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2 プールにて
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部屋に残された手紙を読み返すたび、胸がざわついた。
『またあとで』
短い言葉なのに、昨夜の熱が蘇って体が疼く。
昨日係員から渡された箱を開けてみる。
今度は真っ赤な一着の水着だった。
ビキニタイプ――背中は大きく開き、細い紐で結ぶだけ。
「これもまた、そういう意味?」と苦笑しながらも、袖を通す。
デッキに出ると、夏の日差しに照らされたプールが広がっていた。
青い水面に反射する光、賑わう声、きらめく雰囲気。
けれどその中で、自分だけが別の意味を知っている気がして、少し心が浮き立った。
プールサイドに腰を下ろすと、隣にタオルを掛けた男が座る。
「ひとりですか?」
軽い調子の声に振り返ると、日焼けした肌に白い歯が映える男が笑っていた。
「ええ、まぁ」
彼女が答えると、男はグラスを掲げて見せる。
「昼間っから飲む酒って、格別ですよ」
太陽の下、夜とは違う種類の誘惑が始まろうとしていた。
「せっかくだから入ります?」
男の誘いに頷くと、彼は迷いなく彼女の手を引いてプールへ足を踏み入れた。
水面に太陽が反射し、肌に心地よい冷たさが広がる。
「気持ちいいですね」
「……そうですね」
表向きは笑顔で交わす会話。
けれど、水の中で繋がれた手は離されず、指先がゆっくりと太腿を撫で上げる。
彼女の喉がわずかに震えた。
「どうしました? あ、日差しが強いかな?」
にやりと笑いながら、もう片方の手で腰を抱き寄せられる。
水面に隠された下で、布の上から敏感な部分をなぞられると、思わず水を弾いてしまった。
「……っ」
「気をつけて、バレますよ」
低く囁かれ、羞恥と快感が一度に押し寄せる。
「あれ?ここ…」
引き寄せた腰を逃がさないように捕まえたまま、水着の上からでもわかる胸の先を見つめられる。
「…すっごい、立ってる」
耳元で囁く声は甘く、さらに奥が切なくなった。
水着にしては薄い布に覆われた頂きはさりげなく主張をしている。
その先端は見つめられるだけで何もされない。
だが、水の中の敏感な場所への愛撫は止まらない。
彼女は必死に平常心を装いながら、唇だけで返した。
「……意地悪」
「そういう顔、たまらないんで」
彼の指は容赦なく布越しに擦り、彼女の体は声を押し殺したまま水面下で小さく震える。
プールサイドで笑う人々に紛れて、ここだけ別の熱が生まれていた。
背中を冷たいタイルに押しつけられ、水滴が肌を伝って落ちていく。
「さっきは可愛がってあげられなかったからね」
「…くぅっ…ん!」
彼の唇が鎖骨から胸元へ降り、舌が敏感な先端を強く吸い上げた。
「……っん……や、だめ、声……っ」
「シャワーの音に紛れるから大丈夫。誰にも聞こえませんよ」
低く囁かれ、再び唇を塞がれる。
脚を掬い上げられ、片腕で軽々と抱えられた。
駅弁の体勢――支えられた腰に、熱が深く突き上げられる。
「っあ、あぁっ!」
堪えきれない声が洩れる。
彼は腰を揺らしながら笑った。
「ほら、外じゃ我慢できたのに……ここじゃ駄目なんですね」
突き込むたびに水飛沫が跳ね、快感は絶え間なく重なっていく。
絶頂の波が押し寄せ、体が痙攣しても、彼は止まらない。
「またイってる? でも止まれないんですけど、いいですよね」
「や、あっ……っ、だめ……もう、イって……るのに……っ」
涙混じりに首を振る彼女を、彼はさらに深く責めた。
快感から逃げようとしても、抱え上げられている体は動けない。
腰を掴まれ、強引に波の奥へ連れていかれる。
「気持ちいいね?…もう逃げられないね」
耳元で吐息混じりに囁かれた瞬間、体は再び痙攣した。
「ほら、もっと感じて。可愛い悲鳴、聞かせて」
「……あっ……あぁ、ん、だめぇ……っ!」
シャワーの音では隠せなくなり、嬌声が室内に反響する。
幾度も、何度も、途切れなく絶頂に攫われ、頭の中は白く塗りつぶされる。
彼女に残されたのは、ただ与えられる快感を享受するしかない現実だった。
何度も絶頂に攫われ、気づいた時には視界が暗転していた。
次に目を覚ましたのは、プールサイドのベッドの上。
まだ水着を着たまま、体には大きなバスタオルが掛けられている。
夕日が海に差し込み、プールの水面が赤く揺れていた。
サイドテーブルにはグラス。氷はまだ完全に解けきらず、冷気を残している。
その下に一枚の紙切れ。
『また後で』
――昨日の夜と同じ。
目を覚ました時、快楽に乱された記憶だけが鮮烈に残り、男の姿は消えている。
そんな偶然が重なることに、彼女は「どうして?」と軽く首を傾げた。
それでも、体に残る熱は、その疑問を長く留めさせはしなかった。
『またあとで』
短い言葉なのに、昨夜の熱が蘇って体が疼く。
昨日係員から渡された箱を開けてみる。
今度は真っ赤な一着の水着だった。
ビキニタイプ――背中は大きく開き、細い紐で結ぶだけ。
「これもまた、そういう意味?」と苦笑しながらも、袖を通す。
デッキに出ると、夏の日差しに照らされたプールが広がっていた。
青い水面に反射する光、賑わう声、きらめく雰囲気。
けれどその中で、自分だけが別の意味を知っている気がして、少し心が浮き立った。
プールサイドに腰を下ろすと、隣にタオルを掛けた男が座る。
「ひとりですか?」
軽い調子の声に振り返ると、日焼けした肌に白い歯が映える男が笑っていた。
「ええ、まぁ」
彼女が答えると、男はグラスを掲げて見せる。
「昼間っから飲む酒って、格別ですよ」
太陽の下、夜とは違う種類の誘惑が始まろうとしていた。
「せっかくだから入ります?」
男の誘いに頷くと、彼は迷いなく彼女の手を引いてプールへ足を踏み入れた。
水面に太陽が反射し、肌に心地よい冷たさが広がる。
「気持ちいいですね」
「……そうですね」
表向きは笑顔で交わす会話。
けれど、水の中で繋がれた手は離されず、指先がゆっくりと太腿を撫で上げる。
彼女の喉がわずかに震えた。
「どうしました? あ、日差しが強いかな?」
にやりと笑いながら、もう片方の手で腰を抱き寄せられる。
水面に隠された下で、布の上から敏感な部分をなぞられると、思わず水を弾いてしまった。
「……っ」
「気をつけて、バレますよ」
低く囁かれ、羞恥と快感が一度に押し寄せる。
「あれ?ここ…」
引き寄せた腰を逃がさないように捕まえたまま、水着の上からでもわかる胸の先を見つめられる。
「…すっごい、立ってる」
耳元で囁く声は甘く、さらに奥が切なくなった。
水着にしては薄い布に覆われた頂きはさりげなく主張をしている。
その先端は見つめられるだけで何もされない。
だが、水の中の敏感な場所への愛撫は止まらない。
彼女は必死に平常心を装いながら、唇だけで返した。
「……意地悪」
「そういう顔、たまらないんで」
彼の指は容赦なく布越しに擦り、彼女の体は声を押し殺したまま水面下で小さく震える。
プールサイドで笑う人々に紛れて、ここだけ別の熱が生まれていた。
背中を冷たいタイルに押しつけられ、水滴が肌を伝って落ちていく。
「さっきは可愛がってあげられなかったからね」
「…くぅっ…ん!」
彼の唇が鎖骨から胸元へ降り、舌が敏感な先端を強く吸い上げた。
「……っん……や、だめ、声……っ」
「シャワーの音に紛れるから大丈夫。誰にも聞こえませんよ」
低く囁かれ、再び唇を塞がれる。
脚を掬い上げられ、片腕で軽々と抱えられた。
駅弁の体勢――支えられた腰に、熱が深く突き上げられる。
「っあ、あぁっ!」
堪えきれない声が洩れる。
彼は腰を揺らしながら笑った。
「ほら、外じゃ我慢できたのに……ここじゃ駄目なんですね」
突き込むたびに水飛沫が跳ね、快感は絶え間なく重なっていく。
絶頂の波が押し寄せ、体が痙攣しても、彼は止まらない。
「またイってる? でも止まれないんですけど、いいですよね」
「や、あっ……っ、だめ……もう、イって……るのに……っ」
涙混じりに首を振る彼女を、彼はさらに深く責めた。
快感から逃げようとしても、抱え上げられている体は動けない。
腰を掴まれ、強引に波の奥へ連れていかれる。
「気持ちいいね?…もう逃げられないね」
耳元で吐息混じりに囁かれた瞬間、体は再び痙攣した。
「ほら、もっと感じて。可愛い悲鳴、聞かせて」
「……あっ……あぁ、ん、だめぇ……っ!」
シャワーの音では隠せなくなり、嬌声が室内に反響する。
幾度も、何度も、途切れなく絶頂に攫われ、頭の中は白く塗りつぶされる。
彼女に残されたのは、ただ与えられる快感を享受するしかない現実だった。
何度も絶頂に攫われ、気づいた時には視界が暗転していた。
次に目を覚ましたのは、プールサイドのベッドの上。
まだ水着を着たまま、体には大きなバスタオルが掛けられている。
夕日が海に差し込み、プールの水面が赤く揺れていた。
サイドテーブルにはグラス。氷はまだ完全に解けきらず、冷気を残している。
その下に一枚の紙切れ。
『また後で』
――昨日の夜と同じ。
目を覚ました時、快楽に乱された記憶だけが鮮烈に残り、男の姿は消えている。
そんな偶然が重なることに、彼女は「どうして?」と軽く首を傾げた。
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