俺が、ドラゴンマスター?

真弓りの

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一緒に行ってもいいの?

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なんかもう、わけが分からない状況ながら無言でテクテク歩いていると、だんだん頭がシャッキリして来た。

俺が知らないところでガッツリ根回ししてるなんてミュウのヤツさすがにちゃっかりしてるわ。

昔っから俺、ミュウにおされっぱなしなんだよな。しかしあのエルボーは痛かった……と少々ゲンナリして、朝っぱらから飛び乗ってきたおてんば娘に目をやった俺は、驚きで固まった。

げっ!? なんで涙目!?


「なによ、そこまで無視しなくってもいいじゃない……! そんなにイヤならもういいよ、私、村に戻るから」


ミュウの目から涙がぽろぽろと零れ落ちるのを見て、俺は慌てた。

唇を噛みしめて涙を乱暴に拭いているミュウを前に、あわあわと手を動かす事しか出来ない。ボンヤリしてるうちに、大変な事になってしまった。


「ゴ、ゴメン」

「もういいわよ、せっかく心配してついて来たのに。カインったら回復魔法も使えないのに、ケガしたらどうするつもり? ママはともかく、長老説得するの結構大変だったんだからね……!」


俺を心配していたらしいミュウの陰での努力も知らず、確かに俺の態度は良くなかったかも知れない。いつになくミュウが本気で泣いているのを見て、俺は本当に反省した。

誠心誠意、謝る。なんならスライディング土下座をしたっていい。俺の誠意が通じたのか、涙を拭いたミュウは、恥ずかしそうに笑ってくれた。


「じゃあ、嫌じゃない?一緒に行ってもいいの?」


ここで嫌だと言えるヤツがいたらお目にかかりたい。

ぶっちゃけさっきまでは、何となく腑に落ちない気持ちもあったけど、最早そんな事を言える雰囲気じゃない。

それにミュウが言うとおり、父親直伝の聖魔法が使えるミュウが一緒に行ってくれるのは、実際もの凄くありがたい事だった。


「うん、一緒に行こう。実はさ、アリアにカルビアの丘にある古城に行けって言われてるんだ。ちょっと怖かったから、一緒に行ってくれるのは心強い」


パアッとミュウの顔が明るくなる。セーフ! セーフだ俺、よくやった!


「カイン、怖がりだもんね! でも、なんでそんなとこ」


軽口も出て、ご機嫌はなおったらしい。


「地下に秘密のドラゴン達が集まるギルドがあるんだって。親の形見だっていう俺のペンダントさ、ドラゴンマスターの証らしいんだ。そこに行けばなんか分かるかもって、アリアが」

「ドラゴンが集まるって……そんなとこ行って大丈夫なの?」

「心配性のアリアが行けって言うくらいだから大丈夫なんじゃないか?」

「そっか、確かに。でもドラゴンマスターなんて聞いたことないけど、なんかカッコいいね」


笑顔になったミュウを見て俺は密かにホッと息をつく。俺達は、ようやく笑いながら歩きだした。
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