義妹に苛められているらしいのですが・・・

天海月

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「あのメリダという侍女には酷く嫌われているのだが・・・果たして、私の話を素直に聞いてくれるかどうか。それに、バートンは、メリダに『力』を自覚させれば大丈夫だとも言っていたが・・・そう上手くいくとは思えない」

『エレーヌという将を射とめるためには、まずはメリダの心を掴むべきだ』そうバートンに言いくるめられたカノンは、しぶしぶ彼の提案に乗ることにしたものの、実際思惑通りに事が運ぶのか不安しかなかった。





「メリダ・・・と言ったな」

屋敷の廊下を歩くメリダをカノンは呼び止めた。

振り返ったメリダは、敵意を隠しもせず無愛想に言った。

が、エレーヌ様の侍女の私にどのような用でしょうか?」

「少しの間だけでいい、私の話を聞いてくれないだろうか・・・」

いつもの若い令嬢らしい口調とは異なり、低く落ち着いた調子で話すカノンに、メリダは怪訝そうな顔で返す。

「何のつもりですか?私には何も媚びる必要などないから、猫を被るのはやめたのですか?」

「どう取ってくれても構わない。だが、どうか・・・頼む、エレーヌにも関わることだ」

「信用するわけではありませんが・・・お嬢様の話・・・ということでしたら聞かない訳にはいきませんね」

カノンは警戒するメリダを自室へと招き入れた。





「お前には、誤解されているようだが・・・私はエレーヌに決して害をもたらそうとしている訳ではないのだと解ってほしい。その為には、まず私の本当の姿を明かそう・・・」

カノンはそう言うと、身体に掛けていた魔術を解き、小柄な令嬢からすらりとした長躯の美男へと瞬く間に姿を変えた。

それを見たメリダは一瞬言葉を失ったが、すぐに気丈に言葉を繋いだ。

「・・・以前から普通の娘ではないとは思っていましたが・・・まさか化生の者だったとは・・・!旦那様や皆の様子がおかしかったのも・・・」

「それについては、後々詳しく釈明させてもらうとしてだな・・・メリダよ、お前の家に聖女の話は伝わっていないか?」
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