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ムー大陸編
30診断結果発表
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朝目が覚めると、隣で寝ていたはずのアルハザードの姿はどこにもなかった。
白い寝袋から出ると目の前に冷えた水の入ったグラスの乗ったテーブルが現れた。邪神に感謝しつつ一気に飲み干すと、次にぬるめのコーヒーのは言ったカップが現れた。
アルハザードがいないので話し相手もなく、手持ち無沙汰なので、ギターの練習をすることにした。
コーヒーをゆっくり飲み干してから、ギターをケースから取り出して、指慣らしを始めた。
テンポを徐々に上げていく、周りに黒い影が舞い始めた、指ならしと曲の区別がついていないようだ。
指慣らしを終え、テンポが速くてリズミカルな曲を選んで弾き出すと影の数が増え、速度を上げて踊り回った。
「今日は朝からすごいサービスだね」
いつの間にかアルハザードが側に立っていた。
「こいつの眷属たちもえらい喜びようだ」
肩には邪神が猫の姿で乗っていた。
「別にサービスのつもりじゃあないんだけどね、練習の一環だよ」
「まあ、いずれにせよ、こいつの機嫌が良くなったのは確かだよ」
アルハザードが邪神の頭をなでた。
「ところで、またどこかに出かけていたのかい」
「まあね、今日は朝からラ・ムーからの呼び出しがあるだろうから、それまでは少し休ませてもらうよ」
アルハザードは床に体を横たえた。顔が切り落としの物になっていないところを見ると、眠ってはおらず、唯横になっているだけのようだった。
頭の中にグラムダルクリッチの映像が浮かんだ。
「もうすぐ迎えに来るみたいだね」
アルハザードが起き上がった。
「多分、ギタラも持って行った方が良いと思うよ」
間もなくグラムダルクリッチが部屋を訪れ、ラ・ムーが読んでいる旨の来意を相変わらずの無表情で告げた。こちらの都合など気に留めてもいないのも相変わらずだ。
グラムダルクリッチに伴われて部屋を出た。
「昨日の君の診断結果が出たのかな」
「多分そうだね、良い結果だと嬉しいけどね」
金色の廊下を歩いていると、何人かの白色人とすれ違った。皆二人を怪訝な目で見た。それはそうだ、晩餐会ではこの国の黄色人として出席したのだから。
グラムダルクリッチが立ち止まり、壁に手をついた。周りが一様に金色の壁に金色の廊下なので、自分がこれから入ろうとしているのが、昨日と同じ部屋なのかどうかは分からない。
穴を通って中に入ると、ラ・ム一と伴の白色人、そして昨日アルハザードの体を調べた黄金人がいた。
「まあ、座りなさい」
ラ・ム一に促されて、金色の椅子に二人並んで腰を降ろした。
「そなたは一体何者かね」
ラ・ム一の声が微かに震えていた。
「昨日の検査結果だ」
もう一人の黄金人が足元から顔の大きさ程のだ円形の板を取り出すと、目の前にテーブルが現れた。
「体の方は気の毒としか言いようがない、しかし、問題はここだ」
そう言って自分のこめかみを指差した。
「我々の機械で測定した結果、考えられないことが起こった」
板に刻まれた文字らレき物を指差したが、もちろん何が書いてあるのかは分からない。
「我々の脳の数値はニ千から三千の間なのだが、君の脳は測定不能という結果になった。この脳波測定器は一万まで測れるというのにだよ」
脳の数値というところが良く分からないが、アルハザードの脳が尋常ではない数値を出したのだろう。さすがにアラブの魔人だけのことはある。
「そこで、もう一人の君の脳も調べさせてもらうことにした」
黄金人が神谷を指差した。
「えっ、僕もですか」
「そうだ、君も彼と同じように想定不能となれば、君たちはこの国の人間とは脳の作りが違う種族ということになる」
「脳を調べるってどんなふうにやるんだい」
隣に座っているアルハザードに小声で訊いた。
「椅子に座って頭の上に大きなヘルメットを被されるだけだよ。時間にしてものの五分とかからなかった。大丈夫だよ、危険はないよ」
返事も待たずに、白色人の男性がアルハザードの言った白い大きなヘルメットを部屋の外から運び入れ、神谷の頭の上に乗せた。鈍いモーター音が聞こえる。
ヘルメットは頭に接触していないのか、まるで重さを感じない。
しばらくじっとしていると、ヘルメットから「チン」という音が聞こえた。まるで電子レンジで温められた気分だ。
先ほどの白色人たちがへルメットを降ろしてテーブルの上に乗せた。黄金人がその表面に両掌を当てて、目を閉じた。
「ふむ、ふむ、そうか、なるほど」
一人ごちるように眩いていたが。やがて眼を見開き。
「ラ.ム一様、この男の脳の数値は我々と変わらないニ千五百です」
「では、やはりこの男だけが特異なのかね」
ラ・ム一の眉間に皺が寄った。
「では、この男の脳をもう一度測定してみましよう」
黄金人が合図をすると、白色人がテーブルの上のへルメットをアルハザードの頭の上に乗せた。
「心配ない、今度は上手くやるよ」
アルハザードが小声で眩いた。ということは昨日は失敗したということだろうか。でも、何を失敗したのかは分からない。
ヘルメットから「チン」という音がして、同じように白色人がヘルメットをテーブルの上に乗せた。
黄金人が両掌をへルメットの上に乗せ、目を閉じた。
「う一ん」黄金人はしばらく唸っていたが、目を見開き、ヘルメットから手を離し、王に向かった。
「ラ・ム一様、この男の今回の数値はニ千三百です。これはどういうことでしょうか」
「ただ単に、昨日の測定が上手くいっていなっただけのことではないのか」
「しかし、今までこのようなことは……」
「この機械の点検を怠っていたのではないか」
機械の調子悪かったのではなく、測定した相手が普通の人間ではないと教えてあげたかった。
「昨日、その機会を乗せられた時、偶々こいつと話していてね、こいつの精神と僕の精神の一部が同調してしまったんだ。だから、昨日はこいつの脳波を測定してしまったんだろう」
アルハザードが神谷にだけ聞こえるように、肩の上の見えない邪神の方を目配せした。
「この機械は一日に一度しか測定することができない。二回以上測定すると、脳が破壊される恐れがあるからね、今日のところは機械の不備ということにしておこう、それで良いな」
ラ・ム一が黄金人に言い渡した。黄金人は不満げに「はい」とだけ答えた。
「彼らの言っている数字は脳波を何かで数値化したものだろう。こいつの脳波なんか測定できるはずがないからね。測定不能はこの機械が狂っていない証拠さ」
「それでは予定通り訓練を始めますか」
「そうだな、取り敢えずは予定通り始めることにしよう」
黄金人がアルハザードに向き直った。
「これから君の精神を我々のものと同調する訓練を始める。訓練と言っても機械の中で横になるだけだがね。これは我々にとっても初めての経験だ、どれくらいの時間がかかるかは試してみないと分からない」
「その前にせっかくギタラを背負っているのだ、せっかくだから、一曲弾いてくれないだろうか」
アルハザードを連れて部屋を出ようとした黄金人をラ・ム一が制した。
「構いませんよ、また同じ曲ですか」
「違う曲も弾けるのかね」
「では、お気に召すかどうか、弾いてみましょう」
ギターをケースから取り出して、膝を組み構えた。チューニングをしながら、短くてゆっくりした曲を色々と考えた。
神谷が選んだのは今までムー大陸に来てから一度も弾いていない、アルハンブラ宮殿の思い出と同じ、フランシスコ.タレガ作曲のラグリマ、日本語では涙という曲だ。ゆっくりとしたテンポと明るい曲調が彼らの好みと判断したからだ。.
演奏が終わると、頭の中にラ・ム一が人差し指を上に向けて突き上げている映像が浮かんだ。またしても、天上の音楽と思ってくれたようだ。アルハザードの肩に乗っているはずの邪神は機嫌を悪くしただろうが。
「そなたも一緒に訓練を受けてみてはどうかね、苦しい思いをせずにこの国の人間と同じ恩恵を受けられるのだ。悪い話ではないと思うのだがね」
「いいえ、僕は彼とは違って凡庸な人間ですから、彼の何倍もかかると思いますよ」
「そうか、では気が変わったらいつでも言うがいい」
ラ・ム一が神谷の肩に手を置いて、相好を崩した。
白い寝袋から出ると目の前に冷えた水の入ったグラスの乗ったテーブルが現れた。邪神に感謝しつつ一気に飲み干すと、次にぬるめのコーヒーのは言ったカップが現れた。
アルハザードがいないので話し相手もなく、手持ち無沙汰なので、ギターの練習をすることにした。
コーヒーをゆっくり飲み干してから、ギターをケースから取り出して、指慣らしを始めた。
テンポを徐々に上げていく、周りに黒い影が舞い始めた、指ならしと曲の区別がついていないようだ。
指慣らしを終え、テンポが速くてリズミカルな曲を選んで弾き出すと影の数が増え、速度を上げて踊り回った。
「今日は朝からすごいサービスだね」
いつの間にかアルハザードが側に立っていた。
「こいつの眷属たちもえらい喜びようだ」
肩には邪神が猫の姿で乗っていた。
「別にサービスのつもりじゃあないんだけどね、練習の一環だよ」
「まあ、いずれにせよ、こいつの機嫌が良くなったのは確かだよ」
アルハザードが邪神の頭をなでた。
「ところで、またどこかに出かけていたのかい」
「まあね、今日は朝からラ・ムーからの呼び出しがあるだろうから、それまでは少し休ませてもらうよ」
アルハザードは床に体を横たえた。顔が切り落としの物になっていないところを見ると、眠ってはおらず、唯横になっているだけのようだった。
頭の中にグラムダルクリッチの映像が浮かんだ。
「もうすぐ迎えに来るみたいだね」
アルハザードが起き上がった。
「多分、ギタラも持って行った方が良いと思うよ」
間もなくグラムダルクリッチが部屋を訪れ、ラ・ムーが読んでいる旨の来意を相変わらずの無表情で告げた。こちらの都合など気に留めてもいないのも相変わらずだ。
グラムダルクリッチに伴われて部屋を出た。
「昨日の君の診断結果が出たのかな」
「多分そうだね、良い結果だと嬉しいけどね」
金色の廊下を歩いていると、何人かの白色人とすれ違った。皆二人を怪訝な目で見た。それはそうだ、晩餐会ではこの国の黄色人として出席したのだから。
グラムダルクリッチが立ち止まり、壁に手をついた。周りが一様に金色の壁に金色の廊下なので、自分がこれから入ろうとしているのが、昨日と同じ部屋なのかどうかは分からない。
穴を通って中に入ると、ラ・ム一と伴の白色人、そして昨日アルハザードの体を調べた黄金人がいた。
「まあ、座りなさい」
ラ・ム一に促されて、金色の椅子に二人並んで腰を降ろした。
「そなたは一体何者かね」
ラ・ム一の声が微かに震えていた。
「昨日の検査結果だ」
もう一人の黄金人が足元から顔の大きさ程のだ円形の板を取り出すと、目の前にテーブルが現れた。
「体の方は気の毒としか言いようがない、しかし、問題はここだ」
そう言って自分のこめかみを指差した。
「我々の機械で測定した結果、考えられないことが起こった」
板に刻まれた文字らレき物を指差したが、もちろん何が書いてあるのかは分からない。
「我々の脳の数値はニ千から三千の間なのだが、君の脳は測定不能という結果になった。この脳波測定器は一万まで測れるというのにだよ」
脳の数値というところが良く分からないが、アルハザードの脳が尋常ではない数値を出したのだろう。さすがにアラブの魔人だけのことはある。
「そこで、もう一人の君の脳も調べさせてもらうことにした」
黄金人が神谷を指差した。
「えっ、僕もですか」
「そうだ、君も彼と同じように想定不能となれば、君たちはこの国の人間とは脳の作りが違う種族ということになる」
「脳を調べるってどんなふうにやるんだい」
隣に座っているアルハザードに小声で訊いた。
「椅子に座って頭の上に大きなヘルメットを被されるだけだよ。時間にしてものの五分とかからなかった。大丈夫だよ、危険はないよ」
返事も待たずに、白色人の男性がアルハザードの言った白い大きなヘルメットを部屋の外から運び入れ、神谷の頭の上に乗せた。鈍いモーター音が聞こえる。
ヘルメットは頭に接触していないのか、まるで重さを感じない。
しばらくじっとしていると、ヘルメットから「チン」という音が聞こえた。まるで電子レンジで温められた気分だ。
先ほどの白色人たちがへルメットを降ろしてテーブルの上に乗せた。黄金人がその表面に両掌を当てて、目を閉じた。
「ふむ、ふむ、そうか、なるほど」
一人ごちるように眩いていたが。やがて眼を見開き。
「ラ.ム一様、この男の脳の数値は我々と変わらないニ千五百です」
「では、やはりこの男だけが特異なのかね」
ラ・ム一の眉間に皺が寄った。
「では、この男の脳をもう一度測定してみましよう」
黄金人が合図をすると、白色人がテーブルの上のへルメットをアルハザードの頭の上に乗せた。
「心配ない、今度は上手くやるよ」
アルハザードが小声で眩いた。ということは昨日は失敗したということだろうか。でも、何を失敗したのかは分からない。
ヘルメットから「チン」という音がして、同じように白色人がヘルメットをテーブルの上に乗せた。
黄金人が両掌をへルメットの上に乗せ、目を閉じた。
「う一ん」黄金人はしばらく唸っていたが、目を見開き、ヘルメットから手を離し、王に向かった。
「ラ・ム一様、この男の今回の数値はニ千三百です。これはどういうことでしょうか」
「ただ単に、昨日の測定が上手くいっていなっただけのことではないのか」
「しかし、今までこのようなことは……」
「この機械の点検を怠っていたのではないか」
機械の調子悪かったのではなく、測定した相手が普通の人間ではないと教えてあげたかった。
「昨日、その機会を乗せられた時、偶々こいつと話していてね、こいつの精神と僕の精神の一部が同調してしまったんだ。だから、昨日はこいつの脳波を測定してしまったんだろう」
アルハザードが神谷にだけ聞こえるように、肩の上の見えない邪神の方を目配せした。
「この機械は一日に一度しか測定することができない。二回以上測定すると、脳が破壊される恐れがあるからね、今日のところは機械の不備ということにしておこう、それで良いな」
ラ・ム一が黄金人に言い渡した。黄金人は不満げに「はい」とだけ答えた。
「彼らの言っている数字は脳波を何かで数値化したものだろう。こいつの脳波なんか測定できるはずがないからね。測定不能はこの機械が狂っていない証拠さ」
「それでは予定通り訓練を始めますか」
「そうだな、取り敢えずは予定通り始めることにしよう」
黄金人がアルハザードに向き直った。
「これから君の精神を我々のものと同調する訓練を始める。訓練と言っても機械の中で横になるだけだがね。これは我々にとっても初めての経験だ、どれくらいの時間がかかるかは試してみないと分からない」
「その前にせっかくギタラを背負っているのだ、せっかくだから、一曲弾いてくれないだろうか」
アルハザードを連れて部屋を出ようとした黄金人をラ・ム一が制した。
「構いませんよ、また同じ曲ですか」
「違う曲も弾けるのかね」
「では、お気に召すかどうか、弾いてみましょう」
ギターをケースから取り出して、膝を組み構えた。チューニングをしながら、短くてゆっくりした曲を色々と考えた。
神谷が選んだのは今までムー大陸に来てから一度も弾いていない、アルハンブラ宮殿の思い出と同じ、フランシスコ.タレガ作曲のラグリマ、日本語では涙という曲だ。ゆっくりとしたテンポと明るい曲調が彼らの好みと判断したからだ。.
演奏が終わると、頭の中にラ・ム一が人差し指を上に向けて突き上げている映像が浮かんだ。またしても、天上の音楽と思ってくれたようだ。アルハザードの肩に乗っているはずの邪神は機嫌を悪くしただろうが。
「そなたも一緒に訓練を受けてみてはどうかね、苦しい思いをせずにこの国の人間と同じ恩恵を受けられるのだ。悪い話ではないと思うのだがね」
「いいえ、僕は彼とは違って凡庸な人間ですから、彼の何倍もかかると思いますよ」
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