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筋トレにて
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朝食を終え、部屋へ戻ろうとしたところで腕を取られた。
「おいおい、忘れてねぇだろ? 昨日の約束」
振り向くと、笑顔のマテオが立っていた。
「え、あ……その、運動の……」
「そう! ほら、もう準備できてるぞ」
彼の手には、女性用のトレーニングウェアが用意されていた。
驚くゆかに、ウインクしてみせる。
「サイズは大体合わせてある。まぁピッタリ合わなかったら、それはそれでラッキーだな!」
渋々着替えてトレーニングルームへ向かうと、そこには広々とした鏡張りの部屋と、整然と並ぶ器具。
マテオは腕を組んで誇らしげに言った。
「さぁまずはストレッチからだ。いきなり走らせたりしねぇよ」
両手を取られ、肩や腰をゆっくり伸ばしていく。
「痛くねぇか? んー、体硬いな……でも柔らかくしてったらもっと楽になるぜ」
腰に添えられた大きな手に支えられ、恥ずかしさよりも安心感が勝つ。
続いてスクワットや腹筋。
「そうそう! あとちょっと、もう一回! ……よし、いいぞ!」
隣で数を数えてくれる声に、必死で着いていく。
身体はすぐに悲鳴を上げたけれど、笑いながら励まされると、自然と頑張れてしまう。
額に汗をにじませながら、最後のストレッチで彼に支えられる。
「お前、結構やるな。初めてにしちゃ頑張ったぞ」
「……全然、ついていけなかったです」
「はは、最初はそんなもんだ。少しずつ続けりゃいい」
大きな掌が頭にぽんと乗る。
その温かさに、胸の奥が不思議とじんわりした。
ただの筋トレなのに、こんなに心が軽くなるなんて――。
額の汗を拭きながら、床に座り込む。
必死でついていったけれど、足はもう笑っていた。
「……やっぱ、ついていけないです……」
思わず弱音が漏れると、マテオは大きく笑った。
「ははっ、やっぱ体力ないな」
片膝をついて目線を合わせ、にやりと笑う。
「このままじゃ、あとが持たねえよ…もう少しつけないと」
不安げに見上げると、彼は立ち上がって手を差し伸べた。
「安心しろ。いい方法がある」
そのまま引き起こされ、隣の扉を開けられる。
そこには陽の光が差し込む屋内プールが広がっていた。
水面がゆらめき、窓の外の庭と繋がるように造られている。
「プールなら筋肉痛にはなりにくいし、全身に負荷がかかる。体力つけるにはうってつけだ」
専門家みたいにさらっと説明して、肩を叩いてくる。
「どうだ? 一緒にやってみようぜ」
水面を見つめながら、ゆかはごくりと喉を鳴らした。
汗をかいた身体に、青い水がやけに涼しげに見えた。
マテオに手を引かれ、ゆかはプールへ足を踏み入れる。
青い水が肌を撫で、汗に火照った身体を冷ます。
「気持ちいい……」
「だろ? よし、まずは歩くだけな。胸張って、腹に力入れて」
真剣な表情で指導する声に従い、ゆかは水の中を一歩ずつ進んだ。意外と歩きにくく、バランスを崩してばかりのゆかをマテオがサポートを出す。
背に大きな手が添えられ、姿勢を正される。
「ほら、腰が落ちてる。……そうそう、いいぞ」
最初は本当に真面目なトレーニングだった。
けれど、歩くたびに触れる手が長く留まり、距離が近づいていく。
「おっと、バランス崩すなよ」
腰を抱かれた瞬間、水中で身体が密着する。心臓の音が早まり、息が詰まる。
――これは指導。そう自分に言い聞かせながら、ゆかは黙って受け入れていた。
その沈黙が逆に彼を煽るように、支える手が太腿へずり落ち、撫でる動きに変わっていく。
指先が肌を這うたび、声が洩れそうになり、唇を噛んで堪える。
しかし限界は早く訪れた。
腰を支える手が水着の布越しに柔らかい場所を擦り、思わず短い声が溢れる。
「……っん……」
マテオの口元に、にやりと笑みが浮かんだ。
「やっと声出したな。ガマンしてるみたいだったけど……もう無理か?」
水の中で唇を重ねられる。
「静かにしねぇと、響くぞ」
囁きに震える身体を抱かれ、溺れるようなキスが深まっていった。
「もう泳ぐどころじゃねぇな」
悪戯っぽく言って、彼はゆかを水から抱え上げた。
プールサイドに押し上げられると、そのまま秘部に口付けられ、舌が容赦なく愛撫する。
「ここ、俺が鍛えてやるな」
「んあぁっ……ふぅん……ぅっ……!」
冗談めかした声とは裏腹に、何度も絶頂に追い込まれ、息も絶え絶えになる。
「も、やめ……ぁんっ!」
「……やっぱ、まだ足りねぇな」
ぐったりする身体を抱き上げ、隣のビーチベッドに横たえられる。
濡れた髪を払いながら、彼が笑った。
「ほら俺の上、座って? トレーニングの続き、するぞ」
促されるまま跨がると、硬く熱いものが奥まで貫いた。
「くぅ……んぁ……っ!」
最初は自分で腰を動かされる。
すぐに力が抜け、動けなくなると、下から突き上げられた。
「止まるなよ。……これも体力作りだろ?」
「……ひあ、ぁ……っ」
何度も絶頂に翻弄され、気を失いかけるたび、強い衝撃で意識を呼び戻される。
涙と汗と水に濡れながら、必死にしがみつくゆか。
陽の光を背に、マテオは笑顔で彼女を抱きしめ、中に果てた。
「……やっぱ、まだ体力足りねぇな」
熱を収めたあとも彼は満足げに呟いた。
「でも、いい線いってるよ。明日も続けような」
脱力した身体を腕の中に抱えられ、ゆかはただ荒い息を繰り返した。
けれど胸の奥には、不思議な充実感が残っていた。
「おいおい、忘れてねぇだろ? 昨日の約束」
振り向くと、笑顔のマテオが立っていた。
「え、あ……その、運動の……」
「そう! ほら、もう準備できてるぞ」
彼の手には、女性用のトレーニングウェアが用意されていた。
驚くゆかに、ウインクしてみせる。
「サイズは大体合わせてある。まぁピッタリ合わなかったら、それはそれでラッキーだな!」
渋々着替えてトレーニングルームへ向かうと、そこには広々とした鏡張りの部屋と、整然と並ぶ器具。
マテオは腕を組んで誇らしげに言った。
「さぁまずはストレッチからだ。いきなり走らせたりしねぇよ」
両手を取られ、肩や腰をゆっくり伸ばしていく。
「痛くねぇか? んー、体硬いな……でも柔らかくしてったらもっと楽になるぜ」
腰に添えられた大きな手に支えられ、恥ずかしさよりも安心感が勝つ。
続いてスクワットや腹筋。
「そうそう! あとちょっと、もう一回! ……よし、いいぞ!」
隣で数を数えてくれる声に、必死で着いていく。
身体はすぐに悲鳴を上げたけれど、笑いながら励まされると、自然と頑張れてしまう。
額に汗をにじませながら、最後のストレッチで彼に支えられる。
「お前、結構やるな。初めてにしちゃ頑張ったぞ」
「……全然、ついていけなかったです」
「はは、最初はそんなもんだ。少しずつ続けりゃいい」
大きな掌が頭にぽんと乗る。
その温かさに、胸の奥が不思議とじんわりした。
ただの筋トレなのに、こんなに心が軽くなるなんて――。
額の汗を拭きながら、床に座り込む。
必死でついていったけれど、足はもう笑っていた。
「……やっぱ、ついていけないです……」
思わず弱音が漏れると、マテオは大きく笑った。
「ははっ、やっぱ体力ないな」
片膝をついて目線を合わせ、にやりと笑う。
「このままじゃ、あとが持たねえよ…もう少しつけないと」
不安げに見上げると、彼は立ち上がって手を差し伸べた。
「安心しろ。いい方法がある」
そのまま引き起こされ、隣の扉を開けられる。
そこには陽の光が差し込む屋内プールが広がっていた。
水面がゆらめき、窓の外の庭と繋がるように造られている。
「プールなら筋肉痛にはなりにくいし、全身に負荷がかかる。体力つけるにはうってつけだ」
専門家みたいにさらっと説明して、肩を叩いてくる。
「どうだ? 一緒にやってみようぜ」
水面を見つめながら、ゆかはごくりと喉を鳴らした。
汗をかいた身体に、青い水がやけに涼しげに見えた。
マテオに手を引かれ、ゆかはプールへ足を踏み入れる。
青い水が肌を撫で、汗に火照った身体を冷ます。
「気持ちいい……」
「だろ? よし、まずは歩くだけな。胸張って、腹に力入れて」
真剣な表情で指導する声に従い、ゆかは水の中を一歩ずつ進んだ。意外と歩きにくく、バランスを崩してばかりのゆかをマテオがサポートを出す。
背に大きな手が添えられ、姿勢を正される。
「ほら、腰が落ちてる。……そうそう、いいぞ」
最初は本当に真面目なトレーニングだった。
けれど、歩くたびに触れる手が長く留まり、距離が近づいていく。
「おっと、バランス崩すなよ」
腰を抱かれた瞬間、水中で身体が密着する。心臓の音が早まり、息が詰まる。
――これは指導。そう自分に言い聞かせながら、ゆかは黙って受け入れていた。
その沈黙が逆に彼を煽るように、支える手が太腿へずり落ち、撫でる動きに変わっていく。
指先が肌を這うたび、声が洩れそうになり、唇を噛んで堪える。
しかし限界は早く訪れた。
腰を支える手が水着の布越しに柔らかい場所を擦り、思わず短い声が溢れる。
「……っん……」
マテオの口元に、にやりと笑みが浮かんだ。
「やっと声出したな。ガマンしてるみたいだったけど……もう無理か?」
水の中で唇を重ねられる。
「静かにしねぇと、響くぞ」
囁きに震える身体を抱かれ、溺れるようなキスが深まっていった。
「もう泳ぐどころじゃねぇな」
悪戯っぽく言って、彼はゆかを水から抱え上げた。
プールサイドに押し上げられると、そのまま秘部に口付けられ、舌が容赦なく愛撫する。
「ここ、俺が鍛えてやるな」
「んあぁっ……ふぅん……ぅっ……!」
冗談めかした声とは裏腹に、何度も絶頂に追い込まれ、息も絶え絶えになる。
「も、やめ……ぁんっ!」
「……やっぱ、まだ足りねぇな」
ぐったりする身体を抱き上げ、隣のビーチベッドに横たえられる。
濡れた髪を払いながら、彼が笑った。
「ほら俺の上、座って? トレーニングの続き、するぞ」
促されるまま跨がると、硬く熱いものが奥まで貫いた。
「くぅ……んぁ……っ!」
最初は自分で腰を動かされる。
すぐに力が抜け、動けなくなると、下から突き上げられた。
「止まるなよ。……これも体力作りだろ?」
「……ひあ、ぁ……っ」
何度も絶頂に翻弄され、気を失いかけるたび、強い衝撃で意識を呼び戻される。
涙と汗と水に濡れながら、必死にしがみつくゆか。
陽の光を背に、マテオは笑顔で彼女を抱きしめ、中に果てた。
「……やっぱ、まだ体力足りねぇな」
熱を収めたあとも彼は満足げに呟いた。
「でも、いい線いってるよ。明日も続けような」
脱力した身体を腕の中に抱えられ、ゆかはただ荒い息を繰り返した。
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