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リアン

まさかの

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あの、その、お二人さん。

そのシチュエーション、どうなんだろう?
俺の心臓がバクバクしてきた。

俺は一週間ルークと夜を過ごしていない。そのあいだ、ずっとアイゼルがここに泊まっているはすだ。

そもそもアイゼルは親友、幼なじみとはルークからもアイゼルからも聞いていた。

えっ?えっ?結婚とか言ってたような。

この国は同性結婚に理解がある。俺の近所にも何組もいた。女性同士だってたくさんいる。子どもが授かる夫婦もいるそうだ。

もしかして、ルークとアイゼルが?

「そんなところに立ってないで、ここにおいでリアン。」

ルークが立ち尽くす俺を呼んだ。アイゼルが俺を見たけれど、真顔だったような気がする。
アイゼルは堂々と騎士の制服に着替え始めた。
引き締まった体に割れた腹筋。亜麻色の髪に整った端正な横顔。その恵まれた容姿は騎士中の騎士そのもの。羨ましい。俺はじっと魅入ってしまった。

ルークの逞しい腕にアイゼルが…?

まさか。

「…なんだ?リアン?」
「いえ…。」
「ジークフリートとはどうなった?練習を通して仲良くなれたか?」

シャツに袖を通しながらアイゼルが俺とジークフリートのことを尋ねる。

なんだって、ルークの前で他の人との仲良さを話させるの…?


俺はふと見つけてしまったのだ。

アイゼルの胸に赤い痣。

ルークは黙ってじっとアイゼルの着替える姿を見ていた。

「ジークフリートが、リアンともっと仲良くしたいと言っていた。剣術大会が終わっても仲良くしてやってくれ。相当リアンが気に入ったようだ。」

ふふ、とアイゼルが俺に微笑んだけれど、俺の心には相当な大嵐になっていた。

ルークとアイゼルが。信じられない。

なにそれ…。

そういえば、ルークは俺がはじめてとは思えない。
それはお互い様なんだけれど。

アイゼルなのか…?

俺の心の中でどんどん悲しみが込み上げてきた。

「ルーク…。」
「ん?」

「アイゼルと…?二人は愛し合ってるの…?」

ルークとアイゼルが凍りついたように固まった。






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