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第5章 振り返れば、そこには。
Part4 晴れた日に
朝。
川にかかる大きな橋の上では、多くの車が仕事に追われながら運転している。
そのため、橋の下では早朝の慌ただしい走行音で目が覚めてしまう。
小さな段ボールハウスに住んでいる悠人と悠真は、売春によりなんとか生活をなしている。
そんな二人だが、普段は小学校に行けるわけもなく、自由な生活を送っている。
一番先に起床したのは悠人。
朝はまだ冷えるので、ジャンパーを一枚、上に羽織る。
悠真がまだ寝ていることを確認して、一足先に近くのコンビニへ出る。
おにぎりを2個とサンドウィッチ1個を取り、レジへと向かう。
「いらっしゃいませ~。」
ピッピッピ…
「お会計330円になりま~す」
「はーい。」
縦長の黒い財布から330円をちょうど出す。
「ちょうどいただきま~す!ありがとうございました~!」
コンビニから外に出ると、河川敷から川の上流の方に半分でかけている太陽を見つけた。
街全体が日光に包まれオレンジ色に染まる。1日の始まりである。
そんな日光を横目に、河川敷の階段を降りていき、橋の下の段ボールハウスに戻る。
悠人達の段ボールハウスは、スーパーなどに置いてあるダンボールなどをかき集めたもので作られており、おむつや食品の商品の名前がプリントされている。
雑草が生えている土の上に、6つほどの大きい段ボールを敷いて作った簡単なものである。
簡単なプライパシー保護のために組み立てられられた段ボールが2つほど隣に積み重なっている。
入り口には運動シューズが2足。小学生用のかっこいい青い運動シューズである。
橋の下は朝日が少し差し込むだけでまだ暗いが、夜に比べたら物がよく見える。
入り口で運動靴を脱ぎ捨て、プラスチックの机におにぎりをおく。
悠真はまだスースーと寝息を立てて寝ている。
箱買いした2Lのお茶のペットボトルを開封して口をつけてごくごくと喉を潤す。
スマホを見ると、時刻は6時30分を回っていた。
ぱぱっと買ってきた昆布おにぎりを食べると、収納のような棚から本を何冊か取り出した。
机の上に置いてある小さな勉強用ライトをつけると、
「中学数学3」と書かれた教科書とノートを開いた。
じっくりと教科書を読み、前に客に買ってもらったシャーペンと消しゴムでノートに計算を書いていく。
「ここは因数分解できるから、こーなって…こーして…」
ぶつぶつと計算の方法をいいながら、シャーペンを走らせていく。
書いた跡には、一個一個と計算が書かれており、それのどれも正解というとても素晴らしいものであった。
そうしている間に、時計は9時を周り、外もすっかり明るくなった。
勉強を数十ページ終わらせた悠人は引き続き勉強に勤しんでいた。
すると、その背後から声がした。
「おにいちゃん…?」
聞き覚えのある声に悠人は手を止めて後ろを向く。
「悠真。おはよ。」
「もう朝…?」
「もう9時だよ~。おにぎりとサンドウィッチあるけど、どれ食べる?」
「全部食べる~」
「はーい。」
悠真もおにぎりを手に取り袋を開けて食べ出す。
「今日は仕事ないし、遊びにでも行こっか。」
「やったー!どこいくー???」
「どこ行こうかな~」
「ねずみーらんど!」
「ええ~…高いから無理かなあ」
「ゆにばーすすたじお!」
「遠いなあ…新幹線乗ったら帰ってこれなくなる」
「ええ~じゃあどこいくのー?」
「電車乗ってエオンでご飯食べてこようよ」
「エオン!?やったー!」
「じゃ、ご飯食べ終わったら出かけよっか」
「はーい(むしゃむしゃむしゃ」
やりとりが終わると、悠人はノートと教科書を閉じて電気を消した。
「もう10歳なんだからさ~、悠真も大人になりなよ~?」
「ふえぇ(むしゃむしゃ」
「この前渡したドリル、終わった?」
「えーと…多分…」
「絶対終わってないじゃん…」
「半分終わったし!」
「はいはい全部終わらせてから言ってください。」
「しょぼーん」
続く
=天の声=
はいはいどうも
悠人君がめっちゃ勉強できるっていう話ですね。
将来が楽しみだ()
さて次回はいよいよお出かけですね~
エロを挟むかそのままいくか迷ってますが、それはお楽しみです。
じゃあまた次回~
ではでは~
川にかかる大きな橋の上では、多くの車が仕事に追われながら運転している。
そのため、橋の下では早朝の慌ただしい走行音で目が覚めてしまう。
小さな段ボールハウスに住んでいる悠人と悠真は、売春によりなんとか生活をなしている。
そんな二人だが、普段は小学校に行けるわけもなく、自由な生活を送っている。
一番先に起床したのは悠人。
朝はまだ冷えるので、ジャンパーを一枚、上に羽織る。
悠真がまだ寝ていることを確認して、一足先に近くのコンビニへ出る。
おにぎりを2個とサンドウィッチ1個を取り、レジへと向かう。
「いらっしゃいませ~。」
ピッピッピ…
「お会計330円になりま~す」
「はーい。」
縦長の黒い財布から330円をちょうど出す。
「ちょうどいただきま~す!ありがとうございました~!」
コンビニから外に出ると、河川敷から川の上流の方に半分でかけている太陽を見つけた。
街全体が日光に包まれオレンジ色に染まる。1日の始まりである。
そんな日光を横目に、河川敷の階段を降りていき、橋の下の段ボールハウスに戻る。
悠人達の段ボールハウスは、スーパーなどに置いてあるダンボールなどをかき集めたもので作られており、おむつや食品の商品の名前がプリントされている。
雑草が生えている土の上に、6つほどの大きい段ボールを敷いて作った簡単なものである。
簡単なプライパシー保護のために組み立てられられた段ボールが2つほど隣に積み重なっている。
入り口には運動シューズが2足。小学生用のかっこいい青い運動シューズである。
橋の下は朝日が少し差し込むだけでまだ暗いが、夜に比べたら物がよく見える。
入り口で運動靴を脱ぎ捨て、プラスチックの机におにぎりをおく。
悠真はまだスースーと寝息を立てて寝ている。
箱買いした2Lのお茶のペットボトルを開封して口をつけてごくごくと喉を潤す。
スマホを見ると、時刻は6時30分を回っていた。
ぱぱっと買ってきた昆布おにぎりを食べると、収納のような棚から本を何冊か取り出した。
机の上に置いてある小さな勉強用ライトをつけると、
「中学数学3」と書かれた教科書とノートを開いた。
じっくりと教科書を読み、前に客に買ってもらったシャーペンと消しゴムでノートに計算を書いていく。
「ここは因数分解できるから、こーなって…こーして…」
ぶつぶつと計算の方法をいいながら、シャーペンを走らせていく。
書いた跡には、一個一個と計算が書かれており、それのどれも正解というとても素晴らしいものであった。
そうしている間に、時計は9時を周り、外もすっかり明るくなった。
勉強を数十ページ終わらせた悠人は引き続き勉強に勤しんでいた。
すると、その背後から声がした。
「おにいちゃん…?」
聞き覚えのある声に悠人は手を止めて後ろを向く。
「悠真。おはよ。」
「もう朝…?」
「もう9時だよ~。おにぎりとサンドウィッチあるけど、どれ食べる?」
「全部食べる~」
「はーい。」
悠真もおにぎりを手に取り袋を開けて食べ出す。
「今日は仕事ないし、遊びにでも行こっか。」
「やったー!どこいくー???」
「どこ行こうかな~」
「ねずみーらんど!」
「ええ~…高いから無理かなあ」
「ゆにばーすすたじお!」
「遠いなあ…新幹線乗ったら帰ってこれなくなる」
「ええ~じゃあどこいくのー?」
「電車乗ってエオンでご飯食べてこようよ」
「エオン!?やったー!」
「じゃ、ご飯食べ終わったら出かけよっか」
「はーい(むしゃむしゃむしゃ」
やりとりが終わると、悠人はノートと教科書を閉じて電気を消した。
「もう10歳なんだからさ~、悠真も大人になりなよ~?」
「ふえぇ(むしゃむしゃ」
「この前渡したドリル、終わった?」
「えーと…多分…」
「絶対終わってないじゃん…」
「半分終わったし!」
「はいはい全部終わらせてから言ってください。」
「しょぼーん」
続く
=天の声=
はいはいどうも
悠人君がめっちゃ勉強できるっていう話ですね。
将来が楽しみだ()
さて次回はいよいよお出かけですね~
エロを挟むかそのままいくか迷ってますが、それはお楽しみです。
じゃあまた次回~
ではでは~
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