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本編
Aクラス筆頭二人
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どっ、と試験を見ていた者たちから歓声が上がる。
ステージでは舞原vs西園寺というAクラスを代表する筆頭二人の対決が実現し、ハイレベルな戦いが繰り広げられていた。
舞原は禍々しいオーラを放つ槍を巧みに操り、一方西園寺は人間の領域を軽く超えた脅威の身体能力で激しい攻防が続く。
西園寺は軽くフェイントを織り交ぜ、本命となる一撃を繰り出す。が、それを読み切った舞原が槍の柄の部分で受け流すと反撃に出る。
そのまま刺突させるようにやりを突き出すと、それを見た西園寺はすぐさま回避行動。しかし、米原はそこからもう一歩前に踏み込み、槍を反転させる。ダメージにはならないが柄で西園寺のガードを殴打するように攻撃する。ひるまずに回避しきった西園寺は一度舞原と距離を取ろうと後ろへ飛ぶが、同じ舞原も後ろへ飛ぶとその間に手に持っていた槍を投擲した。
砂煙が巻き起こり、だが、それを突っ切るように飛びかかってきた西園寺の拳が頬を掠った。
一進一退の攻防。ほぼ互角といえるこの勝負。さらに激しさを増していく。
「得体の知れない能力だな。全くもって想像がつかない」
「一方で貴方の能力は実に単純よね。攻撃方法が限定されているなんて、可哀想ね」
「単純なのは確か、だが、その単純な動きでもここまで上り詰められたことは事実だ。現にその奇妙な能力に対抗できている」
「それは飛躍させすぎじゃない? まだ、同じような攻防を繰り返しているだけに見えるけど」
「逆に言えば、その方法でしか俺への対策が無いとも言える」
「だったら試してみる?」
舞原は挑発するがごとく笑みを浮かべる。
「応用のきかないある意味不自由とも言えるその能力でどこまでついてこれるのか」
「それへの答えは決まっている。"どこまでも”だ。貴様の能力による威力などたかが知れてる」
それが再選の合図だった。対峙していたは二人互いに動く。
先ほどとは比べ物にならない速度で舞原に接近する西園寺に対し、
「遠距離からの行動方法がないのは残念ね」
後ろに下がるように跳躍する、と同時に先程投擲した槍より一回り小さい槍を複数出現させ、一斉に西園寺へと向かっていく。
まだ終わらない、と言うがのごとく、砂煙が舞う場所の周りに総数百以上にも及ぶ剣を顕現させると、一斉にその場を突き刺した。
しかし、それでもなお止まらない西園寺は血だらけになりながらも、舞原のもとへ疾駆する。
まさか突破されるとは思っていなかった舞原は一瞬、回避行動が遅れる。ほぼ会心の威力で当たる拳に観戦していた者たち全員が息をのんだ。
しかし、そのような結末は訪れなかった。
舞原の目の前にあったのは魔法陣。ミサによる、より強固になった防御魔法が西園寺の拳を防いでいた。
思わぬ横やりに一瞬、驚いた表情を見せるがすぐに舞原から距離をとることを余儀なくされる。
完全に死角から放たれたハイキック。だが、ほぼ超人ともいえるような反射行動とそれを可能とする身体能力でギリギリであるものの交わして見せる。
「それをよけるかね。とんだデタラメな能力だ……」
通常であれば当たるのは確実ともいえる攻撃をよけた、その"通常”に当てはまらない西園寺 に、いや西園寺の能力に悔しそうに零はぼやいた。
西園寺を舞原に足止めしてもらっている間にほかのメンバーをミサとともに片付けた俺たちは、舞原と西園寺に割ってはいるように横やりを入れてみたが、攻撃は当たらず。
不意打ちに対応されたのはさすがに驚いた。完全に死角からの攻撃を仕掛けたつもりだったのだが。
不意打ちが効果を示さないとなると、やはり数で押すしかない、か。
「流石にAクラス筆頭といえども多勢に無勢は厳しいんじゃないかしら」
「こんなにも苦しい戦いというのは、初めてだな……。かなりのタレントがそれっているチームだ」
Aクラス筆頭の一人、学校最硬の能力者、無能力者きっての実力者。中々に高い実力を備えるタレントをそろえてきたな、とぼやく。
だが、負けるつもりなど毛頭ないという風に立ち上がる。
「こんな優れた者たちと戦うならば、全力で挑まなければ失礼だな」
そんなことをつぶやいた瞬間、俺たちの警戒は最大レベルまで一気に引きあがった。
いやでもわかる、強烈な殺気。俺でも気を抜けば殺されると疑うほどの圧力に、負けじと視線はそらさずにいた。だが、その刹那。
耳元を風が掠めた。
「は?」
まるで瞬間移動でもしたかのように、忽然と目の前から消えた西園寺に素っ頓狂な声を漏らすのも束の間。
俺の本能が思考を通り越し、反射の速度で身体を動かす。
地を蹴って、前進。更に振り向きざまに腕をクロスにしてガードを作り、わけもわからない攻撃を防ぐ。
「ちぃ……!!!」
防いだとしても腕を通じて全身に伝わってきた振動するような強烈な衝撃に思わず舌打ちをして、受け身をとる。そして、状況理解のために辺りを見渡した。
だが、視界に飛び込んできたのは衝撃的な光景。
ランプが二つ点灯した腕時計をつけた舞原とミサ。そして、悠然と立つ、西園寺の姿だった……。
ステージでは舞原vs西園寺というAクラスを代表する筆頭二人の対決が実現し、ハイレベルな戦いが繰り広げられていた。
舞原は禍々しいオーラを放つ槍を巧みに操り、一方西園寺は人間の領域を軽く超えた脅威の身体能力で激しい攻防が続く。
西園寺は軽くフェイントを織り交ぜ、本命となる一撃を繰り出す。が、それを読み切った舞原が槍の柄の部分で受け流すと反撃に出る。
そのまま刺突させるようにやりを突き出すと、それを見た西園寺はすぐさま回避行動。しかし、米原はそこからもう一歩前に踏み込み、槍を反転させる。ダメージにはならないが柄で西園寺のガードを殴打するように攻撃する。ひるまずに回避しきった西園寺は一度舞原と距離を取ろうと後ろへ飛ぶが、同じ舞原も後ろへ飛ぶとその間に手に持っていた槍を投擲した。
砂煙が巻き起こり、だが、それを突っ切るように飛びかかってきた西園寺の拳が頬を掠った。
一進一退の攻防。ほぼ互角といえるこの勝負。さらに激しさを増していく。
「得体の知れない能力だな。全くもって想像がつかない」
「一方で貴方の能力は実に単純よね。攻撃方法が限定されているなんて、可哀想ね」
「単純なのは確か、だが、その単純な動きでもここまで上り詰められたことは事実だ。現にその奇妙な能力に対抗できている」
「それは飛躍させすぎじゃない? まだ、同じような攻防を繰り返しているだけに見えるけど」
「逆に言えば、その方法でしか俺への対策が無いとも言える」
「だったら試してみる?」
舞原は挑発するがごとく笑みを浮かべる。
「応用のきかないある意味不自由とも言えるその能力でどこまでついてこれるのか」
「それへの答えは決まっている。"どこまでも”だ。貴様の能力による威力などたかが知れてる」
それが再選の合図だった。対峙していたは二人互いに動く。
先ほどとは比べ物にならない速度で舞原に接近する西園寺に対し、
「遠距離からの行動方法がないのは残念ね」
後ろに下がるように跳躍する、と同時に先程投擲した槍より一回り小さい槍を複数出現させ、一斉に西園寺へと向かっていく。
まだ終わらない、と言うがのごとく、砂煙が舞う場所の周りに総数百以上にも及ぶ剣を顕現させると、一斉にその場を突き刺した。
しかし、それでもなお止まらない西園寺は血だらけになりながらも、舞原のもとへ疾駆する。
まさか突破されるとは思っていなかった舞原は一瞬、回避行動が遅れる。ほぼ会心の威力で当たる拳に観戦していた者たち全員が息をのんだ。
しかし、そのような結末は訪れなかった。
舞原の目の前にあったのは魔法陣。ミサによる、より強固になった防御魔法が西園寺の拳を防いでいた。
思わぬ横やりに一瞬、驚いた表情を見せるがすぐに舞原から距離をとることを余儀なくされる。
完全に死角から放たれたハイキック。だが、ほぼ超人ともいえるような反射行動とそれを可能とする身体能力でギリギリであるものの交わして見せる。
「それをよけるかね。とんだデタラメな能力だ……」
通常であれば当たるのは確実ともいえる攻撃をよけた、その"通常”に当てはまらない西園寺 に、いや西園寺の能力に悔しそうに零はぼやいた。
西園寺を舞原に足止めしてもらっている間にほかのメンバーをミサとともに片付けた俺たちは、舞原と西園寺に割ってはいるように横やりを入れてみたが、攻撃は当たらず。
不意打ちに対応されたのはさすがに驚いた。完全に死角からの攻撃を仕掛けたつもりだったのだが。
不意打ちが効果を示さないとなると、やはり数で押すしかない、か。
「流石にAクラス筆頭といえども多勢に無勢は厳しいんじゃないかしら」
「こんなにも苦しい戦いというのは、初めてだな……。かなりのタレントがそれっているチームだ」
Aクラス筆頭の一人、学校最硬の能力者、無能力者きっての実力者。中々に高い実力を備えるタレントをそろえてきたな、とぼやく。
だが、負けるつもりなど毛頭ないという風に立ち上がる。
「こんな優れた者たちと戦うならば、全力で挑まなければ失礼だな」
そんなことをつぶやいた瞬間、俺たちの警戒は最大レベルまで一気に引きあがった。
いやでもわかる、強烈な殺気。俺でも気を抜けば殺されると疑うほどの圧力に、負けじと視線はそらさずにいた。だが、その刹那。
耳元を風が掠めた。
「は?」
まるで瞬間移動でもしたかのように、忽然と目の前から消えた西園寺に素っ頓狂な声を漏らすのも束の間。
俺の本能が思考を通り越し、反射の速度で身体を動かす。
地を蹴って、前進。更に振り向きざまに腕をクロスにしてガードを作り、わけもわからない攻撃を防ぐ。
「ちぃ……!!!」
防いだとしても腕を通じて全身に伝わってきた振動するような強烈な衝撃に思わず舌打ちをして、受け身をとる。そして、状況理解のために辺りを見渡した。
だが、視界に飛び込んできたのは衝撃的な光景。
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