花香る人

佐治尚実

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もう少し反省をして欲しい

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 弛緩した身体が時折小刻みに揺れる、ベッドに沈めている身体は抜け殻のようだ。全て吸い尽くした鬼畜なカイは、好き放題ユイトを抱いた。嫉妬に染まったカイに許しを求めても、叫びが嗚咽に混じる朦朧とした喘ぎ声に変わるだけであった。


「僕は約束を守っただけだ、カイは僕を全く信用してない、とても悲しいよ」


 柔らかく肌触りの良いブランケットで、無数のうっ血の跡を残す身体を隠した。全身を貫く快楽の名残なのか、皮膚がシーツに擦れるだけで小さな快楽を拾ってしまう。勿論そんな素振りをカイに気がつかれないよう、ユイトはブランケットに気だるい表情の顔を埋めた。


「許して、ユイト本当にごめん・・・・・・ユイト」


 暴走した自分への戒めなのか。黒のバスローブを羽織るカイは、キングサイズのベッドに上がらないで、足下で正座をしていた。今にでも泣きだしそうな瞳を揺らして、ユイトの機嫌を取ろうと謝罪の言葉を繰り返す。あれだけ傍若無人に抱かれ、ユイトは人としての尊厳や自尊心を奪われた。


 無言でカイの情けない声を聞いていたユイトは、のそりとブランケットから泣きはらして充血した目を露わにした。一目見ただけでカイからは、反省の色が見え隠れする。


「ごめんなさい、泣いて怖かったよね」


 平民である自分に媚びへつらう貴族然とするカイの姿は、ベッドの上とは別人であった。「嫌がることをしない、人の話を聞く」そうユイトは、暴君に守るように告げる。


「ユイトの嫌がることはしない、暴走もしないから」 


 もう大丈夫かな、そう判断しかけた。疑いの視線を送るユイトの表情が和らぎを見せると、カイは身を乗り出し赤面する。息が乱れ目を輝かせては、ベッドに手を伸ばそうとする。


「約束を破ったら、怒るからね」


「うん、ユイト、守るから」


 ユイトの肌を存分味わったカイの骨張った手が、ブランケット越しに身体のシルエットに沿うよう撫でる。目の前で極上の獲物が、口を尖らせて忠告する。

「可愛い可愛い」我慢も出来ない恋人にユイトは、許すしかないのだろうと溜め息をついた。しかし少しは反省もして貰いたい思いで、布越しでしか触らせない。もう少しこのままにしておこう。
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