西の迷宮の触手風俗! ~少年剣士サージュの棚ボタ英雄譚~

糺ノ杜 胡瓜堂

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第一話 「西の迷宮、ダンジョンの最下層」~ラスボスの宮殿~

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 「・・・・フウッ・・・なんとか、この「西の迷宮」の最下層まで来たけど・・・この扉の先は一体何があるんだろう・・・嫌な予感がするけど・・・もう、食料も水も無いんだ、進むしかないんだ・・・」

 ○○歳の少年サージュ・・・今回の遠征が初体験となる新米「賞金稼ぎ」サージュが巨大な扉の前に立ち尽くす。

 ・・・・そこに居るのはサージュ一人きりだ・・・仲間に裏切られ一人迷宮に閉じ込められた愚かな驢馬ドンキー

 ・・・おとり要員・・・・。

 ほとんど気休めにしかならないような安物の革の鎧と、私設討伐隊プライベート・パーティのリーダー、バロッツァからお情けで「売って」もらった所々刃こぼれしているナマクラ剣・・・戦死した仲間のものだという・・・を腰に下げて、疲労困憊した少年が迷宮の最奥の巨大な石の扉の前で思案する。

 ・・・・扉を開けたら、またさっきみたいに怪物がワラワラ出てきたら・・・イヤだな・・・デビルクローチ・・・アレだけはカンベン!キモチ悪いしっ・・・

 デビルクローチ・・・魔界からゲートを通ってこちらの世界にやってきた怪物の一つで、全長50ルリーブもある巨大なゴキブリのような姿の不気味な生物・・・それが、この迷宮にはウヨウヨといるのだ。

 元は、ラーヴァ王国の宮殿だったという「西の迷宮」は、魔族の手によって無軌道に拡張され、今や恐ろしいほど巨大な迷宮ラビリンスと化している。

 ヒト族の建築物を真似て、魔族がその魔力で増築に増築を重ねたイビツなダンジョン・・・蟻塚の内部にいるような荒い構造の通路に、まるで血管のような、真っ赤なつたのような植物がビッシリと生い茂り、迷宮の内部は人間の胎内を思わせる。

 ・・・・それらも魔界からきた、本来エルトリア大陸には存在しない植物である。

 迷宮には、ヒト族が「蝙蝠蜘蛛」と名付けた、天井に逆さにぶら下がってじっと獲物を待ち、下を獲物が通りかかるといきなり飛びかかって生き血を吸う不気味な怪物や、シュナーケと呼ばれているヌメヌメした、ヒトの身長ほどもある巨大なナメクジに似たバケモノがウヨウヨしている。

 「・・・・迷ってても仕方ない!ここでじっとしてても餓死するだけなんだ!」

 サージュは、自分に言い聞かせるように声に出して、自らを励まし、気味の悪い血管のような真っ赤な蔦がビッシリと張り付いてる石の扉をゆっくりと押してゆく。


 ・・・・ゴリッ・・・ゴリッ・・・ゴッ、ゴゴゴゴ・・・・重い感触。

 やっとのことで自分の身体が抜けられるほと扉を開くと、サージュは一瞬扉の影に身を隠す・・・魔物の奇襲を避けるためだ。

 ・・・何も起こらない・・・高等魔族が使う魔炎も飛んでこなければ、デビルクローチの襲撃もない。
 サージュは、恐る恐る扉の影から身を乗り出して、その先を覗いてみる!

 ・・・・彼がそこで見たものは、信じられない光景だった・・・・。


 ヌヂュッ・・・ヌチャッ・・・ヌルッ・・・・

・・・不気味に蠢く数万の触手!・・・触手の海!

 扉の向こうは、元は王宮の大広間だったらしい・・・天井の高い広大な空間!豪華な装飾!
 そこには赤黒い、ヌラヌラとした巨大なミミズのようにも見える触手が満ち溢れてのたうち回っていたのだ・・・。
 
 赤黒い粘膜をむき出しにして、ウネウネと蠢いている触手・・・背筋がゾワゾワするほどの不気味な光景。
 高い天井も壁も柱も、床も触手で埋まり、まるで人間の胎内にでもいるような錯覚に陥る。

 ・・・・赤黒い触手が粘液を垂らしながら波打っている大広間は、生まれたての赤ん坊のような・・・内臓のような匂いが充満している・・・・「生命の匂い」と言ってもいいかもしれない。

 「・・・こ、これは・・・・」

 サージュは思わず立ち尽くす。

 広間の奥には、無数の触手が絡まり小高い小山のようになった部分が幾つも点在している・・・20はあるだろうか・・・人の身長よりも高い触手の集合体だ。

 ・・・ヌチュッ・・・ヌチュッ・・・

 ・・・・大広間の床から、まるで草原のように頭をもたげてウネウネと動いていた数千本の長い触手が、空気の動きを感じたためであろう、サッ・・と引っ込むと、その小高い触手の塊も、触発されて粘っこい音を立ててヌルヌルと崩れ落ちる。

・・・・・そこから出現したものは、サージュが想像だにしなかったものだった!


 ・・・・素っ裸の女性!・・・・それも美しい女性ばかりが一糸纏わぬ姿で、触手の中に埋没しているのだ・・・。

 両手と両足を触手の中に埋没したまま、死んだように目を閉じている美しい女性達。

 ヒト族の女性もいれば、見事な金髪と抜けるように美しい肌のエルフの女性もいる、ヒト族とは近種の獣人、レーヴェ族の少女もいる・・・・年齢も30代半ばくらいから10代まで様々だ・・・その数は20人はいるだろうか。

 触手の塊の中から現れた全裸の女性達・・・・共通しているのは皆が一糸纏わぬ姿で、手足を触手に絡め取られ、まるではりつけにされたように触手の中に埋没していることだ。

 乳房や、色とりどりの陰毛に覆われた股間も丸出しになっている・・・。

 「・・・・こっ、これはっ・・・一体?」

 眩しいほど妖艶な女体の美・・・それとは対象的な不気味な触手達・・・。

 サージュの目を引いたのは、丁度大広間の中央辺りの一番小高い触手の山から出現したエルフの女性であった。

 ヒト族よりも乳房やヒップが発達した素晴らしいプロポーション、流れるような長い金髪を綺麗に編んだ髪型、長く尖った耳・・・・そして、彼が驚いたのは、その股間から長くて赤黒い男性のペ〇スに似た器官が、ピーン!と硬直して、天井に向かって反り返っていることだ。

 ・・・・エルフの中でも特にお目にかかることが少ない、両性具有のウーラフォス族のエルフである!
 サージュは、その珍しい両性具有のウーラフォス族のエルフを見たのは生まれて初めてだった。
 ましてや、その股間の、ヒト族の男性のペ〇スように立派な器官・・・これは「牝茎ひんけい」と呼ばれるものだ・・・それを目の当たりにしたのも当然、初めてである。

 ・・・・長さ20ルリーブはありそうな、真っ赤な「牝茎ひんけい」・・・メスのペ〇スが、カチカチに硬直して美しいエルフの股間からそそり勃っているのである!
 ヒト族のそれと違い、包皮は無く、根本からピンク色の粘膜がむき出しになった、先端が尖ったそれは、犬などの動物のペ〇スを彷彿とさせる。


 魔物との戦闘経験がゼロのサージュは、迂闊にもフラフラとその触手で溢れている大広間へと足を踏み入れる・・・・それは致命的なミスであった。

 ニヌュルルルルッ・・・・ピシュウウッ!

 彼の足元のピクリともしなかった肉のムチのような触手が一斉に、まるで蛇のように頭をもたげ、サージュの脚に絡みついてきたのだ!

 「うわあああっ!」

 突然の攻撃・・・・それも、気味の悪い触手にいきなり纏わりつかれ、サージュは焦りのために、鞘を払った弾みにナマクラ剣を取り落とす!

 「・・・ああっ、剣がっ・・・・」

 シュルルルッ・・・・ピチュウッ・・・シュルッ・・・

 足元の無数の触手が、サージュの足元に絡みつく!!

 「・・・し、しまった!捕まった!・・・ぼ、僕もここで死ぬのかなっ・・・ああ、親父の言いつけを聞いていれば・・・・」

 サージュは恐怖と絶望の中で、父親の頑固な顔を思い浮かべていた・・・。


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