短編集『朝のお茶会』

あおみなみ

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第6話 花ざかりの少年少女たち

おまけ  【ゆうゆうじてき部】

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 「ねえ、さっきのサクラって子も参加者なのか?小学生?」

 “目つきの鋭い少年”日高ひだかが優香に尋ねた。

「失礼な。四中の1年生だって。素直で礼儀正しくて、いい子っぽかったよ」
「映画、一緒に来られたらよかったのにね」
 3人の少年の中で最も親しみやすい雰囲気の喜多川きたがわが、素朴な感想を言う。
「ちょっと人見知りみたいだから、いきなりは難しいでしょ。
 こっちの連絡先教えたから、気が向いたときに連絡してくれるといいなと思って」

「ね、優香、いつの間にメモ書いたの?びっくりしたよ」
「あ、トイレに立ったときにちゃちゃっとね。まつりのは独断で書いてごめん」
「それはいいんだけど――すごいよね、優香。これで自分は人見知りだって言うんだから驚くよ」
「真の人見知りはね、初対面の人には強いんだよ。先入観ないからね」

 基本的に“カノジョ”であるまつりにしか興味のない美少年・斉木さいきは、そんな様子をぼうっとうかがうだけだったが、
「なあ、俺たちも来月から参加させてもらうか?」
 と提案した。

 それに対して日高は
「え、俺早起きマジ無理。今日の8時集合だってキツかったのに」
 と返し、家がケーキ店を営む喜多川は、
「俺も興味あるけど、一応商売敵だから、オヤジがいい顔しないかも」
 と、乗り気とは言えない返事をした。

「そうか…部活の一環で、いいかなと思ったんだけど。
 喜多川君はご家族がいい感じだったら一緒に来よう。
 日高は遠慮なく寝ててくれ」

 どうやら斉木は来月から合流する気満々らしい。

「なんだよ、それ。俺相手だと新年早々そういう態度か」
「そこはお互い様だろ?」

 来月のお茶会は、今回に輪をかけて賑々しいものになりそうだ。

【第6話 『花ざかりの少年少女たち』了】
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