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後日談
しおりを挟むW先生の計らいで「学校や自宅周辺で、面識のない生徒(特に女子)に声をかける人がいるので注意しましょう」という情報が「学校発」として出され、保護者への注意喚起を行った。
私は結局、このお知らせプリントを一読した後に母から「あんたはスキがあるから気を付けないと(くどくど)」を食らうことになる。
小学生に、「知らない人に「お菓子買ってあげるから」とか「お母さんが病院に運ばれた」とか言われても、ついていかないこと」という注意をするのとはまた別の“あやうさ”があるのが、中学生というものだ。
実際、いわゆるナンパみたいな感じで、ちょっとグッドルッキングな大人に声をかけられたら、車に乗ってしまう子もいるかもしれない。
どこまで効果があるかは分からないけれど、「生徒が学校外の取材に応えるときは慎重に」というあたりも、先生は学校に進言してくださったらしい。
私はしばらく単独での登下校をできるだけ避けた。
幸いそれ以降は、妙な電話も声かけもなかった。
人づてに聞いたところ、M田は篤志家で人情家の農家のおじいさんに説教されついでに、いろいろと愚痴を聞いてもらったようで、それで気が済んだのかもしれない。
私もあの程度で済んだし、けがなど負ったわけでもなく、警察を呼んだところでどうにもならなかったろう。
いいところで手打ちにできた――と思いたい。
***
それから10年以上経ってから、「ストーカー」「ストーキング行為」という言葉も徐々に世に知られるようになり、ストーカー規制法として法制化もされた。でも、大昔から概念としてはあったらしい。
名前がつくことで説明がぐっと楽になるし、概念としても浸透する。変な話、いい時代になったものだと思う。
余談だが、広報のこのページは、令和の今でも引き続き顔写真・校名・名前入りで公開されている。
強いていえば、ハローページで固定電話番号を特定される心配だけはないけれど、今はそれを補完してあまりある、個人を特定できる情報がネット上に氾濫しているのが気がかりだ。
何だかんだ言って、やっぱり昭和はのんきな時代だったといえなくもない。
【了】
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