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最終章 この日常だっていつか
Part13 デートの夜 (駿日Side)
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カモメの声がして、顔をあげると、沈みかけていた太陽は沈んでしまい、代わりに海辺の街灯がついていた。
「あれ…」
「やっと起きた。大丈夫?駿太」
「ごめん…寝ちゃってたか…」
「涙すごい出てたよ…?そんなに苦しかった?」
「…苦しかったんじゃなくて、嬉しかったんだよ。多分」
「ならよかった。次の電車もうちょっとでくるから、帰ろ?」
「うん。」
駅から見る夜景も綺麗だった。
遠くにある橋と、工場のあかり。
都会なのにこんなに近くにある黒い海。
じっと眺めていると、後ろから声がして、電車が入線してきた。
乗ってきた電車と同じ、黄色の水色のラインが入った電車だ。
乗り込んで、緑のシートに腰をかける。
さっきまで硬いベンチに座っていたから柔らかくて気持ちよかった。
泣いてスッキリしたからか、元気も出てきた。
少しするとドアが閉まり、電車がゆっくりカーブを描いて走り出した。
電車の中の人はそれほど多くもない。多くは工場やサラリーマンの人たちみたい。
「この後、どうするの?オレん家泊まる?」
「いや、なぜかホテル予約されてて…そっちに行くよ。」
「ホテル…?その…えっちなやつ…?」
「もう…そっちは予約しなくても入れるのっ…ちゃんとしたホテルだよ…しかも高級なやつ」
「誰が予約したんだよ」
「多分…あの二人…かな?」
「まあ、だったらそれでいいか。」
6駅ほど停車駅をすぎ、電車は終点に到着。
海辺の駅で発見された別の切符を持って、別の大きな電車に乗り換える。
数回乗り換えると、ホテルのある駅に到着。
「お腹すいたんじゃない?」
「ん…確かに」
「ご飯行く?」
「僕もうそんなにお金ないよ…?」
「…っ、」
ひーくんはかばんの中を漁ると、中から1万円が出て来た。
「ふえっ!?なにそれ!なんでそんな大金が」
「いつか、大きくなったら何かに使おうと思ってて…いつも入れてるんだ」
「でも、そんなの使っちゃってもいいの?ひーくん家でご飯作ってもらえるでしょ」
「ん…こういう時に使うべきだと思う!」
「…まあそこまでいうんだったら、お言葉に甘えよっかな~?」
肩に手を組んで頭を肩に乗せる。
恋人がよくやるやつだ。
「…わかった」
と、連れられたのはちょっとだけ高いレストラン。
料理がどれも数千円…たまにお客さんに連れられてくるけど、こういう時には来たことないな…
ひーくんには申し訳ないし、そんなに高いものは頼まないように…
「1万円あるから、好きなもの…」
「じゃっこれ」
「…1800円?もっと高いやつでもいいのに」
「これがいいの!美味しそうだし」
「そっか…じゃあオレはこれ…かな」
注文を終え、冷水を飲んで少しだけクールダウンする。
今日はいろんなことがあったような気がする。
なにもすることもないし、ひーくんをじっと見つめてみる…と、
ちんちんが…
「大丈夫?」
「ひゃあっ!?」
「えっ?」
「あっ、うん…大丈夫だよ」
「疲れちゃうよね…食べたらホテルまで送ってくよ」
夜になると性欲があがる、というのはよく聞く話…
なんで今日はこんなになるんだろ…
その後ご飯が運ばれてきても、食欲で完全に性欲を防ぎ切るのはできなかった。
めっちゃ美味かったけど…
ひーくんが一万円で支払うと、お釣りに数千円帰ってきた。
スマホを見るとすでに時計は8時半を通り越していて、
そのままついてきたひーくんと一緒にホテルに入る。
カードキーを部屋の鍵にかざすと、ガチャ、という音とともに鍵が開く。
ドアを捻って中に入ると、相変わらず一人には広いベッドと、テレビやデスクが並べてある部屋につく。
「うわあ…広くない…?」
「だよね…あの二人には感謝しないと…」
「じゃ、オレそのまま残るのもアレだし…」
「待って」
「ふえっ」
ドアノブに手をかけていたひーくんを呼び止めた。
理由?わかるでしょ
「そのさ…ひーくんも泊まって行かない?」
「えっ!?」
振り返ってこっちを見ると、何かを察したように顔が赤くなっていくのがわかる。
「そ、そういうのはよくないって…」
「いいじゃん…、ひーくん僕から離れないって言ってたじゃん」
「いやだってぇ…」
「なんでよ~!お願い!ひとりぼっちは嫌なの~!」
「…」
ひーくんはしばらく拳を顎に当てて考えると、
「…わかったよ、、」
と、納得してくれた。
ちなみに親にメールしたらすぐにOKきたみたい。
やったね。
まだ時間は21時前…
ひーくんから「一緒にお風呂入る?」
って言われたけど…今日はお断りした。
準備があるしね…?
続く
=天の声=
次回はいよいよ...ふふふ
お楽しみに...
「あれ…」
「やっと起きた。大丈夫?駿太」
「ごめん…寝ちゃってたか…」
「涙すごい出てたよ…?そんなに苦しかった?」
「…苦しかったんじゃなくて、嬉しかったんだよ。多分」
「ならよかった。次の電車もうちょっとでくるから、帰ろ?」
「うん。」
駅から見る夜景も綺麗だった。
遠くにある橋と、工場のあかり。
都会なのにこんなに近くにある黒い海。
じっと眺めていると、後ろから声がして、電車が入線してきた。
乗ってきた電車と同じ、黄色の水色のラインが入った電車だ。
乗り込んで、緑のシートに腰をかける。
さっきまで硬いベンチに座っていたから柔らかくて気持ちよかった。
泣いてスッキリしたからか、元気も出てきた。
少しするとドアが閉まり、電車がゆっくりカーブを描いて走り出した。
電車の中の人はそれほど多くもない。多くは工場やサラリーマンの人たちみたい。
「この後、どうするの?オレん家泊まる?」
「いや、なぜかホテル予約されてて…そっちに行くよ。」
「ホテル…?その…えっちなやつ…?」
「もう…そっちは予約しなくても入れるのっ…ちゃんとしたホテルだよ…しかも高級なやつ」
「誰が予約したんだよ」
「多分…あの二人…かな?」
「まあ、だったらそれでいいか。」
6駅ほど停車駅をすぎ、電車は終点に到着。
海辺の駅で発見された別の切符を持って、別の大きな電車に乗り換える。
数回乗り換えると、ホテルのある駅に到着。
「お腹すいたんじゃない?」
「ん…確かに」
「ご飯行く?」
「僕もうそんなにお金ないよ…?」
「…っ、」
ひーくんはかばんの中を漁ると、中から1万円が出て来た。
「ふえっ!?なにそれ!なんでそんな大金が」
「いつか、大きくなったら何かに使おうと思ってて…いつも入れてるんだ」
「でも、そんなの使っちゃってもいいの?ひーくん家でご飯作ってもらえるでしょ」
「ん…こういう時に使うべきだと思う!」
「…まあそこまでいうんだったら、お言葉に甘えよっかな~?」
肩に手を組んで頭を肩に乗せる。
恋人がよくやるやつだ。
「…わかった」
と、連れられたのはちょっとだけ高いレストラン。
料理がどれも数千円…たまにお客さんに連れられてくるけど、こういう時には来たことないな…
ひーくんには申し訳ないし、そんなに高いものは頼まないように…
「1万円あるから、好きなもの…」
「じゃっこれ」
「…1800円?もっと高いやつでもいいのに」
「これがいいの!美味しそうだし」
「そっか…じゃあオレはこれ…かな」
注文を終え、冷水を飲んで少しだけクールダウンする。
今日はいろんなことがあったような気がする。
なにもすることもないし、ひーくんをじっと見つめてみる…と、
ちんちんが…
「大丈夫?」
「ひゃあっ!?」
「えっ?」
「あっ、うん…大丈夫だよ」
「疲れちゃうよね…食べたらホテルまで送ってくよ」
夜になると性欲があがる、というのはよく聞く話…
なんで今日はこんなになるんだろ…
その後ご飯が運ばれてきても、食欲で完全に性欲を防ぎ切るのはできなかった。
めっちゃ美味かったけど…
ひーくんが一万円で支払うと、お釣りに数千円帰ってきた。
スマホを見るとすでに時計は8時半を通り越していて、
そのままついてきたひーくんと一緒にホテルに入る。
カードキーを部屋の鍵にかざすと、ガチャ、という音とともに鍵が開く。
ドアを捻って中に入ると、相変わらず一人には広いベッドと、テレビやデスクが並べてある部屋につく。
「うわあ…広くない…?」
「だよね…あの二人には感謝しないと…」
「じゃ、オレそのまま残るのもアレだし…」
「待って」
「ふえっ」
ドアノブに手をかけていたひーくんを呼び止めた。
理由?わかるでしょ
「そのさ…ひーくんも泊まって行かない?」
「えっ!?」
振り返ってこっちを見ると、何かを察したように顔が赤くなっていくのがわかる。
「そ、そういうのはよくないって…」
「いいじゃん…、ひーくん僕から離れないって言ってたじゃん」
「いやだってぇ…」
「なんでよ~!お願い!ひとりぼっちは嫌なの~!」
「…」
ひーくんはしばらく拳を顎に当てて考えると、
「…わかったよ、、」
と、納得してくれた。
ちなみに親にメールしたらすぐにOKきたみたい。
やったね。
まだ時間は21時前…
ひーくんから「一緒にお風呂入る?」
って言われたけど…今日はお断りした。
準備があるしね…?
続く
=天の声=
次回はいよいよ...ふふふ
お楽しみに...
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