しるびあのため息

あおみなみ

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針小棒大

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 最近やたら批判されているエンタメ記事サイトがある。

 捏造記事ばかりと言われているが、事情通でない自分に真相など知る由もないから、捏造かどうかはわからない。
 例えばある芸能人が、テレビでちょっと引っかかる発言をした、どうかと思うような写真をSNSに上げたということに対し、少しでも批判的な声が上がっているのを見ると、それが大多数の意見であるかのように、悪意たっぷりに書かれるのだ。
 
 私も気になる人が話題になっていると、つい読んでしまうが、捏造というより針小棒大って感じがする。

 謎の関係者のやたら饒舌な事情通ぶったコメントが毎回あるとか、肯定的な意見も載せた上で、否定的な方を多めに載せるとか、お約束のスタイルで、やたら上から目線なのだが、文章じたいは書き慣れている人の言葉あしらいという気がする。

 私も内職おばさんの端くれなので、1本何百円みたいな記事を書かないかというお誘いはあるが、淡々とこなせるデータ入力で細々とやるのが性に合うので、大抵はお断りする。
 そういう記事は、小学生の作文に毛が生えたような文体で「いかがでしたか?」で締めてあるので、低単価でマニュアル通りに書いたものだろう。
 …に比べたら、幾分マシに見える文章だが、あの悪意と尊大さはいただけない。

 ただ、「共感されたい愚痴ブロガー」としては、「お手本」にしたい部分もなくはない。

▼▼

○飲んで夜遅く帰ってきて、少し申し訳なさそうに「食うものない?微妙に腹減った」と言われた。
カップ麺をだしたら、「これか…」と感情の読めない顔で言い、黙々と食べ始めた。

 これが事実だが、別に面白い話でもないし、この程度で腹を立てるの?と思われるだろう。

飲んで午前様帰宅。私が起きて待っていなかったことにキレ、揺さぶり起こし、「夜食をさっさと作れ」と要求。
カップ麺しかないと言うと、「お前らの飯もカップ麺だったのか?」とたっぷりに言い、「自分たちはのうのうと飯食っておいて、いいご身分だな」と言いながら、カップ麺に湯を入れ、できあがるまでこんこんと説教。話が長くなり、時間が超過すると、「お前のせいで麺が伸びた!」とまたキレる。
やれやれ、七夕の夜に雨が降るのも、バターの値段が上がるのも、この人の中では全部私のせいだ。

ここまで書いて、オチも複数思いついた。

その1-1
文句を言いながら食べ、後片付けもしないでシャワー→床入り。情けない気持ちでスープの処理をする私。

その1-2
文句を言いながら食べ、スープも全部飲む。翌日、脂に負けて朝から腹を下し、「お前のせいで」と責める。

その2-1 「こんなもの食えるか!」とシンクにぶちまける。それを泣きながら片付ける私。

その2-2 「こんなもの食えるか!」とシンクにぶちまけ、片付け終えた私を正座させ、こんこんと説教1時間。

「こんなことをしていたら当然寝不足になる。次の朝、不機嫌顔でまたグチグチ…」が全ルート共通エンドである。

▼▼

 私には今までの蓄積があるため、「モトネタ」部分で大分イライラが募っているのだが、これでキレ散らかすのは、さすがにただの気の短い人である。
 ヒスババァなどという侮辱も聞きたくない。何よりも「家族の前ではおっとりと」を心掛けているのだ。

 ただ、針小棒大おおげさを心掛けて愚痴を書いている間、私は多分朗らかな表情をしているし、心も大変まっ平に落ち着いている。
 あまりにもひどく脚色し過ぎた日は、さすがに夫に申し訳なくなり、マッサージを申し出たり、晩酌のつまみに色をつけたりするので、喜んでくれるほどだ。

 夫への愚痴を書いて溜飲を下げたい、共感を得たいと思って始めたブログだったが、もっと先へ進み、物語を作る快感を知ってしまったのかもしれない。
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