48 / 73
ムー大陸編
35王宮内と周辺の探索
しおりを挟む
「今日は外を久しぶりに散歩してみないか」
朝、神谷が目を覚ますとアルハザードが涼やかな声で言った。そういえば、飛行船に乗って以来、王宮の中に閉じこもりきりで、外の景色を眺めていない。
「とはいっても、昼食までだけどね」
昼食後、アルハザードには精神同調の訓練が待っている。
「いいけど、そんなの許可が出るかな」
アルハザードが目を閉じて胸のブローチに両掌を当てた。
「昼食に間に合うように帰ってくればいいそうだ」
「今のは誰に訊いたの」
「もちろん、ラ・ムーに決まってるじゃないか」
「すごい便利な物だね、その装置は」
「そうだね、現代で例えると、無料のwihiの環境で使うスマホみたいな物だね、映像も考えも瞬時に送りたい相手に送れる、但し、その装置を持っているのは、黄金人と一部の白色人だけだけどね」
「それじゃあ、それを与えられるっていうことは、すごいことじゃないのかい」
「それはこの王宮の客人であることと、神谷のギタラのお陰だよ、ラ・ムーは神谷が望めばいつでも訓練を受けさせてくれるよ、そうすれば、いつかはこの装置が使えるようになるさ」
そのいつかが、何ヶ月先か、何年先か、普通の人間である神谷には見当もつかない。
「まずは王宮の中で見たい所はあるかい」
「そう言われても、この建物の見取り図さえ知らないしね」
「そうか、それじゃあ」
アルハザードが言うと、神谷の頭の中に王宮の各階の見取り図が浮かんだ。王宮は地上五階地下二階で、最上階は二人が金色の飛行船に乗った部屋だ。
二人が滞在している部屋は二階の一番南側にあるようだ。部屋に大きく赤い矢印がついている。
上のフロア、三階には先日ラ・ムーが言っていた闘技場がある。御丁寧に図面には小さく日本語で注意書きがしてある。
「見取り図の中で赤や黄色の色で塗られている部屋があるけど、やっぱり使える人種によるのかい」
「いや、それは人種ではなく、危険度だ。闘技場は黄色マークだろ、多少危険があるという程度だ。それに比べて何部屋か赤く塗られている部屋は、危険度マックスだ。入らない方がいい、もっとも、入ろうと思っても入れないよ、普通の人間には」
アルハザードが普通という所を強調しているような気がするのは、考え過ぎだろうか。
「例えば、地下二階のこの赤く塗られた部屋は、この前の夜二人で行った黒い玉を製造している部屋だ」
「やっぱり、あの玉のことは知られたくないのかな」
「ラ・ムーも車の行く先については詳しく教えてくれなったろう、あまり語りたくない理由があるんじゃないかな。そのうちに分かるとは思うけどね」
このアラブの魔人の言葉には、説得力があり過ぎるほどあった。
久しぶりに吸う外の空気は少しすえたような匂いがしたが、狭い部屋の中とが違う開放感が心地良かった。
「王宮の裏手に回ってみようか」
アルハザードは返事も聞かずに神谷の先を歩いて行く。
初めて見る王宮の正門は、裏門と同じく青色人が警護していた。二人が初めて王宮に入った部屋は二階の大広間で、正門の真上のようだ。
正門を出る時に振り返ってその佇まいを眺めたが、壁が全て金色をしているせいか、豪華というよりも唯の成金趣味のように思えた。
「これがこの国の最高権威だからね、価値観が違うんだから仕方がないんだよ」
アルハザードの言う通りだった。現代でも国が変われば価値観も変わる、ましてやここは一万二千年という時を隔てた地なのだ。
「この国の外で会った赤色人は君のことを『いい戦士になれる』と言ってたよね、でも、衛兵はいても戦士はいないね。それとも彼女は衛兵のことを戦士と言ったのかな」
「さあ、どうかな、ラ・ムーは先頭集団はいないと言っていたのだろ、それって、この国にはいないっていうことじゃないのかな」
「どういうこと」
「それも、そのうちに分かるんじゃないかな」
話しながら歩いているうちに王宮の裏門、先日黒い玉を積んだ車が出て行った場所に出た。スクリーンで見た時と同じように二人の青色人が守っている。
神谷とアルハザードは客人として彼らの脳に文字通り刻まれているのだろう。特に話しかけられることもなく、その目前を通り過ぎることができた。
「裏手に回ってみようか」
アルハザードについて行くと、王宮の裏口の外に広がっている敷地に出た。そこは広大な牧場になっていた。
人間の腰の高さほどの木で作られた柵で区切られた中に、ヒラニプラの入り口にあった門に刻まれていた動物、牙のある馬、牛の祖先らしきもの、足の長い象に似たものなどが多数飼育されている。その周りを赤色人たちが掃除や餌やりなどの世話をしている。
「あれが僕たちが食べた肉だろうね」
「牛や馬の祖先だね」
「祖先かどうかは分からないよ、何といっても滅んでしまう種族だからね」
偶々似ている容姿をしている動物ということなのだろうか。
動物を飼育している隣ではやはり広大な敷地に畑らしき場所もあった。ほうれん草に似た葉物や根菜を作っていると思われる、葉が僅かに地上に生えている所など、様々な野菜が栽培されている区画が多数あった。大きな柄杓で水を撒いたり、雑草を取ったりしているのは、やはり赤色人だった。
作物の周りには虫らしい物も飛んでいる。今になって思えばヒラニプラの外では、なぜか虫すら目にしなかった。
よく見ると、牧場も畑も囲っている柵の色が白色、黄色、赤色、青色に分かれている。
「あれは動物や野菜の種類で食する人種が違うことを意味しているんだろうね」
「金色の柵は見当たらないね」
「王族の食する物はここでは作られていない。宮廷内に専用の部屋があって、そこで動物の飼育や野菜の栽培が行われているんだ。さっき見せた見取り図に載っていたろう」
そんな所あっただろうか、大体一回見ただけで全てを憶えられるはずなどないのだ。
「えっ、そうなのか、それじゃ砂漠では生きていけないよ。闇の神官なんか親切に紙に書いたりしてくれないからね、一度聞いたり見た物は全て記憶しないと、すぐに死んでしまうよ」
砂漠で生きていくつもりなど、あるはずがないのだが。
「現代のように機械が発達して便利になると、人間の機能が低下するということだね」
普通の人間と魔人を比較してはいけないと思う。
「この島に来て初めて動物を見たけど、野生の動物っていないのかな」
「他の国にはいるようだね、しかし、ここヒラニプラにはいないらしいよ、かつてはいたようだけどね」
「理由はあるのかな」
「どうかな、自分で調べろって言ってるよ」
アルハザードが肩に乗っているはずの姿の見えない邪神の方を見た。
「王宮内に戻ったら黄金人用の食物生産をする部屋も見てみよう」
二人で広大な敷地を散策した。現代では良く広さを表す単位として東京ドーム○個分という表現があるが、果たしてこの場所は東京ドーム何個分の広さがあるのか、見当もつかない。
王宮の裏門から外に向かって黒い色の道路が続いているが、途中で四方向に道が分岐している。其々の国に行くための分かれ道なのだろう。
「ここって、言わば王宮御用達の牧場や畑だよね、それを全然警備していないんだね、周りに柵もないし、この国には泥棒はいないのかな」
「泥棒なんていうのは、ヴァイタリティーのある者がやることなんだよ。この国の人間は皆生体エネルギーを吸い上げられて、唯生きているだけの奴らが多いんだ、与えられた物を食べて暮らすだけの存在なんだ、泥棒なんてする力は残っているはずがないだろう」
そういえば、泥棒とスパイが世界で一番勤勉な職業だと何かの本で読んだ記憶がある。
「その通り、決められた法に従って生きるのが一番楽なんだよ、イスラム教やキリスト教が世界で一番普及している理由が分かるだろう、戒律に従って生きる方が人間は何も考えなくてすむからさ」
イスラムを棄教した魔人が自嘲気味に呟いた。
「でも、王宮の出入り口には衛兵が立ってるよね」
「それは他国からの戦士に備えてのことじゃないかな」
「この国以外の国には、戦士がいるんだね」
「そうだろうね、但し、ここ三百年くらいこの国に攻め入って来た国はないようだけど」
三百年前といえばラ・ムーが現王となった時だ。
朝、神谷が目を覚ますとアルハザードが涼やかな声で言った。そういえば、飛行船に乗って以来、王宮の中に閉じこもりきりで、外の景色を眺めていない。
「とはいっても、昼食までだけどね」
昼食後、アルハザードには精神同調の訓練が待っている。
「いいけど、そんなの許可が出るかな」
アルハザードが目を閉じて胸のブローチに両掌を当てた。
「昼食に間に合うように帰ってくればいいそうだ」
「今のは誰に訊いたの」
「もちろん、ラ・ムーに決まってるじゃないか」
「すごい便利な物だね、その装置は」
「そうだね、現代で例えると、無料のwihiの環境で使うスマホみたいな物だね、映像も考えも瞬時に送りたい相手に送れる、但し、その装置を持っているのは、黄金人と一部の白色人だけだけどね」
「それじゃあ、それを与えられるっていうことは、すごいことじゃないのかい」
「それはこの王宮の客人であることと、神谷のギタラのお陰だよ、ラ・ムーは神谷が望めばいつでも訓練を受けさせてくれるよ、そうすれば、いつかはこの装置が使えるようになるさ」
そのいつかが、何ヶ月先か、何年先か、普通の人間である神谷には見当もつかない。
「まずは王宮の中で見たい所はあるかい」
「そう言われても、この建物の見取り図さえ知らないしね」
「そうか、それじゃあ」
アルハザードが言うと、神谷の頭の中に王宮の各階の見取り図が浮かんだ。王宮は地上五階地下二階で、最上階は二人が金色の飛行船に乗った部屋だ。
二人が滞在している部屋は二階の一番南側にあるようだ。部屋に大きく赤い矢印がついている。
上のフロア、三階には先日ラ・ムーが言っていた闘技場がある。御丁寧に図面には小さく日本語で注意書きがしてある。
「見取り図の中で赤や黄色の色で塗られている部屋があるけど、やっぱり使える人種によるのかい」
「いや、それは人種ではなく、危険度だ。闘技場は黄色マークだろ、多少危険があるという程度だ。それに比べて何部屋か赤く塗られている部屋は、危険度マックスだ。入らない方がいい、もっとも、入ろうと思っても入れないよ、普通の人間には」
アルハザードが普通という所を強調しているような気がするのは、考え過ぎだろうか。
「例えば、地下二階のこの赤く塗られた部屋は、この前の夜二人で行った黒い玉を製造している部屋だ」
「やっぱり、あの玉のことは知られたくないのかな」
「ラ・ムーも車の行く先については詳しく教えてくれなったろう、あまり語りたくない理由があるんじゃないかな。そのうちに分かるとは思うけどね」
このアラブの魔人の言葉には、説得力があり過ぎるほどあった。
久しぶりに吸う外の空気は少しすえたような匂いがしたが、狭い部屋の中とが違う開放感が心地良かった。
「王宮の裏手に回ってみようか」
アルハザードは返事も聞かずに神谷の先を歩いて行く。
初めて見る王宮の正門は、裏門と同じく青色人が警護していた。二人が初めて王宮に入った部屋は二階の大広間で、正門の真上のようだ。
正門を出る時に振り返ってその佇まいを眺めたが、壁が全て金色をしているせいか、豪華というよりも唯の成金趣味のように思えた。
「これがこの国の最高権威だからね、価値観が違うんだから仕方がないんだよ」
アルハザードの言う通りだった。現代でも国が変われば価値観も変わる、ましてやここは一万二千年という時を隔てた地なのだ。
「この国の外で会った赤色人は君のことを『いい戦士になれる』と言ってたよね、でも、衛兵はいても戦士はいないね。それとも彼女は衛兵のことを戦士と言ったのかな」
「さあ、どうかな、ラ・ムーは先頭集団はいないと言っていたのだろ、それって、この国にはいないっていうことじゃないのかな」
「どういうこと」
「それも、そのうちに分かるんじゃないかな」
話しながら歩いているうちに王宮の裏門、先日黒い玉を積んだ車が出て行った場所に出た。スクリーンで見た時と同じように二人の青色人が守っている。
神谷とアルハザードは客人として彼らの脳に文字通り刻まれているのだろう。特に話しかけられることもなく、その目前を通り過ぎることができた。
「裏手に回ってみようか」
アルハザードについて行くと、王宮の裏口の外に広がっている敷地に出た。そこは広大な牧場になっていた。
人間の腰の高さほどの木で作られた柵で区切られた中に、ヒラニプラの入り口にあった門に刻まれていた動物、牙のある馬、牛の祖先らしきもの、足の長い象に似たものなどが多数飼育されている。その周りを赤色人たちが掃除や餌やりなどの世話をしている。
「あれが僕たちが食べた肉だろうね」
「牛や馬の祖先だね」
「祖先かどうかは分からないよ、何といっても滅んでしまう種族だからね」
偶々似ている容姿をしている動物ということなのだろうか。
動物を飼育している隣ではやはり広大な敷地に畑らしき場所もあった。ほうれん草に似た葉物や根菜を作っていると思われる、葉が僅かに地上に生えている所など、様々な野菜が栽培されている区画が多数あった。大きな柄杓で水を撒いたり、雑草を取ったりしているのは、やはり赤色人だった。
作物の周りには虫らしい物も飛んでいる。今になって思えばヒラニプラの外では、なぜか虫すら目にしなかった。
よく見ると、牧場も畑も囲っている柵の色が白色、黄色、赤色、青色に分かれている。
「あれは動物や野菜の種類で食する人種が違うことを意味しているんだろうね」
「金色の柵は見当たらないね」
「王族の食する物はここでは作られていない。宮廷内に専用の部屋があって、そこで動物の飼育や野菜の栽培が行われているんだ。さっき見せた見取り図に載っていたろう」
そんな所あっただろうか、大体一回見ただけで全てを憶えられるはずなどないのだ。
「えっ、そうなのか、それじゃ砂漠では生きていけないよ。闇の神官なんか親切に紙に書いたりしてくれないからね、一度聞いたり見た物は全て記憶しないと、すぐに死んでしまうよ」
砂漠で生きていくつもりなど、あるはずがないのだが。
「現代のように機械が発達して便利になると、人間の機能が低下するということだね」
普通の人間と魔人を比較してはいけないと思う。
「この島に来て初めて動物を見たけど、野生の動物っていないのかな」
「他の国にはいるようだね、しかし、ここヒラニプラにはいないらしいよ、かつてはいたようだけどね」
「理由はあるのかな」
「どうかな、自分で調べろって言ってるよ」
アルハザードが肩に乗っているはずの姿の見えない邪神の方を見た。
「王宮内に戻ったら黄金人用の食物生産をする部屋も見てみよう」
二人で広大な敷地を散策した。現代では良く広さを表す単位として東京ドーム○個分という表現があるが、果たしてこの場所は東京ドーム何個分の広さがあるのか、見当もつかない。
王宮の裏門から外に向かって黒い色の道路が続いているが、途中で四方向に道が分岐している。其々の国に行くための分かれ道なのだろう。
「ここって、言わば王宮御用達の牧場や畑だよね、それを全然警備していないんだね、周りに柵もないし、この国には泥棒はいないのかな」
「泥棒なんていうのは、ヴァイタリティーのある者がやることなんだよ。この国の人間は皆生体エネルギーを吸い上げられて、唯生きているだけの奴らが多いんだ、与えられた物を食べて暮らすだけの存在なんだ、泥棒なんてする力は残っているはずがないだろう」
そういえば、泥棒とスパイが世界で一番勤勉な職業だと何かの本で読んだ記憶がある。
「その通り、決められた法に従って生きるのが一番楽なんだよ、イスラム教やキリスト教が世界で一番普及している理由が分かるだろう、戒律に従って生きる方が人間は何も考えなくてすむからさ」
イスラムを棄教した魔人が自嘲気味に呟いた。
「でも、王宮の出入り口には衛兵が立ってるよね」
「それは他国からの戦士に備えてのことじゃないかな」
「この国以外の国には、戦士がいるんだね」
「そうだろうね、但し、ここ三百年くらいこの国に攻め入って来た国はないようだけど」
三百年前といえばラ・ムーが現王となった時だ。
0
あなたにおすすめの小説
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる