血が吸えない最弱ヴァンパイアは見返すために世界最強となり世直しをしたいと思います。

アイス

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9話 戦乱の世の幕開けから一時休戦

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 ここはギルドなどがある街”デイ”である。

 今やこのデイは火の雨嵐、建物の倒壊など、デイ全体が崩壊しつつある。

 もちろんだが、ヴァンパイアの権力争いでだ。

 「おーい!ガイラスはどこだ? 」

 ガイラスとは権力争いをしているヴァンパイアのトップの一人だ。

 「ここにいるぞ?レインよ! 」

 レインもまた、権力争いをしているヴァンパイアのトップの一人だ。

 「今やヴァンパイアの他の種族や魔物のほとんどが重症であったり死んでいる。だから、少し休戦としようじゃないか? 」

 「それもそうだな。レインよ」

 激しい戦乱で戦力がお互いに激減したことで権力争いは一時休戦となった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 私はアリオンと”デイ”に向かった。

 だが、そこは前にいた”デイ”の姿ではなく街が崩壊しており、どこに何の建物があったのかすらわからないようになっている。

 「な、なんだ、これは⁉︎ 」

 アリオンは予想だにしない状況で驚愕している。

 「どうして、ここまで...... 」

 私はアリオンの言葉よりも倒壊した建物の近くに血を流している者、剣で殺されている者などの死体の数に視線を奪われていた。

 「酷すぎる」

 「ドラ、権力争いをしている者の名前を教えてやる。ガイラスとレインだ」

 「誰? 」

 私はその名前に聞き覚えがなかった。

 そして、アリオンから説明を受ける。

 ガイラスは白チームのトップ。

 一方、レインは黒チームのトップ。

 この二人が権力争いの主犯格だそうだ。

 「よく覚えておくんだぞ」

 「はい! 」

 と言っているとアリオンの下部#下部_しもべ__#らしきものが空から降りてきた。

 その下部の背丈は170センチの男性で黒いシャツに赤のマントらしきものを着けている。
顔はイケメンだ。

 「アリオン様、事態のご報告に参りました」

 「どうかしたのか、ライズ」

 名前はライズらしい。

 「事態は休戦となったようです。そして、死者は50万人を軽く超えたそうです」

 「そうか、かなりの数だな。困った」

 「はい......。先ほどから気になったのですがそちらのヴァンパイアは? 」

 「あぁ、すまん。私の仲間のドラだ。よろしくしてやってくれ」

 「承知致しました」

 「あのー、ライズさん。よろしくお願いします! 」

 「こちらこそだ! 」

 私とライズは軽く社交辞令をとり、少しだが仲間になれた感がある。

 「それよりも、これからどうするのアリオンとライズ? 」

 「......? 」

 「もちろん、作戦を立て直すが」

 「作戦? なんかあるの? 」

 「まぁな」

 「もしかして、私を強くさせたのも作戦の内だったり? 」

 「そうだが、どうかしたか? 」

 「いや、なんでもないわ」

 「ふーん」

 なんだか私はアリオンに利用されたのかと不服に感じてしまう。

 「アリオン様、まずは成長の森へ戻りましょう」

 「そうだな、《スキル》テレポート」

 一瞬にして私たちは見慣れた成長の森へと移動した。




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