短編集『サイテー彼氏』

あとがき

徹底的にひとまとめ

　短編集『サイテーな彼氏』を手に取っていただき、まことにありがとうございます。

　既に読んでくださった方の中で、途中で構成が変わっている？何か話増えてない？といったことにお気づきの方もいらっしゃるでしょうか。

　実はこちらに収録しようと思っていたにもかかわらず、入れ忘れてしまい、しかも過あやまって「完結」ステータスにしてしまったので、いったん「連載中」に戻し、さらに３万字超付け加えました。紛らわしい公開の仕方になってしまい、まことに申し訳ございません。

　最初に申し上げたように、「こいつはちょっと…」と思うような部分のある彼氏やパートナー殿が登場する短編を、徹底的に一まとめしたのが本短編集です。

　私は生まれつきの性別も性自認も「おんな」で、男の人に恋をし、結婚し、子供を２人産んだ、どこにでもいるおばちゃんです。
　だから、自分と違う性別の人、自分とは違う考え方を持つ人の気持ちで書いてみようとすると、「想像であるがゆえに、冷静に書けたかも」と自画自賛したくなる作と、「どこまでいってもただの想像、しかも逆張りっぽくてわざとらしい」作に分かれます。

　大分終盤の方に、DVをテーマにした『新婚さん』というお話を入れましたが、実は男性がDV被害者として苦しむVer.も執筆中（なかなかまとまらず）です。
　常に「パートナーから不当に扱われているのに、男性があるがゆえに救済の手が得られずに苦しむ人の話を書きたい」と考えていました。
　男性ばかりが悪者なのはフェアじゃないと思うからという、個人的なこだわりのようなものでしかないのですが、何にせよ、読んでいただかないことには「フェアじゃない」とさえ思ってもらえないのが現実です。

　そういう意味でも、本当に本当に、読んでくださってありがとうございました。

　短編が結構たまってしまったので、時々こんなふうに短編集として一まとめにすることがあります。
　次は「平凡だけど幸せな夫婦」とか「若く微笑ましいバカップル」かな。
　またそちらでお目にかかれれば幸いでございます。

あおみなみ