ぐだぐだ高天ヶ原学園

キウサギ

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本編です?

寮長.田中美月

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緊張の走る部屋をガラス越しに眺めながら、淡島がクリームパイを食べていた。
なめらかなクリームの表面はブリュレのように砂糖が焦がしてあって、その上にドーム状にパイ生地が組み立ててある。
スプーンを突き立てるたびにサクサクと音がしてとても美味しそうだ。
振りかけられた粉糖が淡島の服の胸元に付いてしまっていて、格好いいイメージが台無しになっている。

そんな淡島の机を挟んだ反対で、怜とシェールが言った。

「そんな目でみても落ちてしまった粉糖は食べられないですよ。」と。

先輩は

「怜ちゃんや、三秒ルールを知っておるかね?」と言う。

「先輩、ダメなものはダメです。それに、もう三秒たってますから。」あきれた顔の怜。



馬鹿らしい話を繰り広げる三人を横目でみて呆れていた人のことを言えないくらい馬鹿な雪業は、バカじゃねぇのと言う言葉を飲み込んで、

「あっちもこっちも曲者ばっかりだな。」

と呟いて、隣の部屋に視線を投げた。


赤い炎を纏った少女が鬼ババアに胸ぐらを掴まれていて、その後ろには失禁した上に気絶した白い塊が倒れている。
そんなシチュエーション今時小説でも見ない。


「淡島、寮長が何て言ってるか読唇できるか?菓子ばっか食ってないで手伝えよ、俺は読唇苦手なんだよ。」と雪業は淡島に話し掛ける。

「さあ、叫んでいるからよくわからんが、迂生達が怪我するのを心配していたようだな。」
とそつなく淡島は返事する。
「なるほど……、まあ、あの人大好きだもんな寮生のこと。いらねぇって言ってんのに菓子くれるしな。」
「それは何か違う気がするが、あれだな、いつものヤブ医者の代わりに来た奴は使えないな。」と白い塊をスプーンで指し、くるくる回す。

「いや、あの反応が普通だろ。いつもの奴が極端にメンタル強いだけで。てか、なんであいつ来てないんだ?」と疑問が尽きない雪業。
「知らん。」とバッサリ切り捨てられたので、なんだこいつと言う目で淡島をみた。


くだらない会話を繰り広げているうちに、鬼ババア、もとい寮長がバタンと扉を開けて入り、凄い勢いでお菓子を食べ始めた。
玉梓の班員がよく目にするこの光景は寮長のエネルギー補給(自称)らしい。体内を一定に保つために必要なのだといつも弁解している。

本当に必要なのかは誰にもわからない。






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