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オスカーはクリスティーナに言った。
「では、本題に入ろうか。まず最初に俺の意思をはっきり伝えておこう。幾らマリオン自身が望んで許していると言っても、俺は君と関係を持つつもりはない。
そして、それは今後、君が自分自身の意思で、俺と関係を持つ事を了承したとしてもだ。誰にも打ち明けた事は無いが、俺は・・・男色家らしい」
「え・・・?」
「こういう状況になってしまった以上、これも何かの縁だろう・・・。
恥を忍んで、君にだけ告白しよう。
そもそも、こんな事を彼の妻である君に話すこと自体どうかとは思うが・・・君は俺の考えが知りたいと言って、覚悟をしてわざわざここまで来てくれた。
だから、俺も敢えて逃げ出さずに、その決意に応えなくてはと思う。
これから話す事は、君にとって非常に不愉快な事だろうが、どうか聞いてほしい」
「はい」
「実は、マリオンは俺の初恋の人なんだ・・・。
初めて会ったときから、彼のことだけを思い続けている・・・。
だが、そんな事を言ってもマリオンと一緒になる事など叶うはずが無いし、もし知られたとしたら、彼から気持ちが悪いと思われて絶縁を言い渡されるかもしれない。
だから、マリオンとは友人で居られるだけで、満足だと思っている。
マリオンにはこの事は告げていないし、これからも告げるつもりもない」
「オスカー様・・・!」
クリスティーナは予想外の展開に、驚きを隠せなかった。
「君とマリオンが婚約したと聞いた時、俺は胸を撫で下ろしたんだ。これで、もうこのやり場のない気持ちにやっと強制的に終止符を打つことができる、と。
そしてその時、これからは二人が幸せで居られるように、陰から支えていこうと心に決めたんだ。
それなのに、マリオンが今になって妙な手紙を寄越してきて、俺は困惑してしまったんだ・・・何を考えているのか、と」
オスカーの話を最後まで聞いた彼女は混乱していた。
何せ、想定外の情報が多すぎた。
だが、クリスティーナの中で、今まで不可解だと思っていたそれぞれの点と点が、ぼんやりと繋がったような気がした。
マリオンは自身を不能だと言っていたが、そもそもそれ自体が偽りで、もしかするとマリオンもオスカーと同じような事を思っているのではないかと。
あんなに魅力的なのに結婚前に浮いた噂が一切なかったのも、実は女性に興味が無かったのだとすれば、頷ける。
思い返してみれば、結婚式の日にオスカーが祝いの言葉を述べて去っていく背中を見つめるマリオンの視線には、どこか愁いがあったようにも思えなくもない・・・。
あながち、二人は忍びつつも、お互い口にはせずとも、実は相思相愛だという事も無きにしも非ずかもしれない。
そうなると、実は二人にとって自分こそが邪魔ものだったのではないだろうか、という考えにクリスティーナは至ったのだった。
「では、本題に入ろうか。まず最初に俺の意思をはっきり伝えておこう。幾らマリオン自身が望んで許していると言っても、俺は君と関係を持つつもりはない。
そして、それは今後、君が自分自身の意思で、俺と関係を持つ事を了承したとしてもだ。誰にも打ち明けた事は無いが、俺は・・・男色家らしい」
「え・・・?」
「こういう状況になってしまった以上、これも何かの縁だろう・・・。
恥を忍んで、君にだけ告白しよう。
そもそも、こんな事を彼の妻である君に話すこと自体どうかとは思うが・・・君は俺の考えが知りたいと言って、覚悟をしてわざわざここまで来てくれた。
だから、俺も敢えて逃げ出さずに、その決意に応えなくてはと思う。
これから話す事は、君にとって非常に不愉快な事だろうが、どうか聞いてほしい」
「はい」
「実は、マリオンは俺の初恋の人なんだ・・・。
初めて会ったときから、彼のことだけを思い続けている・・・。
だが、そんな事を言ってもマリオンと一緒になる事など叶うはずが無いし、もし知られたとしたら、彼から気持ちが悪いと思われて絶縁を言い渡されるかもしれない。
だから、マリオンとは友人で居られるだけで、満足だと思っている。
マリオンにはこの事は告げていないし、これからも告げるつもりもない」
「オスカー様・・・!」
クリスティーナは予想外の展開に、驚きを隠せなかった。
「君とマリオンが婚約したと聞いた時、俺は胸を撫で下ろしたんだ。これで、もうこのやり場のない気持ちにやっと強制的に終止符を打つことができる、と。
そしてその時、これからは二人が幸せで居られるように、陰から支えていこうと心に決めたんだ。
それなのに、マリオンが今になって妙な手紙を寄越してきて、俺は困惑してしまったんだ・・・何を考えているのか、と」
オスカーの話を最後まで聞いた彼女は混乱していた。
何せ、想定外の情報が多すぎた。
だが、クリスティーナの中で、今まで不可解だと思っていたそれぞれの点と点が、ぼんやりと繋がったような気がした。
マリオンは自身を不能だと言っていたが、そもそもそれ自体が偽りで、もしかするとマリオンもオスカーと同じような事を思っているのではないかと。
あんなに魅力的なのに結婚前に浮いた噂が一切なかったのも、実は女性に興味が無かったのだとすれば、頷ける。
思い返してみれば、結婚式の日にオスカーが祝いの言葉を述べて去っていく背中を見つめるマリオンの視線には、どこか愁いがあったようにも思えなくもない・・・。
あながち、二人は忍びつつも、お互い口にはせずとも、実は相思相愛だという事も無きにしも非ずかもしれない。
そうなると、実は二人にとって自分こそが邪魔ものだったのではないだろうか、という考えにクリスティーナは至ったのだった。
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