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第二十五話 メス蜂の夜這い!一番くじに踊る柔肉 ~驚きと戸惑いの再会~
しおりを挟む幸介は思わず振り返り、自分の背中にかかっている菊の手を握る!
「・・・き、菊さんっ!・・・僕は・・・」
「・・・ごっ、ごめんなさいっ・・・それでは私はこれでっ、お布団を敷いておきますねっ!」
菊はハッとして幸介に握られた手を慌てて引っ込めると、逃げるように湯殿から飛び出していった。
一人取り残された幸介は、またもや彼女の考えていることが理解できなくなっていた。
菊は、主人である志津の命令で自分と肉体関係を結んだことを後悔している様子はなかった。
・・・まるで意思のない人形のように・・・女王蜂の為に全てを投げ出す働き蜂のように。
それが当然の事のように主人の言葉に従い、幸介がこの村の「オス蜂」としてふさわしいか「試験」をしたのである。
・・・むしろ彼女は、それが自分の当然の任務のように思っているようであった。
そうして、長年にわたって他所から「オス蜂」を迎えて子を作り、村を存続させてきたこの村の女達の連帯感・・・帰属意識とでも言うのだろうか。
そのような因習とでも言うべきものは、逆に都会育ちの幸介には理解出来ない価値観なのかもしれない。
ただ彼は、自分が言葉を遮った彼女の最後の言葉だけが気がかりだった・・・。
『・・・それに私、幸介さんのことをっ・・・』
彼女はその後なんと続けようとしたのだろうか?・・・彼は自分の性急な行動を悔やんだ。
幸介が自室に戻ると既に布団は敷き終わり、菊が襖の隅にちょこんと座って控えていた。
菊は幸介が部屋に入ってくると、頭を下げて入れ替わるようにそそくさと退出しようとする。
「・・・それでは幸介さん、おやすみなさいまし・・・」
「・・・あっ、菊さんっ、ちょっと・・・」
幸介の頭の中に彼女に聞きたい事が次から次へと溢れてくる。
しかし逃げるように部屋を出る菊に幸介はそれ以上何も言えず、彼女が静かに襖を閉めて下がるのを見守る事しか出来なかった。
一人になった幸介が今夜もなかなか寝付かれず、布団の中でソワソワと何度も寝返りを打っていると、柱時計の針が午後の十一時時を示す頃、昨晩のようにサラリと小さな音を立てて部屋の襖が開かれる。
・・・志津の言っていた、村の女達による「夜這い」に間違いない!
「夜這い」と言えば、通常は男が女の部屋に忍び込むものだが、面白い事にこの村ではまっきり正反対だ。
都会育ちの幸介は夜這いなどしたこともなければ、当然のことながら「される」側の作法など知る由もない・・・。
彼は言葉を発するにしても、どんな言葉をかけていいのかまるで分らず、畳の上をすり寄ってくる女の気配を感じて狸寝入りを決め込むしかなかった。
「・・・・小田切さんっ・・・小田切さんっ?起きてるのっ?」
ちょっとウキウキとした弾んだ感じで、自分の寝ている布団にすがりついてきた人影が発したその声・・・それはどこかで聞き覚えのある声だった。
無論女の声だが、年増女にしては張りのある若々しい声・・・・しかし、以前聞いた記憶があるその声とは少し違った、どこか甘く潤んだ声である。
・・・え、ええっと・・・夜這いをされた時って・・・なんて返事をすればいいものかな・・・
幸介が布団の中であれこれ考えていると、痺れを切らしたように帯を解くような音と共に、スルスルと着物を脱ぐ衣擦れの音が聞こえてくる。
・・・女が着物を脱いでいるのである。
「・・・もうっ、小田切さあんっ、起きているんでしょう?女を焦らすなんて・・・・本当にイジワルなヒトねえっ!」
女は拗ねたような、甘えるような声を出して乱暴に布団をめくり上げると、いきなり幸介の首に抱き着いてきた。
肌に感じる熱い女の肌の感触、素っ裸の女!・・・大きな柔らかい乳房が彼の胸元に押し付けられる。
「わあっ、ああ・・・あっ、貴女はっ?」
幸介は少々わざとらしいとは思ったが仕方がない・・・たった今目を覚ましたように大袈裟に驚いてみせると、彼の首根っこに抱き着いてきた女は笑いながら答える。
「ウフフッ、誰でしょうねぇ?・・・って、イヤだわぁ!」
・・・ほんのりと甘いオンナの香りが鼻腔をくすぐると、彼のペ〇スは節操なくググッと持ち上がってくる。
彼の牡の部分は彼女が何をしに来たのか良く理解しているのだ。
「覚えてるっ?・・・アタシっ、アタシよおっ、小田切さあんっ!」
そう言われても、声には確かに聞き覚えがあるのだが、幸介にはどうしてもその声の主が思い出せなかった。
なにせ、窓から差し込む月明りだけが唯一の光源で、自分に纏わりついている女の顔も良く判らないのだ。
ただ、彼女が年増女・・・おそらくは三十代であろうことはその声で想像がつく。
「え・・・ええと、スミマセンっ・・・」
そうしているうちにも女はすっかり布団をはね除け、幸介の身体に抱き着いて彼の帯も解いてしまい、あっと言う間に寝巻を脱がせてしまう。
幸介は寝巻を脱がされながら目を凝らし、月明りで透かして女の顔を覗き込んでみた。
・・・色白の愛らしい丸顔には見覚えがあった。
彼女は、幸介がこの村に初めて足を踏み入れた時、一番最初に声をかけた農家の主婦、中原照子だった!
「・・・あっ、あなたはっ?・・・ええと、たしか中原さん?」
「ウフフッ、ありがとうっ、憶えていてくれたのね!まさか、この村に来て最初に私に声をかけてくれた貴方が「オス蜂」で、私が大当たりの一番くじを引き当てたなんて!・・・これも何かの縁かもしれないわねぇ!」
編み笠を被り、田んぼで草取りをしていたあの時の農婦との奇妙な再会!
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