俺が、ドラゴンマスター?

真弓りの

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私も行くに決まってるでしょ

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それなのに。

明け方やっとウトウトして、やっと睡魔が来たかと思ったら、コレだ。ろくに寝てないっていうのになんという最悪な目覚め。

はっきり言って頭回ってねえし。恨みがましい涙目で俺を見上げてくる幼馴染を前に、どうすればいいのか。

ミュウとは、ガキの頃から兄妹みたいに育った。

アリアに俺を預けた冒険者の1人、聖魔導師がミュウの親父だったから、俺とミュウはいつも一緒に戦闘のイロハを叩きこまれていた。

そう、仲がいいからこそ、黙って旅に出ようと思ってたんだ。ミュウはひとつ年下だし、旅に出るとしてもまだ早い。

暫く会えないと思うと、もしか、うっかり泣いちゃうかも……

イヤ、大丈夫だとは思うがとりあえず黙って行こうと思っていたことにたいそうご立腹のようだし、ここは大人しく謝っておこう、と思い至る。


「ゴメンな、黙ってて。もう分かってると思うけど俺さ、今日から旅に出るから、アリアの事頼むな。きっと淋しがるから」

「ばか!」


なぜか一喝された。


「まだ寝ぼけてるの? 私のカッコちゃんと見えてる? 私も行くに決まってるでしょ!」


え、なんで?

驚きの発言に、開いた口が塞がらない。


「ほら、ぽかんとしてないで、ちゃんと見てよ。完璧でしょ」


ミュウは呆れたように腰に手をあて、こっちを睨みつけてくる。

ああ、確かに白いレザーの軽鎧。揃いの白いブーツ。腰にナイフ。愛用の錫杖。柔らかい金色の髪も今日はポニーテールに纏められている。どこからどう見ても完璧な旅支度だ。

でも、なんでだ。まだ15歳になってもいないのに。

うちの村の旅立ちのルールは厳格で、今まで例外があったなんてこと、聞いたこともない。なのにミュウときたらさも当たり前って顔で胸を張った。


「カインが旅に出るって言い出すのなんて、お見通しだから。前々からママにも長老にもアリアにも、話は通しといたの。根回し、大事だよね」


話を通すって……根回しとかできるもんなのか。


「カインがもし旅に出るなら、私も一緒に行くっていう了承はとってあるから心配しないで。二人の方が生き残る確率だって高いもん、悪くないでしょ」


分かったらさっさと支度してよ、と急かされる。ほぼ寝てないうえに寝起きという最悪のコンディションで頭が働かない。

呆然としたまま、着替えて。

朝メシ食って。

アリアに見送られて。

村では会う人会う人、激励されて。

俺は感傷ににひたるヒマさえ与えられず、いつの間にか旅に出てしまった。ミュウと一緒に。
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