きていく肩書きの一つになればいいと思ったからの集落の皆でついた嘘。そして、ラースの存在がそれを可能にした。
全ては長老、集落の皆の俺への愛情。
最後に、このような真実を、大人として俺を見てくれて話してくれたことに感謝した。
これで俺は人生を調子に乗ることはない。
実際、親に捨てられたと言ってもかあちゃんなんて知らない人だからピンとこない。俺の親はジジイ達、ばあちゃん達。俺にくれたその愛情は本物だ。
そして俺が恥ずかしくないように長老は幼い頃から魔法まで授けてくれた。
長老は昔王宮で働いていた魔術師だった。若いころ、スローライフに憧れて都会から出てきたのだと教えてくれた。
俺は、みんなの手作りの竜騎士なんだ。ラースも俺も愛情たっぷりに育てられた。それだけで充分だ。
うーん、でもここではバレないようにしなきゃなあ。俺は伝説の竜騎士だって思われてる。
ラースだって、元から蒼いのは本当だ。あの集落には時折そういった生き物がうまれるらしい。辺境にある水の成分のせいで、遺伝子に変化が起きて、特殊な蒼い子が生まれるんだそうだ。俺の蒼い髪もそうだって。かあちゃんも髪が蒼かったそうだ。
俺たちは特別じゃないけど、二人の絆は特別だよ!
一緒に育ってわかりあって、お互いを信頼しつくしている。辺境や山々を毎日二人で飛び回り、あらゆる時を一緒に過ごしてきた。二人でずーっと。それはどんな竜騎士にも負けてないはず。
ラースは大丈夫かな…。
俺はとても心配になり、風呂から上がるとバスタオルだけをひっかぶってバスルームを出る。すると、ベッドにフィリックスが座っていた。
「…もう、いいのか?」
「うん、ラースが心配で…」
フィリックスが立ち上がり、俺のびしょ濡れの髪をわしゃわしゃとタオルで拭いてくれる。
「ラースなら、エリアスが見に行ってるから心配するな。さっきラースが気がついたから大丈夫だと魔法で話した」
その言葉を聞いて俺は安心した。
「なんで俺こんな風になったの?」
あのクロスボウを使ってからおかしくなったんだ。フィリックスが、ああ、と相槌ちを打った。
「あれは魔法と一緒に使うと莫大な魔力で破壊力が上がる魔道具の一つだ。魔法が使える敵に誤って渡ると危険だから、エリアスが魔法でロックをかけてるんだ。人間がただ使うだけなら普通のショボい弓なんだけどな、彼以外の人間がこれで魔法を使うと体に状態異常を起こすんだ…まさか、シンが魔法使いだったなんて」
くっそ、エリアスのせいだったんだーー!もう!
「竜騎士団、伝説の竜騎士がこれで二人になったな」
「え?二人?」
俺は驚いた。
「エリアスだ。生まれた時に黒いドラゴン、カイザー号が側にいたそうだ。彼は伝説の竜騎士、あの圧倒的な強さは頷ける。シンも伝説の竜騎士だなんて、竜騎士団はまた強くなる」
フィリックスがエリアスと俺を絶賛する。
「エリアスが…ホンモノ」
「え?シンも本物じゃないか」
「え?あ、あはは」
俺は軽くごまかし笑いをした。
すごい。エリアスは本物の伝説の竜騎士なんだ!
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