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古城の主
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だがしかし、何日も歩き通してやっと辿りついた廃墟と化した古城に入るのは、ぶっちゃけかなり勇気が要った。
アリアからの情報でなければ、あきらめてしまったかも知れないくらい、不気味で陰気な城だったんだ、いやホントに。
ただただ不気味な城の中を散々歩き回って、やっと見つけた地下への階段。
それを下って俺達が辿りついたのは、あの不気味な古城の中とは思えない、明るくて煌びやかな装飾を施された、広い広い空間だった。
大きな広間を抜けると受付のような場所があり、優しそうな女性が声をかけてくれる。
「まぁ、見ない顔ね。僕たち、迷い子?」
うふふ、と楽しそうに笑っているところを見ると、からかわれただけなんだろうけど。返事に困って、俺は正直にアリアの事を告げる。
「あの俺たち、アリアスの村から来たんですけど。あの、アリアから言われて」
「アリア……えっ!? まさかあの、ヴァンパイアのアリア?」
頷くと、綺麗なお姉さんは酷く驚いたように、ダッシュで階段を駆け降りていった。
ミュウと顔を見合わせて、「やっぱアリアって有名なのかな」とか話していたら、今度はお姉さんが凄い勢いで駆け登ってくる。
「ハイロン様がっ……会って下さるって! 地下に……最下層にいらっしゃるから……!」
めっちゃ息切れしてるな。よく分からないけど、ハイロン様はきっと偉い人なんだろう。
それにしても、名前を出しただけでこんなに対応が変わるなんて、アリアってやっぱり凄いんだと思い知る。アリアに恥ずかしい思いをさせないように、ビシッとしなくちゃな、と思うと緊張してきた。
お姉さんに言われたとおり、階段をどこまでも降りていくと、威圧感たっぷりのでかい扉が現れた。
「なんか怖いね」
ミュウの言葉に俺も頷く。でも入らないわけにもいかない。ビクつきつつも俺は扉を開けた。
「うわぁ……」
目の前には、巨大な巨大な、白いドラゴンがいた。
すげえ、村でみた一番デカい教会よりも顔がおっきい! 体全部だとお城よりおっきいんじゃないかってくらいデカい!!!
もちろん地下のこの部屋は、その巨大なドラゴンよりでっかいわけで、あんなあちこち崩れたみたいな古城の地下にまさかこんな広い空間があるなんて考えもしなかった。
「おお……もう来たのか、早かったな」
ドラゴンがしゃべると、風圧で体が持って行かれそうだ。それに、口の中のギラギラした歯が見えて単純に怖い。そのでっかい口の向こうに、銀色の鋭い目が見えた。
ぶっちゃけちびりそうに怖い……と思ったオレの横で、ミュウが俺にすがったまま、へなへなと座り込んだ。気持ちは分かる。
アリアからの情報でなければ、あきらめてしまったかも知れないくらい、不気味で陰気な城だったんだ、いやホントに。
ただただ不気味な城の中を散々歩き回って、やっと見つけた地下への階段。
それを下って俺達が辿りついたのは、あの不気味な古城の中とは思えない、明るくて煌びやかな装飾を施された、広い広い空間だった。
大きな広間を抜けると受付のような場所があり、優しそうな女性が声をかけてくれる。
「まぁ、見ない顔ね。僕たち、迷い子?」
うふふ、と楽しそうに笑っているところを見ると、からかわれただけなんだろうけど。返事に困って、俺は正直にアリアの事を告げる。
「あの俺たち、アリアスの村から来たんですけど。あの、アリアから言われて」
「アリア……えっ!? まさかあの、ヴァンパイアのアリア?」
頷くと、綺麗なお姉さんは酷く驚いたように、ダッシュで階段を駆け降りていった。
ミュウと顔を見合わせて、「やっぱアリアって有名なのかな」とか話していたら、今度はお姉さんが凄い勢いで駆け登ってくる。
「ハイロン様がっ……会って下さるって! 地下に……最下層にいらっしゃるから……!」
めっちゃ息切れしてるな。よく分からないけど、ハイロン様はきっと偉い人なんだろう。
それにしても、名前を出しただけでこんなに対応が変わるなんて、アリアってやっぱり凄いんだと思い知る。アリアに恥ずかしい思いをさせないように、ビシッとしなくちゃな、と思うと緊張してきた。
お姉さんに言われたとおり、階段をどこまでも降りていくと、威圧感たっぷりのでかい扉が現れた。
「なんか怖いね」
ミュウの言葉に俺も頷く。でも入らないわけにもいかない。ビクつきつつも俺は扉を開けた。
「うわぁ……」
目の前には、巨大な巨大な、白いドラゴンがいた。
すげえ、村でみた一番デカい教会よりも顔がおっきい! 体全部だとお城よりおっきいんじゃないかってくらいデカい!!!
もちろん地下のこの部屋は、その巨大なドラゴンよりでっかいわけで、あんなあちこち崩れたみたいな古城の地下にまさかこんな広い空間があるなんて考えもしなかった。
「おお……もう来たのか、早かったな」
ドラゴンがしゃべると、風圧で体が持って行かれそうだ。それに、口の中のギラギラした歯が見えて単純に怖い。そのでっかい口の向こうに、銀色の鋭い目が見えた。
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