傷心クルーズ 〜大人だけの遊覧船〜

タロウ

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部屋にて

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「じゃあ決まりで。部屋に案内するのは俺にさせてもらうよ」
軽い口調で手を挙げたのは、最後に自己紹介したサミュエルだった。
ゆかの腰に自然と腕を回し、軽やかな足取りで廊下を進む。
「緊張してる? それとも、期待してる?」
からかうような声に、思わず頬を染める。
重厚な扉を押し開けると、中は広々としたスイートルーム。
ベッドとソファが置かれた空間に入るなり、サミュはゆかをくるりと振り向かせた。
「ここ、赤くなってる。沢山ルカにかわいがってもらったんだ?」
スカートの裾を撫でながら、耳元で囁く。
「……っ」
不意に思い出が蘇り、ゆかは言葉を詰まらせる。
「ジュリアンはどう? 意地悪でしょ? 船でもさっきも……泣かされなかった?」
胸元を指先で撫でながら、挑発的な笑みを浮かべる。
「で、でも……みんな優しかったです」
必死にフォローするように返すと、サミュは唇を歪めた。
「へぇ……じゃあ、“いじめられる方が好み”なんだ?」
その言葉と同時に、胸を強く揉み上げられ、思わず甘い声が洩れる。
唇を塞がれ、強引に舌を絡め取られる。
「ん…めっちゃいい声。キス好き?」
口付けられたまま、ソファに押し倒され、脚を広げられた。
「反応いいねぇ。……こうされるのも、好きでしょ?」
舌が首筋を這い、指が下着越しに秘部を擦る。
「ん……っ」
腰が浮き、体が熱に支配される。
下着をずらされ、直接秘部をなぞられると、抑えようとしても声が洩れた。
「ほら、もう濡れてる。……素直だね」
指が入り、動きが速まる。
翻弄され、あっという間に絶頂に追い込まれる。
「……っあ……!」
震える体を支えながら、耳元で囁いてきた。
「可愛い。まだこれからだよ」
そのままベッドへ運ばれ、覆いかぶさられる。
先端を押し当てられた瞬間、奥は疼いているのに、全身が強張る。
「力抜いて。……ほら、ゆっくり」
ぐっと腰を沈められ、深く繋がる。
「ん……っあ……!」
突き上げられるたび、甘い声が溢れる。
サミュは巧みに角度を変え、彼女の反応を楽しむように責め続けた。
「ほら、ここ……すごく柔らかくなってる。マテオにもかわいがられた? あ、また震えてる」
「っや……!」
「さっきジュリアンに虐められて、もっと欲しくなったんじゃない?」
挑発と愛撫に翻弄され、ゆかは次々と絶頂に達する。
「もう……だめ……っ」
涙を滲ませ、必死に訴える彼女を、サミュはにやりと笑いながら抱きしめた。
「だめじゃないでしょ。……俺がもっと可愛くしてあげる」
何度も貫かれ、快楽に飲み込まれる。
「イク…!イってるの!…あぁん…っ!」
「その先がいいんだよ…ほらもっと欲しがって?」
声を殺す余裕もなく、熱に溺れるまま、ゆかはサミュの腕の中で震え続けた。
何度も突き上げられ、翻弄され、ゆかは何度絶頂したのかも分からなくなっていた。
快感に喘ぎ、涙をにじませながら、最後には全身の力が抜けていく。
「可愛い声、いっぱい聞けたな……」
サミュは汗ばんだ額に唇を落とし、満足げに囁いた。
「ゆかちゃん、ほんと俺の超タイプ」
疼いて仕方なかった熱は、いつの間にか収まり、胸には満ち足りた余韻だけが残っていた。
身体を委ね、脱力していく中、瞼が重くなる。
――眠りに落ちそうな瞬間。
サミュの唇がそっと彼女の頬に触れた。
「また、後でね」
囁きと共にベッドを離れる気配。
扉の閉まる音を最後に、意識はふっと闇に沈んでいった。
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