親友は砂漠の果ての魔人

瑞樹

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ムー大陸編

11赤色人との遭遇1

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 その晚もギターを弾き、すき焼き(生卵つき)に白米という豪華な夕飯にありつき、シェルターで眠ることができた。

 翌朝、目が覚めると昨日と同じようにシェルターは消え、道の端で寝袋にくるまっていた。
「朝食はどうする? 昨日と同じでいいかって訊いてるけど」
「朝はコーヒーだけにして、少し歩いてから早めの昼食がいいね」
「分かった、コーヒーくらいは只で出してくれるそうだ」
 神谷にとってギター演奏は仕事の一つだ、そのくらいはどうということもないのだが、ここは邪神のサービス精神に甘えることにする。

 目の前にトレイに乗せられたコーヒーとミルクが入ったカップが現れた。コーヒーに砂糖を入れない神谷の好みくらい承知しているらしい。
 カップに口をつけると温度も少しぬるめの神谷好みだ。

 目の前ではアルハザードが赤い液体の入ったグラスに口をつけている。
「君は何を飲んでいるんだい」
「砂漠でももっとも貴重な物、水だよ、ミネラルウォーターさ、但し、ガラガラ蛇の生き血が入ってるけどね」

 ニヤリと笑ったアルハザードの歯が赤く染まっていた。
「唯の水じゃあ飲んだ気がしないんだよ。昔の砂漠の果ての都市に捨てられた時に栄養を摂るための手段だったんだ。未だにたまに飲みたくなる」

 とても摂りたくない栄養源だ。
「僕だって好きで摂ってる訳じゃないよ」
 再びアルハザードがクスリと笑った。

 コーヒーを飲み終わり、二人並んで歩いていると、前方から昨日と同じ形をした車が走ってきた。但し、色は昨日の物とは違い、オレンジ色に近い赤だった。
 車が音もなく 二人の脇に止まり、ドアが開いた。中から降りて来たのは、体型は昨日の女性と同じくらいだが、車と同じの肌、髪の色、やはり体にピッタリとしたナイロン製のような服も同じ色だった。

「こんな所で人に会うなんて驚いたわ」
 昨日と女性と同じように言った。
「あなた達は何処から着たのかしら」

 昨日の女性とは違い、頭の先から飛び出るような高い声だ。
「海を越えて来たんだよ」
 アルハザードがやはり昨日と同じように答えた。

「海のむこうに人が住んでいるの、驚きね」
 この島の住民は一様に世界がこの島だけでできていると思っているらしい。そして好奇心が強いという共通点もあるようだ。
「この島の住民は肌の色によって持ち物の色も決まってるようだね」
「ああ、そうみたいだね。あの空に浮かんでいる気球も同じみたいだよ」

 空に浮かんでいる気球を良く見ると、白、赤、青、黄、金色の五種類の色に分かれていた。ということは、この島には其々の肌の色の住人がいるということなのだろう。
「あと黒色人だね、彼らには気球どころか、何の乗り物もないようだね」
 あの怪物達の所有物は金属製の凶器だけということか。
「そういうこと」

「あなた達、ヒラニプラへ行く途中?」
「ああ、そうだが」
「残念ね、私はこれから用事があつてヒラニプラから離れるところなの。反対ならこの車に乗せてあげるんだけど」

 好奇心旺盛の上にかなりフレンドリーな方らしい、黒色人とはえらい違いだ。
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