キーボードクラッシャーの日常

あおみなみ

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令和の新常識

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 少し前になりますが、子供を単独で家に置くことを「虐待」とみなすような内容の、いわゆる留守番禁止条例がとある県で議員提案されたものの、撤回されました。
 子供を守るには理想的な内容ではあるものの、現実的ではない、ということでしょう。

 ギリギリ昭和に成人したような(出席はしなかったものの、一応成人式は平成元年)世代の人間としては、いろいろと思い出すことがあります。

 家鍵の穴に紐に通して首からペンダントのように下げていた、いわゆる「鍵っ子」の同級生が割といた。
 たまたま家に誰もいない状態のとき、「今日はこれで開けて入って」と鍵を預けられる一時的テンポラリー鍵っ子状態のこともあり、そんなときは、なぜか仲のいい子に鍵を見せびらかしたり。

 家庭科の時間、「お父さんもお母さんもいないときにお客さんが見えたら、どのように応待したらいいか」を教わる。
 お客様を家に上げるロールプレイで「むさくるしいところですが……」などの謙遜コトバが言える子が高評価だったなあ。

 自分自身、両親どころか母方の祖父母も同居の家だった(つまり大人が4人もいた)のに、両親共稼ぎだったこともあり、「子供だけのお留守番」が割と当たり前にあったし、ご近所さんはもちろんのこと、未知の来客も結構あった……。

 どれもこれも、昭和の世では当たり前のことでした。

 社交的でない私は、家に大人不在のときの来客応対が死ぬほど嫌いで、「鍵かけて居留守使っちゃおうか」とよく考えたし、兄も弟もおらず本気の一人のときは、実行したこともあったような記憶があります。
 後ほど先方への電話確認でばれ、「お客さんが来るって言ったでしょ?何してたの?」と叱られたりもしました。
 事情がいろいろあったとはいえ、逆に来客が分かっているのに家にいないのはどういうことか!と今でも言いたくなります。

 最近は、「え鍵を人に見せない●えの周りをよく見る●うびんポストをチェックする●れもいなくても「ただいま!」と言う●かに入ってすぐ戸締りする」 の頭文字を取って、「」というスローガンがあるそうです。

 子供一人での在宅は致し方ないものの、そのスキを狙われて被害に遭うのを防ぐための方策ですが、では、こういう家に実際来客があったとき、子供はどのように対処するべきか?

 その答えを、自転車散歩ポタリングの路上で見つけました。
 小学校の近くだったことは覚えているのですが、割と広範囲をと動き回っているので、どこだったかが思い出せません。具体的に写真などで押さえることができたら、後日アップします。

 よくある児童が考えたスローガンでしたが、ざっくりした趣旨は「居留守の推奨」でした。
 コレが学校前に掲出されているということは、学校もそれをよしとしている――というより、学校で「知らない人が訪ねてきたら、居留守を使いなさい」と積極的に教えているということでしょう。

 いやあ……「むさくるしい」が褒められた時代とはえらい違いです。
 これを世知辛いと取るべきか、危機管理能力の醸成と取るべきか。留守番(というか知らん人の対応)大嫌いキッズだった私としては、だんぜん後者を支持したくなります。
 
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