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第三十七話 オス蜂の逡巡「よそ者」と「村の男」 ~幸介の揺れる心と村の呪い~
しおりを挟む幸介が役場の官員としてこの目名来村・・・いや「女泣村」に住むようになってからニか月余りが過ぎた。
役場の仕事は相変わらず楽で、優秀で要領の良い幸介には暇を持て余すほどだったが、彼にはもう一つの重要な仕事・・・村の女達に「種」を与える「オス蜂」としての役目は多忙だった。
・・・いや、むしろ彼がこの「女泣村」に招かれたのは、むしろそちらの方が真の目的だったのである。
くじ引きで決めた順番で、夜毎彼の寝室に「夜這い」にやって来る村の女達!
既に女達の順番は一巡したらしく、蜂ヶ谷家の当主・志津や、この村に来た時に最初に声をかけ親しくなった農婦、照子とも二度目の夜を迎える。
彼女たちは年齢も立場も様々だったが、一様に幸介との再会を喜び、甘い声で交尾をねだるのだった。
「ねえっ、幸介さん、どうされたの?・・・・・ボーッとしちゃって・・・何か考え事?」
布団の上に仰向けに寝転がり、煙草をくゆらせながら天井をみつめている幸介の汗の滲んだ胸板に、大きな乳房を押し付け甘えながら照子が悪戯っぽく彼の顔を見つめる。
・・・彼女とは三度の激しい交合を終え、全て膣内射精で彼女の膣奥に熱い子種を注ぎ込んだ「宴の後」だ。
素っ裸で重なったまま甘える照子の柔らかで熱い肌の感触を感じながら、幸介は黙ったままだ。
「幸介さんったらぁ・・・黙りこくってないで何か話してちょうだい・・・」
焦れた照子が彼の肌を撫でながら拗ねると、幸介はやっと口を開く。
「・・・えっ、あ、ああ、スミマセン・・・どうも最近、どこか考えがまとまらなくてボーッとする時があるんですよ・・・」
「ウフフッ、幸介さん、きっとお疲れなのよ!・・・だってほとんど毎晩こうして・・・たまには休んだ方がいいわ!この村にとっては幸介さんはとっても大事な方ですからね、菊さんにも話しておくわ」
「・・・ねえ、照子さん?」
幸介は、最近頭の中に引っかかっていたある疑問を照子にぶつける。
「ええ?なにかしら?」
「・・・僕の前にもこの村に来た若い男性がいるって・・・そう聞きましたが・・・」
「えっ?・・・ええ・・・三年前だったかしらねぇ・・・」
「照子さん?・・・その人は・・・どうされたんでしょう?役場の任期を終えて故郷に帰ったんですかね?」
「・・・えっ・・・」
照子は一瞬、戸惑ったような目をしたあと、幸介に笑いかける。
「ウフフッ、そんな事考えていらしたの?・・・ええ、そのとおりよ!無事大役を果たして故郷に帰られたわ・・・結局、その方の種でこの村が授かった赤ん坊は男の子二人で、その内一人は生後間もなく・・・それでも、村にとっては久々の赤ん坊だったわ」
「そうですか・・・故郷に帰ったんですね、いや僕は村の「呪い」の事を考えていたんです」
「・・・呪い・・・あの伝説ね?」
「ええそうです、この村は男にとっては「鬼門」の村・・・現に村長さんも、僕の先輩の西村さんも体のどこかに病いを抱えて、子供もいないという話です」
「・・・・ええ、でも幸介さんは・・・」
「それは知っています「呪い」は村の外から来た男には降りかからない、だから村を存続させる為に僕のように他所から男を招き入れる、そうですよね?・・・でも、僕がずっとこの村に住み着いて「村の男」になったら?その時はどうなるんでしょう?」
「え、ええと・・・そ、それは・・・」
「やっぱり呪いを受けて病気になったり子供が作れなくなるんでしょうか?」
「・・・ど、どうなのかしら・・・私にはわからないわ・・・幸介さん、この村にずっと住むおつもりなの?」
照子はちょっと真面目な顔になり、探りを入れるように彼の目を伺う。
「いえ、今のところそれは・・・役場の官員の契約は二年ですから・・・でも、ここで本当に好きな人と出会えたらその時は・・・」
「幸介さん?それはやめた方がいいわ!」
いつもにこやかな照子がいつになく真面目な顔をしたので、幸介はちょっと驚いた。
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