竜に拾われた少女。ほのぼのギルドのお世話になります。

あまおう

文字の大きさ
17 / 26

16 作戦です

しおりを挟む
「えーい!」

 素早く踏み込み、力一杯ナイフを横に振り切る。

 断末魔を上げる間もなく、ワイバーンの体が真ん中から一刀両断された。

「やったぁ!」

「見事だ……卵を回収して戻ろう……」

 ワイバーンの残骸を巣から退かして、卵を袋に詰める。
 卵が大き過ぎて、3つ詰めただけでもう一杯になった。

「んー、袋に入りきれないなぁ」

「ロアを納得させるなら、出来るだけ沢山の卵を集めたい所だ……」

「そうだね。持ちきれない分はどうしよう?」

「ぬぅ……オレが呑みこんで運ぼう……」

 そう言って、パパが卵を丸ごと飲み込み始めた。

 ……後でちゃんと吐き出せるのかな。

 卵の回収が終わって開けた場所に戻ると、2頭のワイバーンが機敏な動きで巣を駆け回っていた。

 何かを探す様に鼻を鳴らし、地面の匂いを嗅いでる。

「ワイバーンだ! 私達を探してるみたい」

「先手を打つには距離が離れすぎているな……リュカよ……攻撃魔法を使え……」

「攻撃魔法って?」

「飛ばれると厄介だ……この距離から先手で奴らを消滅させられる魔法を使うんだ……」

「そんな都合の良い魔法ってあるかなぁ? あ! ライトニングの魔法だね」

 無言で頷くパパ。

 敵を消滅させられて、尚且つ、遠距離から外さない攻撃魔法。

 ドラゴンの最上級魔法、ライトニングだ。

 ライトニングは雷を発生させる魔法で、攻撃魔法の中では最も速くて命中率も高い。

 発動とほぼ同時に敵を焼き尽くす、殺傷力の高い攻撃魔法だ。

「いっくよー! ライトニング!」

 手を伸ばして呪文を唱える。
 雷鳴が鳴り響き、ワイバーンに向かって稲妻が走った。

「リュカ……やり過ぎだ……」

 パパが横でポツリと呟く。それと同時にワイバーンに稲妻が炸裂し、洞窟の入口で大爆発が起きた。

 洞窟が大きく揺れ、衝撃が体を包む。

 ば! 爆発した!?

 洞窟の壁が崩れ落ちてく……どど、どうしよう! ライトニングの加減を間違えたせいだ!

 崩壊していく壁によって大量の砂煙が舞い上がり、巣にいたワイバーン達が驚いて飛び出してくる。

 その光景に唖然としていると、天井から眩しいくらい太陽の光りが差し込んできた。

 てて、天井が無くなってる!?

「洞窟が壊れそう!」

「でかしたぞリュカ……ワイバーンは光を嫌う……」

 ワイバーンの群れが、崩壊した巣穴から外へと飛び立っていく。

「天井が無くなって巣穴を放棄したんだろう……見事な作戦だぞリュカよ……」

「え!? 作戦……じゃないんだけど……」

 めちゃくちゃになっちゃったけど、ワイバーンは害獣ってロアくんも言ってたし……大丈夫だよね?
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

婚約破棄を目撃したら国家運営が破綻しました

ダイスケ
ファンタジー
「もう遅い」テンプレが流行っているので書いてみました。 王子の婚約破棄と醜聞を目撃した魔術師ビギナは王国から追放されてしまいます。 しかし王国首脳陣も本人も自覚はなかったのですが、彼女は王国の国家運営を左右する存在であったのです。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす

yukataka
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです

ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」 宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。 聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。 しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。 冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。

婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです

藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。 家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。 その“褒賞”として押しつけられたのは―― 魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。 けれど私は、絶望しなかった。 むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。 そして、予想外の出来事が起きる。 ――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。 「君をひとりで行かせるわけがない」 そう言って微笑む勇者レオン。 村を守るため剣を抜く騎士。 魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。 物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。 彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。 気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き―― いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。 もう、誰にも振り回されない。 ここが私の新しい居場所。 そして、隣には――かつての仲間たちがいる。 捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。 これは、そんな私の第二の人生の物語。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

処理中です...