傷心クルーズ 〜大人だけの遊覧船〜

昼過ぎの部屋にて2

　「……あ、あぁっ……！」
　深く突き上げられるたび、視界が白く弾ける。
　ジュリアンの律動は寸分の狂いもなく、静かな息遣いに合わせてゆかの奥を抉る。
　「……素直ですね。声も、身体も」
　耳元で冷静な声が囁き、胸の奥まで支配されるような感覚に震えた。

　その上半身を覆う影が、唇を奪う。
　「ねぇ、俺のこともちゃんと見てよ、ゆか！」
　ルカの声は弾んでいて、子犬のように無邪気だ。
　「んんっ……んっ……あぁ……！」
　胸元を吸い上げられ、乳首を甘噛みされると、息が乱れて声が止められない。
　「気持ちいいんだろ？　もっと声聞かせてよ！」

　「……集中が乱れて、余計に敏感になってますね」
　ジュリアンは律動を崩さぬまま、淡々と観察していた。
　耐えきれず声を上げるゆかを見下ろし、唇に静かな笑みを浮かべる。

　やがて、ジュリアンが深く埋めたまま低く息を吐く。
　「……っ……」
　熱が解けるように注がれ、ゆかは仰け反って声を洩らした。
　力を失った身体を支えるように、ジュリアンは抱き締め、静かに告げる。
　「……次は、彼の番です」

　「やった！」
　ルカが嬉しそうに声を上げ、すぐにゆかの腰を掴む。
　「んっ……あ、ぁ……！」
　勢いよく突き込まれ、喉から悲鳴に近い声が上がる。
　「すげぇ……ゆか、ぎゅって締め付けてきて……俺のこと好きなんだろ？」
　無邪気な笑顔で言葉を重ねながら、容赦なく打ち込んでくる。

　その隣で、ジュリアンの指がクリトリスを捉えた。
　「下は彼に任せますから。……私は、こちらを」
　「やっ……だめ、そんな……っ！」
　逃げようとしても、腰は突き上げに絡め取られる。

　「ほら……ここ、触れるたびにヒクヒクしてますね」
　観察するような声で囁かれ、羞恥と快感が重なり涙が滲む。
　「っあぁ……だ、め……！」
　必死に首を振るゆか。

　だがルカはにやりと笑い、腰を突き上げた。
　「中、また締まった……！　ゆか、そこ好きなんだ？」
　「ちが……っああぁっ……！」
　声にならない喘ぎに変わり、ルカにしがみつく手に力が入る。

　「拒んでいるのに……身体は正直ですね」
　ジュリアンの囁きは容赦がなく、指先はお尻の入口を解すように撫でていく。
　羞恥に耐えられず、涙が零れた。
　「や、やめ……っ、もう……！」
　「大丈夫。今日は“少しだけ”です」
　冷静に告げられ、心臓が早鐘を打つ。

　その間もルカの動きは荒くなり、喉の奥から甘い悲鳴があふれ続ける。
　「ゆか、すげぇ……もうイキそう……！」
　最後の衝撃と共に熱が溢れ、彼が果てる。

　「あ、ぁぁぁっ……！」
　絶頂に引きずり込まれたゆかは、崩れ落ちるようにシーツに沈んだ。