あたし、スライム。初めての恋をしました

真弓りの

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歩み寄りが大事です

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じわりじわりとナメクジレベルでにじり寄る三男くんに負けず劣らず、錯覚かと思うくらいにゆるりと身体を動かして、徐々に腰をかがめるジョットさん。

そして息を詰めてそんな二人を見守るリーナさんとアルマさん。もちろんあたしだってドキドキしながら見てるけど、あまりのもどかしさに、もういっそ後ろからドーンと三男くんを突き飛ばしちゃおうかと思ったよね。

三男くんを驚かせることがないように、呼吸すら浅く、身じろぎひとつしないでいるのは、人間にとっては難しい事だろうに、みんなよく耐えてくれている。ちなみにコーチは早くも遠い丘までうさぎ跳びで行ってしまったから論外なんだけど。

ジョットさんはさすがに武闘家だけあって、体の使い方が格段にうまいらしく、ゆっくりゆっくりとした動作でついには地面に膝をつき、その大きな手を三男くんの方へと差し出した。

おどおどプルプルと小刻みに震えまくっている三男くんが、這い寄る水のようにじりじりと間合いを詰めていく。


「……!」


ゴクリ、とアルマさんが喉を鳴らした音ですら、この緊迫した空気の中でいやに大きく響いた。

ジョットさんの差し出した右手に、ついに。

チョン、と三男くんのぷるぷるボディがタッチした。


「……」


無言で、ただそれを見守るジョットさん。彼の右手は、三男くんが触れてもピクリとも動かない。話しかけるでもなく、手に掬い取るでもなく、置物みたいに固まって見えるジョットさんに、三男くんはおずおずと触れては身をひき、もうちょっと触ってみてはぷるぷる震える、そんな動きを繰り返す。

あーーーーーーー! もう! じれったい!

しびれを切らしたあたしが、蹴っ飛ばしてやろうかといったん身を縮めた時だった、三男くんはいきなりスルンとジョットさんの右手にダイブする。


「…………!」


その瞬間の、ジョットさんの嬉しそうな顔!


「……だい、じょうぶ……?」


小さな声で。労わるみたいに。ジョットさんが手の中の三男くんに語りかけた。

水分そうとう出しつくしちゃって、片手にのるくらいのコンパクトサイズになった三男ちゃんは、貧弱な体で控え目にぽよん、とジャンプする。

それは臆病なこの子なりの、精一杯の好意に見えた。

ジョットさんの左手がゆっくりと近づいて、三男くんのちっちゃくなったツルスベボディを優しく撫でる。

僅かに身を固くしたようにも見えた三男くんは、スリ……とその手に身を寄せた。


「かわいい」


ジョットさんの小さな呟きに、アルマさんとリーナさんも、漸く安堵したような息を漏らす。


「俺で、いいか?」


ジョットさんの問いに、三男くんはえいっとばかりにジャンプした。
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