竜に拾われた少女。ほのぼのギルドのお世話になります。

あまおう

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17 合格、そして宿です

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 ワイバーンが巣から離れて行くのを見送った後、空いた穴から飛行の魔法で脱出した。

 卵を渡してクエスト完了かと思いきや……ロアくんが顔を痙攣らせている。

「卵を奪いにいったのに、どうしてワイバーンの巣がなくなるんだよ……」

「ハハ……ご、ごめんなさい!」

 勢い余って巣を壊しちゃったけど、卵を渡せば納得してくれると思う。

「巣は崩れちゃったけど、ちゃんとワイバーンの卵は回収してきたよ!」

「ああ……ちゃんと手に入れてきた……ゲプッ……」

「何で口から卵が出てくるんだ!?」

 パパが卵を吐き出して地面に並べていく。

 回収した卵は、私が運んだ分とパパが呑みこんでいた分を合わせて結構な数だ。

 卵を拾い上げ、ロアくんの表情がやっと穏やかになった。
 
「ふぅ……実力を疑って悪かった。卵を奪うどころか、ワイバーン達を巣から追い払うなんて思いもしなかったよ。2人ともテストは合格だ!」

「やったぁ!」

「ふっ、当然だ……!」

 ロアくんが卵を処分しようとした所、突然、パパが孵化させて育てたいと言い出した。

 パパが言うには、ワイバーンは賢いし、赤ちゃんから育てればちゃんと懐くんだとか。

「それにしても、どうやって岩場を崩したんだ? ワイバーンの巣は強化されていて生半可な魔法じゃ崩せない筈だ」

「リュカがライトニングの魔法を使ったんだ……」

「嘘だろ!? リュカって最上級魔法が使えるのかよ……俺と年もそんなに変わらないだろ」

「最初にそう伝えただろう……オレが幼い頃から魔法を教え込んだからな……他にも全属性の最上級魔法が使えるぞ……」

「あれは冗談だと思ってたんだが……」

 得意げに話すパパ。

 確かに、最上級魔法は魔法の中でも1番規模の大きな魔法だね。
 でも、口から火を吹けるパパの方が凄いと思うけど。

 3人で崩壊した岩場を見上げていると、だんだんと当たりが暗くなってきた。

「もうすぐ夜になる……」

「今日はこのまま野宿になりそうだね」

 行くあてもなく気を落としていた私達を見て、ロアくんが提案をしてくれる。

「2人とも宿のあてがないならうちに来ていいよ。父さんにお願いしてやるよ」

 ……ギルドに入れてくれて、しかも宿まで用意してくれるなんて。ニンゲンって優しいなぁ。
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