【短編エッセイ】 紙魚の海

糺ノ杜 胡瓜堂

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第四十九話 「針医」 (艶笑小噺)

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 今歳花時 武子編 安永二(1773)年刊


 「針医」より

 「お医者様、これは夜分ご苦労様でございます、早速娘を診てやってくだされ」

 夜中に娘が急にさしこみの発作を起こし、親父が痛がる娘の胸元をギュッと押さえつけている。

 医者がはりを二、三本打つと娘の痛みもかなり収まった様子。

 針を口に咥えた医者が、娘の腹を撫でて臍の下まで手を遣ると、なにやらサワサワと産毛のような感触。

 急にムラムラとしてよからぬ事を考えた助平医者、布団の中でそっと娘の手を握ると娘は黙っている。

 シメシメ・・・・と味をしめた医者が、しゃちほこのように突っ張った自分のイチモツを握らせると、それでも娘は黙って握っている。

 親父が側で娘の腹を押さえているので、どうにかして邪魔な親父を遠ざけたいものだ・・・・と「謀反」の企て、

 「これこれ親父どの、もう娘の腹は抑えなくてよいぞ、私が薬を飲ませるので白湯を沸かしてきてくだされ・・・・ああ白湯はな、急に煮立たせたのではマズい、なるべくゆっくりと気長に沸かした白湯でないといかんぞ」

 「かしこまりました」

父親は返事はしたものの立ち上がろうとしない。

「どうなされた?・・・はやく白湯を沸かしに行ってくだされ」

 「・・・・・・はい、それでこの握ったモノはどういたしましょう?」


 自分のナニを握らせたのが、娘の手だと思ったら親父の手だったというオチ。
・・・・しょ、しょうもなさ過ぎる!

 でも、嫌いじゃない、こういう艶笑小噺(笑)
 
 


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