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伝説のゆくえ
エリアスside
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俺はシンをつれて馬に乗っている。
輝く日差しに、シンの細い肩や揺れる美しい青い髪がキラキラして目を細めてしまった。
シンがハーフドラゴンという話を聞いた俺とフィリックスはあれから話し合ったんだ。
フィリックスが伝説の竜騎士だという話にも驚いたが、オリオン号を見ればわかるし、フィリックスはあったときから只者ではないと踏んでいたから納得はできた。
なら、過去の記憶だってあるのだろうかと思い、聞いてみたんだ。
「フィリックスが伝説の竜騎士とは…驚かないけどびっくりした…」
「ふ、どっちなんだエリアス…力はお前に及ばないが、そのようだな…俺のオリオンは死んだと思っていたから、もう資格もないと決めてかかっていた。オリオンが生きている現実を思うと、それは有効だったようだ」
フィリックスが遠くを見ながら笑った。相変わらずいい男だ。惚れ惚れするような横顔に、気持ちのよい笑顔。初めて会ったときから好ましい俺の相棒。
「そうか…ならシンは何なんだという疑問が残ったが、ハーフドラゴンとはね…納得した」
「ああ…これからは俺たちが守っていかなければ…な」
「そうだな、俺たちでなければ誰も守れないだろう」
俺とフィリックスは二人でシンを守り抜くと誓ったんだ。
「ところでな」
「なんだ?エリアス」
いきなり話を振った俺にフィリックスが目を丸くした。
「前世って覚えてるか?伝説の竜騎士は前世の記憶があるらしいんだが…」
「エリアスにはあるのか?」
フィリックスが逆に質問してきて、俺は頷いた。
「へえ、聞いてみたいな…只者ではなさそうだ」
興味深そうに頷いて笑顔で聞いてきたフィリックスに、俺は過去の話をした。
違う世界の、某国の警察官だった過去。仕事で殉職を遂げたこと。
目を丸くして聞いていたフィリックスの顔が真剣になっていく。そうだろう、軽い話ではないからな。
「そうか…つらい過去だったんだな…だけど、前世もすごい能力の人だったんだな、俺とは雲泥の差…」
「そういうフィリックスの話をききたいな」
「え、つまらんぞ…俺の話など。俺は先を言うと殺されたんだ」
俺は驚いた。そんな衝撃な…!
「俺も違う世界の者だったんだ。今でこそこんないかついが、そこそこに美しい男でな、生まれたときから髪も長くさせられて、身元も全てを偽って育てられた。どこかの怪しい組織の人間だったようだ」
「へえ…」
俺は興味が出てきた。フィリックスも数奇な過去がありそうだ。
「俺はその時にある重大事件に関わっていて、それをリークするというスパイ活動をしてたんだ。それをまた味方に流す二重スパイだ」
「敵を裏切るふりをして…か。お前なかなかやるな」
俺の相槌にフィリックスは照れたように笑った。
「だけど、俺はその時に関わっていた男がすこぶる気に入ってしまったんだ、組織などどうでもいいくらいにな。そいつは俺を守るという命を受けたボディーガードだった。真面目だけど気持ちのいい男で、俺は好きになってしまったんだ…」
「そうか…男が好きなのはそのときもだったんだな」
俺は茶化すように言ってしまった。二重スパイなど、並大抵ではできない、やはりこいつは大物だなと思う。
「そして俺は組織を裏切ることにしたんだ」
「へえ…じゃあ、恋人同士になったのか?」
「いや…」
フィリックスは言葉を濁した。
「俺が男だってことを知らないまま…俺は女と偽っていたし、事実、そう見えた。んで、そいつは殺されたんだ…、俺の目の前で」
「っ…!すまん…。それでお前はどうなったんだ?」
フィリックスはまた遠くを見て、目を伏せた。
「そいつが先に息絶えるのを見届けてから、俺も組織に殺されたから…生まれ変わったらまた会いたい、ケインとは、いつかまた会いたいって…約束したんだがな…」
俺は凍りついたように固まった。
ケイン…?
「ケイン…?」
「ああ、その男の名前はケインというんだ、それが何か?」
「俺の名前はケインだったんだが…麻薬の組織を追って、証人の女と住んでたんだ…女の名前はシェリルっていった…」
今度はフィリックスが目を剥いて凍りつく。二人とも、数秒見つめあって固まっていた。
まさか…!
「お、まえ…ケインか…!?」
「シェリル…なのか?」
沈黙。
「ぷっ…!」
二人とも吹き出した。
ゲラゲラ笑って、お互いの肩を持ち、パンパン叩きあって笑い転げた。
「お、まえ、今度はこんなイケメンになってたのかよエリアス!あはははは!」
「お前こそ、なんだそのいかついワイルドイケメン!!前と違いすぎだろフィリックス!!」
お互い淡い恋心をもちあっていたけれど、キスひとつできなかったことを思い出した。
「何の縁か!また会えてよかった。めちゃくちゃ嬉しいわーフィリックス!」
「俺もだエリアス。それもまたこんな近くで、同じ運命を背負えるなんて…」
「そうだな、同じ人を愛してるところも…」
「シンか…不思議と、エリアスに対してライバル心はなかったんだ、これで納得した」
「ん?」
俺はフィリックスを見た。
…まあ、わからないではない。この男と一緒ならきっとシンを守り抜ける気がした。
「一緒に…運命を生きられるな、それはそれで本望だ」
「ああ。願ったりだ」
俺はフィリックスと拳を合わせて、シンを守り抜くことを誓った。運命の糸はこんな形でフィリックスと繋がっていたなんて思いもよらなかったんだ。
シン、俺は目の前にいる可愛いシンの髪にちゅ、とキスを落とす。振り返ったシンの可愛いことといったら。
俺がこれからも守っていく。フィリックスと一緒に。
俺の馬、エンペラーくんはまた歩みを進めていった。
輝く日差しに、シンの細い肩や揺れる美しい青い髪がキラキラして目を細めてしまった。
シンがハーフドラゴンという話を聞いた俺とフィリックスはあれから話し合ったんだ。
フィリックスが伝説の竜騎士だという話にも驚いたが、オリオン号を見ればわかるし、フィリックスはあったときから只者ではないと踏んでいたから納得はできた。
なら、過去の記憶だってあるのだろうかと思い、聞いてみたんだ。
「フィリックスが伝説の竜騎士とは…驚かないけどびっくりした…」
「ふ、どっちなんだエリアス…力はお前に及ばないが、そのようだな…俺のオリオンは死んだと思っていたから、もう資格もないと決めてかかっていた。オリオンが生きている現実を思うと、それは有効だったようだ」
フィリックスが遠くを見ながら笑った。相変わらずいい男だ。惚れ惚れするような横顔に、気持ちのよい笑顔。初めて会ったときから好ましい俺の相棒。
「そうか…ならシンは何なんだという疑問が残ったが、ハーフドラゴンとはね…納得した」
「ああ…これからは俺たちが守っていかなければ…な」
「そうだな、俺たちでなければ誰も守れないだろう」
俺とフィリックスは二人でシンを守り抜くと誓ったんだ。
「ところでな」
「なんだ?エリアス」
いきなり話を振った俺にフィリックスが目を丸くした。
「前世って覚えてるか?伝説の竜騎士は前世の記憶があるらしいんだが…」
「エリアスにはあるのか?」
フィリックスが逆に質問してきて、俺は頷いた。
「へえ、聞いてみたいな…只者ではなさそうだ」
興味深そうに頷いて笑顔で聞いてきたフィリックスに、俺は過去の話をした。
違う世界の、某国の警察官だった過去。仕事で殉職を遂げたこと。
目を丸くして聞いていたフィリックスの顔が真剣になっていく。そうだろう、軽い話ではないからな。
「そうか…つらい過去だったんだな…だけど、前世もすごい能力の人だったんだな、俺とは雲泥の差…」
「そういうフィリックスの話をききたいな」
「え、つまらんぞ…俺の話など。俺は先を言うと殺されたんだ」
俺は驚いた。そんな衝撃な…!
「俺も違う世界の者だったんだ。今でこそこんないかついが、そこそこに美しい男でな、生まれたときから髪も長くさせられて、身元も全てを偽って育てられた。どこかの怪しい組織の人間だったようだ」
「へえ…」
俺は興味が出てきた。フィリックスも数奇な過去がありそうだ。
「俺はその時にある重大事件に関わっていて、それをリークするというスパイ活動をしてたんだ。それをまた味方に流す二重スパイだ」
「敵を裏切るふりをして…か。お前なかなかやるな」
俺の相槌にフィリックスは照れたように笑った。
「だけど、俺はその時に関わっていた男がすこぶる気に入ってしまったんだ、組織などどうでもいいくらいにな。そいつは俺を守るという命を受けたボディーガードだった。真面目だけど気持ちのいい男で、俺は好きになってしまったんだ…」
「そうか…男が好きなのはそのときもだったんだな」
俺は茶化すように言ってしまった。二重スパイなど、並大抵ではできない、やはりこいつは大物だなと思う。
「そして俺は組織を裏切ることにしたんだ」
「へえ…じゃあ、恋人同士になったのか?」
「いや…」
フィリックスは言葉を濁した。
「俺が男だってことを知らないまま…俺は女と偽っていたし、事実、そう見えた。んで、そいつは殺されたんだ…、俺の目の前で」
「っ…!すまん…。それでお前はどうなったんだ?」
フィリックスはまた遠くを見て、目を伏せた。
「そいつが先に息絶えるのを見届けてから、俺も組織に殺されたから…生まれ変わったらまた会いたい、ケインとは、いつかまた会いたいって…約束したんだがな…」
俺は凍りついたように固まった。
ケイン…?
「ケイン…?」
「ああ、その男の名前はケインというんだ、それが何か?」
「俺の名前はケインだったんだが…麻薬の組織を追って、証人の女と住んでたんだ…女の名前はシェリルっていった…」
今度はフィリックスが目を剥いて凍りつく。二人とも、数秒見つめあって固まっていた。
まさか…!
「お、まえ…ケインか…!?」
「シェリル…なのか?」
沈黙。
「ぷっ…!」
二人とも吹き出した。
ゲラゲラ笑って、お互いの肩を持ち、パンパン叩きあって笑い転げた。
「お、まえ、今度はこんなイケメンになってたのかよエリアス!あはははは!」
「お前こそ、なんだそのいかついワイルドイケメン!!前と違いすぎだろフィリックス!!」
お互い淡い恋心をもちあっていたけれど、キスひとつできなかったことを思い出した。
「何の縁か!また会えてよかった。めちゃくちゃ嬉しいわーフィリックス!」
「俺もだエリアス。それもまたこんな近くで、同じ運命を背負えるなんて…」
「そうだな、同じ人を愛してるところも…」
「シンか…不思議と、エリアスに対してライバル心はなかったんだ、これで納得した」
「ん?」
俺はフィリックスを見た。
…まあ、わからないではない。この男と一緒ならきっとシンを守り抜ける気がした。
「一緒に…運命を生きられるな、それはそれで本望だ」
「ああ。願ったりだ」
俺はフィリックスと拳を合わせて、シンを守り抜くことを誓った。運命の糸はこんな形でフィリックスと繋がっていたなんて思いもよらなかったんだ。
シン、俺は目の前にいる可愛いシンの髪にちゅ、とキスを落とす。振り返ったシンの可愛いことといったら。
俺がこれからも守っていく。フィリックスと一緒に。
俺の馬、エンペラーくんはまた歩みを進めていった。
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